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一度は主人公の座についた「孫悟飯」 父を超える“才能”を活かせない理由とは

マグミクス / 2021年9月18日 16時10分

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■ピッコロとの修行がお互いの心に変化をもたらした

『ドラゴンボール』の孫悟飯は、孫悟空とチチの間に生まれた最初の子供です。生まれた時にはサイヤ人の証であるシッポが生えていました。当初の性格は泣き虫で、将来の夢は偉い学者さん。その潜在能力は悟空も「高い」と感じていましたが、武術はチチの反対で教えておらず、叔父にあたるラディッツとの戦いで、強制的に才能を目覚めさせることになりました。

 当初の悟飯は感情が高まると一気に戦闘力がアップし、秘めた力は悟空以上とも言われています。そんな悟飯を武闘家として育成したのが、まだ世界征服を考えていた頃のピッコロでした。最初の頃はピッコロを怖がっていた悟飯でしたが、徐々に信頼するようになり、ベジータとナッパとの戦いの頃には固い師弟の絆を築くようになります。

 この悟飯との出会いはピッコロの心にも大きな影響を与えました。出会ったばかりの頃、ピッコロが吐き捨てるように「恨むんならてめえの運命を恨むんだな……このオレのように……」と言ったことがあります。ピッコロは最初から悟飯に何らかのシンパシーを感じていたのでしょう。だからこそ師匠となって悟飯の成長を助け、その命を助けるために自らを犠牲にするという行動を取ったのだと思います。

 そんな信頼関係があったからこそ悟飯もピッコロになついたのでしょう。兄に近い年齢ですが、悟空不在の時期の多かった悟飯にとって、ピッコロは父親代わりだったのかもしれません。悟空の性格から考えると厳しさを教えられるとは考えづらく、幼い頃にピッコロの修行を受けたことが肉体的だけでなく、精神的にも悟飯が成長できた一因だと考えられます。事実、ピッコロとの修行以降は泣き虫の面は消えました。

 その後、精神と時の部屋での修行で、悟飯は一気に悟空をも超える力を身に付けます。それは悟飯の才能もあったでしょうが、悟空式の修行法が大きいかもしれません。悟空の修行を振り返ると、常にそれまで戦った相手を圧倒できるほどの力を得ています。強くなるコツみたいなものがあるのかもしれません。だから悟飯は急激なパワーアップができた。同じ修行法で悟飯の方が上だったのは、やはり潜在能力が悟空より高かったからと言えるのかもしれません。

 そう考えると、悟空の強さは修行によるもの、悟飯の強さは才能だったと考えられます。ピッコロから師匠には向いていないと言われた悟空ですが、実はもっとも師匠向きの武闘家だったのかもしれませんね。ただし、泣き虫だった頃の悟飯では悟空も効率的に育てることは困難だったはずです。最初の師匠が厳しいピッコロだったことが悟飯にとって良かったのは間違いありません。

■一度は主人公の座に就くものの、弱体化してしまう悟飯

 こうして最強となった悟飯ですが、平和だった時期に修行をなまけたことで弱体化してしまいます。悟空はもちろん、口ぶりから考えると戦闘力はベジータにも抜かれていました。しかし、優秀な成績で学校に入学したことを考えると、ただ遊んでいたわけでなく、かなり真面目に勉強していたのでしょうから仕方ありません。

 ところが平和だった時間は終わり、魔人ブウとの戦いが始まります。ここで悟飯は紆余曲折あって、老界王神の儀式で潜在能力を開放しました。その力は悪の魔人ブウを圧倒するほどのもので、合体しない単独の戦士として作中最強クラスの力を手に入れます。

 しかし、ささいな油断からゴテンクスとピッコロを吸収した魔人ブウに立場を逆転され、さらに自身も吸収されてしまいました。かつてセルとの戦いで超サイヤ人2になった時もそうですが、悟飯には戦士として決定的に緊張感が不足しているのかもしれません。この見積もりの甘さが、せっかくの才能を生かせない原因なのでしょう。

 一度は悟空から主人公の座を譲り受けた悟飯が、その座を返すことになったのも、この油断してしまう甘さが原因かもしれません。バトルものの主人公が油断しやすいと、物語の緊張感が損なわれますから。そう考えると、悟飯はいまだに「未完の大器」なのかもしれません。現実でも才能があっても目が出ない二世選手という方はよく耳にします。ピッコロとの修行で泣き虫は克服しても、戦いにおける詰めの甘さは克服できなかったのでしょう。

 ちなみに『ドラゴンボール』の世界では、修行を怠ると戦闘力が低下することが顕著に現れます。魔人ブウとの戦い以降はアニメ『ドラゴンボール超』で見ることができますが、当初の悟飯は超サイヤ人になることもギリギリで、老界王神から授かった潜在能力開放時の姿になれずにいました。この間、ビーデルとの結婚、娘であるパンの誕生、夢だった学者への道を歩み始めるという順風満帆な人生を送っていたので仕方ありません。

 戦いは父である悟空とベジータという2強がいたことで安心して戦いから身を引いていたのでしょう。しかし、復活したフリーザの襲来、宇宙存亡がかかった「力の大会」と、悟飯は愛する家族のビーデルとパンを守るため、戦いの場に戻らなければならなくなります。

 ピッコロとの再修行で往年の力を取り戻しつつある悟飯。家族を守るという気持ちで甘さを乗り越えることができれば、秘められた才能を今度こそ開花させて父の悟空をふたたび超えることができるかもしれません。

(加々美利治)

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