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「大ベルセルク展」開催中。ファン必見、故・三浦先生を偲ぶ「画業32年」の軌跡

マグミクス / 2021年9月21日 18時10分

「大ベルセルク展」開催中。ファン必見、故・三浦先生を偲ぶ「画業32年」の軌跡

■「彼なりし亜の刻、亜なりし彼の地へ」

 2021年5月6日、代表作『ベルセルク』の完結を果たせず、道半ばにして倒れた三浦建太郎先生の32年に及ぶ画業を記念したイベント、「大ベルセルク展」が、2021年9月10日から23日(木・祝)まで、池袋・サンシャインシティの展示ホールAで開催されています。

 まず会場の入り口で出迎えてくれるのは、『ベルセルク』の主人公、ガッツが大剣を振り下ろす姿です。壁に描かれているはずの絵が今すぐにでも動き出しそうな躍動感にあふれており、三浦先生の線が生みだす命の鼓動を感じることができるでしょう。

 通路を進もうとすると目に入るのが、赤い台座に白文字で書かれた三浦先生からのメッセージです。ダークでヘビーな作風からは想像しづらいひょうきんさを感じる内容で、記されたタイムスタンプは2020年10月9日となっています。まだ誰も、三浦先生自身はこのイベントを目にすることは無いなどと、想像すらできない時期に書かれたものでした。改めてご冥福を祈るとともに、三浦先生を連れて行ってしまった神に対して「放っとけ!」と言いたくなる気持ちにかられます。

 会場に足を踏み入れると出迎えてくれるのが、ガッツの大剣のレプリカです。さらにガッツ、グリフィス、キャスカ、パックをはじめとする主要キャラクターの巨大なイラストと概要が並べられた光景は圧巻です。30年以上もの間、慣れ親しみ一喜一憂させてくれたキャラクターたち。初期のころからの読者にとっては、人生の半分から3分の2をともにしたキャラクターたちの軌跡を目の当たりにしながら、さらに奥へと進みます。

 ここからは、『ベルセルク』時代を代表的なシーンとともに追いかけていくコーナーとなります。吊るされた母親の下で拾われたガッツが傭兵として生きるなか、育ての親であるガンビーノを不慮の事故で殺して逃亡。30人斬りのバズーソを討ち、鷹の団と出会い仲間になるまでが描かれます。

 3年後、鷹の団とともに成長したガッツは不死のゾッドとの遭遇を経て、ドルドレイ要塞攻略でのボスコーン将軍との決闘に勝利するなど、さまざまな戦いを潜り抜けていきます。グリフィスは将軍へと上り詰めますが、ガッツはグリフィスと対等の人間になるべく剣で自らをもぎ取り鷹の団を旅立ち……すべてが暗転したのです。

■「それは巨大な……恐怖そのものだった」

ガッツやキャスカたちの軌跡を追体験できる展示コーナー

 1年後、ミッドランドを追われた鷹の団とガッツが合流。グリフィスの救出作戦を開始します。極限状況のなか、心の距離が近づいていくガッツとキャスカ。やがてふたりは結ばれますが、死闘の末に救出したグリフィスは拷問を受け廃人同然となっており、黄金時代は完全に終わりを告げてしまうのです。

 そして迎えた「蝕(しょく)」により、グリフィスのゴッドハンドへの転生へのいけにえとして、生き残った鷹の団の団員は貪り食われ、無残な最期を迎えます。キャスカは犯され、ガッツは右目と左手を失いますが、髑髏の騎士の介入によりかろうじて一命をとりとめ、復讐の旅が始まるのです。

 なお、当イベントでは「蝕」を模したジオラマが設営されています。苦悶のうちに死に至った人びとの顔、そしてゴッドハンドたちが集う禍々しさに満ちた空間を、心ゆくまで堪能してみてはいかがでしょうか。

 ここからは「黒い剣士」と化したガッツと使徒たちの死闘が描かれます。伯爵との凄惨な戦い、グリフィスとの再会、エルフもどきを従えるロシーヌ、ファルネーゼたちとの邂逅など、さまざまな出来事を回想しながら進んでいくと、不意にあるものが現れます。

 そう、1/1サイズ・不死のゾッドです。その姿は巨大で、恐怖そのもの。本当にこの大きさの角に、牙に、爪に、腕に人は対抗できるのか? いや、無理だろうと思わせるだけの威圧感を誇るこの像は、クラウドファウンディングによって集められた資金により作られたもの。これをひとたび目の当たりにすれば、ガッツですら恐怖のあまり歯をガチガチと鳴らしたことに納得がいくでしょう。

 ここまで来れば終わりも近づいてきます。展示会の最後を飾るのは、三浦先生の画業を振り返るコーナーです。ここには三浦先生が有志とともに進めていたある企画に関する品々が展示されているだけでなく、とても大事な人の、大事な姿、大事な言葉が待ってくれています。

 それが何なのかは、ぜひあなた自身で確かめてください。

(C)三浦建太郎(スタジオ我画)/白泉社

●「大ベルセルク展~三浦建太郎 画業 32 年の軌跡~」

日程:2021年9月10日(金)~9月23日(木・祝)
会場:池袋サンシャインシティ 展示ホール A
入場料:(当日)一般2000円/音声ガイド700円

(早川清一朗)

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