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子供たちに愛された仮面ライダー「悪の大幹部」の歩み。時代とともに姿は消えて…?

マグミクス / 2021年9月25日 17時10分

子供たちに愛された仮面ライダー「悪の大幹部」の歩み。時代とともに姿は消えて…?

■シリーズに革命をもたらした、悪の大幹部の登場

 今日から半世紀前の昭和46年9月25日、『仮面ライダー』第26話「恐怖のあり地獄」が放送されました。このエピソードは、ライダーシリーズ初となる悪の組織の大幹部「ゾル大佐」が初登場した回です。

 それまでの『仮面ライダー』はショッカー首領が直接怪人に指令を送り、仮面ライダーと戦うという流れでした。まれに怪人に協力する科学者や幹部がゲストとして登場していましたが、レギュラーとしての登場はありません。

 ゾル大佐は自ら作戦を立案し、怪人を指揮する役割をもった初めての大幹部で、その登場によってショッカーという組織の強大さが鮮明に描かれることになります。その存在で「首領→大幹部→怪人→戦闘員」という組織構成を確立し、悪の組織としてのショッカーのヒエラルキーを明らかにしました。

 人間の姿をしながらも怪人を従えるゾル大佐はまさに惡の華。ライダーシリーズの人気の一端を担った存在だと言えるでしょう。その最期は怪人「黄金狼男」に変身し、大幹部の正体は強力な怪人だったというフォーマットを確立します。

 続いて登場した二代目の大幹部「死神博士」も、怪人を従える威厳を持ったキャラで、演じた天本英世さんの怖すぎる演技もあって印象深い存在となりました。天本さんのスケジュールの都合で途中退場してしまいますが、その正体である「イカデビル」として再登場してライダーを苦しめます。

 そして日本支部三代目大幹部が「地獄大使」。そのインパクトあるデザインと、演じていた潮健児さんの怪演で、ライダーシリーズを代表する大幹部と言えるかもしれません。

実は、前任のふたりのコスチュームは東映衣装部のもので、特にデザインしたものではありませんでした。一方、地獄大使は原作者の石森章太郎先生がデザインした「ビッグゼロ」をもとに、役者の顔が見えるようアレンジしたもの。このビッグゼロのデザインは原作マンガ版の最後の敵である「ビッグマシン」に流用されたとも言われています。

 この後も、ゲルショッカーを結成した「ブラック将軍」や、デストロン初代大幹部の「ドクトルG」といった、仮面ライダーと並ぶ大幹部たちが次々と生まれます。『仮面ライダーV3』では、この5大幹部が勢ぞろいするという一大イベントがあり、ライダーブームを盛り上げました。後に平成ライダーの時代に役者を変更してこの5人が復活したことからも、他の大幹部と一線を画す存在だったと言えるでしょう。

 この人気は製作者側も理解しており、月刊誌からの提案で1か月ごとに子供たちが注目する話題がほしいと言われた際、「キバ男爵」「ツバサ大僧正」といった大幹部の乱発を企画しています。続く「ヨロイ元帥」もその予定でしたが、ライダーマンとの因縁から最終回まで続投することになりました。ヨロイ族の怪人が途中から鎧とは縁のない怪人になっていくのはその名残だそうです。

■時代に合わせてさまざまな変化をした悪の大幹部たち

平成以降の「悪のライダー」活躍に先鞭をつけた、シャドームーン。画像は「S.H.フィギュアーツ (真骨彫製法) シャドームーン 約145mm PVC&ABS製 塗装済み可動フィギュア」(BANDAI SPIRITS)

『仮面ライダーX』では、それまでとは違うタイプの大幹部が登場しました。

 前半、Xライダーと戦ったのが「アポロガイスト」。それまでの大幹部と大きく違う点は、変身して毎回Xライダーと戦うライバル的存在だということです。平成ライダーシリーズ以降に登場する敵キャラに近い存在で、『仮面ライダーディケイド』では、リデザインされ後半の敵の指揮官として活躍していました。

『仮面ライダーX』の物語後半に現れた「キングダーク」は、他に例を見ない存在です。最後に巨大な敵と戦うというのはパターンとしてありますが、最初から巨大で、しかも実物大が存在している圧倒的な巨大感は圧巻でした。その知名度ゆえに仮面ライダーたちが集合する劇場版でも終盤によく登場しています。

 人気の高い大幹部といえば、『仮面ライダーストロンガー』の「ゼネラル・シャドウ」(現在はジェネラル・シャドウ名義が多いが、当時のオープニングクレジットに合わせています)は外せません。

 大幹部でありながら一匹狼気質の性格で、ブラックサタンにいながらも組織を崩壊させ、新組織デルザー軍団を結成する手腕など、悪の魅力にあふれた存在です。悪には珍しい白を基調としたカラーリングは、組織内のライバルであるタイタンの黒と対になっています。このシャドウも人気があり、平成ライダーシリーズ劇場版ではリデザインされてたびたび登場していました。声は当時と同じく声優の柴田秀勝さんでしたので、当時のイメージのままで活躍しています。

 このように、大幹部は作品ごとにさまざまな形へと進化していきましたが、平成ライダーシリーズに大きな影響を与えた幹部といえば、やはり『仮面ライダーBLACK』の「シャドームーン」でしょう。

 それまでの仮面ライダーの偽物でなく、オリジナルの仮面ライダーとは別の存在、「悪の仮面ライダー」である点は、平成以降のライダー同士で戦うというドラマに先駆けていたと考えられます。もちろん、この当時のシャドームーンは仮面ライダー名義ではないわけですが、現在のライダーシリーズから紐解くと、悪の仮面ライダーの始祖ともいえる存在でしょう。

 ちなみに現在、NHKで放送予定のテレビ番組『全仮面ライダー大投票』では、シャドームーンが仮面ライダーのひとりとして投票できるので、一部では物議になっていました。筆者としては仮面ライダーではないと思っていますが、悪の組織の大幹部に一票も入れられないから、これはこれでいいかなと思います。

 昨今では敵側の強キャラもラスボスもすべて仮面ライダーとなって、悪の大幹部と言える存在の登場は減少していますが、やはり悪の華として、仮面ライダーと互角に渡り合う大幹部の復権を見たいですね。

(加々美利治)

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