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『DQV』花嫁論争、「フローラ派」の理由 堀井雄二氏もビアンカを選ぶと思っていた

マグミクス / 2021年9月27日 18時10分

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■条件だけ見れば、フローラ一択にも思えるが…

 1992年9月27日は、スーパーファミコン用ソフト『ドラゴンクエストV 天空の花嫁』(以下、ドラクエV)の発売日です。 親子三代にわたって困難に立ち向かう……。重厚なシナリオに寄せられる人気は根強く、「シリーズ随一」の太鼓判を押すファンも少なくありません。

 さて、ファンが本作を語るとき、避けて通れない話題といえば、本作の代名詞とも呼べる結婚イベントです。

『ドラクエV』では、旅の道中にビアンカかフローラのどちらかひとりを主人公の伴侶に選ぶことが求められます。どちらを選ぶか、プレイヤーによって意見は真っ二つ。発売から約30年経った今でも、いわゆる”花嫁論争”に決着がつく気配はありません。

 まず、長いブルーの髪にピンクのリボンを巻くフローラは、修道院で花嫁修行をしていたお嬢様。活発なビアンカとは対照的に、奥ゆかしさと高い気品を持ったキャラクターです。

 容姿端麗なうえ、父のルドマンは大富豪。結婚すれば、いわば”逆玉の輿”に乗ることができます。事実、フローラを伴侶に選んだ場合、ルドマンより多くのゴールド(お金)や「みずのはごろも」「しんぴのよろい」など、冒険を有利に進めるための装備品が援助されます。

 ステータス面では大器晩成型であるものの、レベルを上げていくことで強力な攻撃呪文「イオナズン」も習得するため、戦闘面においても「ビアンカより優遇されている」意見も散見することができます。

 条件だけを見れば、フローラを選ぶ理由しか見当たらないようにも思えますが……意見は真っ二つなのは先述した通りです。

 もうひとりの花嫁候補、はっと目を引く美貌を持ち、明るく活発な性格のビアンカは、シリーズでも指折りの人気キャラクター。熱狂的な「ビアンカ派」も存在します。議論が白熱する理由は、単純に”好み”の話にとどまりません。

「ドラゴンクエスト」シリーズのシナリオを手がける堀井雄二さんは、2011年に発売された『ドラゴンクエスト25thアニバーサリー 冒険の歴史書』で「みんなふつうはビアンカを選ぶだろうと思ってたんですが、フローラを選ぶ人も多かったのは、ちょっと意外でしたね」と当時を振り返っています。ゲームのエピソード上、フローラが気になりながらも、本心とは裏腹にビアンカを選んでしまうプレイヤーも少なくなかったのようです。

■ビアンカを選びたくなる、さまざまな仕掛け

画像はPlayStation2版、パッケージに描かれるのはビアンカ(スクウェア・エニックス)

 ふたりの花嫁候補に出会うタイミングに大きな差があるのも理由のひとつです。 結婚イベントに至るまでの間、作中にはビアンカへの愛着を沸かせる仕掛けがたくさん用意されています。

 まずビアンカは、パッケージにも描かれているキャラクター。主人公とは幼なじみの間柄で、レヌール城でのお化け退治では、冒険を共にするパーティキャラクターとして操作ができます。

 いったんは離れ離れになるものの、数年後、父親の看病をする彼女と偶然再会を果たし、再び共に旅をすることになるのですが……。この時、主人公はフローラとの結婚を許可してもらうための試練の真っ最中。 試練はルドマンが用意したモノであり、ここまで主人公とフローラとの交流はあまり描かれません。むしろ、フローラに恋するアンディのエピソードのほうが強調されているようにも感じられます。

 プレイヤーの感情移入が追いついていないフローラと、幼い頃から知っているビアンカのどちらかを選ぶ……この選択が『ドラクエV』の結婚イベントなのです。

 幼い頃、ビアンカと共に救ったベビーパンサーは時を経てキラーパンサーに成長し、再び仲間になるキーアイテムは「ビアンカのリボン」。主人公、ビアンカ、キラーパンサーの一行はどこか家族のような雰囲気すらかもしています。そのような状況でフローラを選択してしまうことに、後ろめたさを感じてしまうプレイヤーも少なくなかったのではないでしょうか。 世界を救う勇者を求めるほどの人物の決断なのだから、なおのことです。

 しかしながら、「パッケージにも描かれているから」「子供の頃から一緒に冒険してきたから」「フローラにはアンディがいるから」と言った、”ビアンカ本人を見ていない”ような選択は、よくよく考えてみると、伴侶を選ぶ決断の理由として逆に不誠実なようにも思えてきます。

 2004年にニンテンドーDS用ソフトとして発売されたリメイク版からはもうひとりの花嫁候補「デボラ」も登場します。幼少期の主人公とフローラとのつながりも描かれ、ますます決断が難しくなりました。

 今も衰えぬ人気を誇る『ドラクエV』は、現在iOS/Android用のゲームアプリとして配信されています。1周目のプレイとは違うキャラクターを花嫁に選ぶことで、ストーリーをさらに味わい尽くすことができます。 本心ではビアンカ以外を選びたかった方は再度プレイし、全員の花嫁を選択した後に、改めて自分の”花嫁”を考えてみても良いかもしれません。

(ふみくん)

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