TVゲームの“クセ&病”あるある5選「ラスボス手前で燃え尽きる」
マグミクス / 2021年10月3日 16時10分
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■“もったいない”エリクサー症候群
さまざまなジャンルのテレビゲームをプレイしていくなかで、「アイテムを全てゲットしないと気が済まない」や「村人全員に話を聞いてしまう」など、「クセ」とも「病」とも呼べる、自分のプレイスタイルが生まれてきます。この記事では、ゲームプレイヤーたちの「あるある」を掘り下げます。
●「エリクサー」症候群
これは病というよりも、性格上のプレイスタイル。「ファイナルファンタジー」シリーズでHP、MPを完全回復してくれる貴重なアイテムのエリクサーをたとえピンチでも使えないという人は多いのではないでしょうか。結局、ラスボスを倒してもなお、エリクサーが飽和した状態でエンディングを迎えるということも多々あります。もったいない、この先のピンチのためになどの理由があります。
これは「ドラゴンクエスト」シリーズの「ちからのたね」などの種シリーズにもいえることです。上手に使えばステータスも上がり、冒険が楽になるのに使うことができず……。これは入手した時点でのパーティーの職業によるところがあると思います。「武闘家」ならば「すばやさのたね」を使ってもいいところですが、将来は「バトルマスター」に落ちつけたいという未来予想図があると、すばやさは重要ではなくなるので、「たね」を使うのはもったいない……とためらい、結局最後まで使えないジレンマがあります。
●ラスボス直前での燃え尽き症候群
長い冒険を経て、ラストダンジョンのアイテムも取り尽くし、あとは本丸のラスボスを倒すだけ、となった状況で急にやる気が失ってしまう「病」。なぜかしばらく放置し、「仕方ない倒しておくか…」と消化ゲームのように挑み、勝利しエンディングを迎え、達成感というよりも呆然としてしまうというもの。冒険が終了してしまう寂しさ、タスクを失うことへの虚無感がこのような症状を生んでいるのかもしれません。
●女子キャラを使っちゃう病
筆者がこの病を意識したのは『ストリートファイターII』に初めて出会った思春期の頃。リュウ、ガイル、ザンギエフなど、屈強な男たちを差し置いて使用していたキャラは春麗でした。理由は思春期でツルツルのハートをわしづかみにするビジュアルの一点突破です。春麗ばかり使用していれば友人から「エロい奴」と不名誉ないじりをされてしまいますが、それに対する答えは「使いやすいスピードキャラじゃん」が常套句になっていました。この病は、後にキャミィ、さくらへと症状を悪化させていきます。
●強武器への依存でバランスを崩す
「ドラクエ」初期作で、ゲーム序盤におけるたのもしい武器「はがねのつるぎ」。この武器の脳内イメージでは、それまでの脆弱な武器から一気に勇者らしい装備。はがねのつるぎを手にしモンスターをたやすく駆逐する妄想を抱きながら、他の防具も同時にそろえ、そしてやっとのことではがねのつるぎを購入。妄想に違わず、ザコモンスターを一蹴するシーンはやっと本物の勇者・戦士になれた気がしました。
しかし、はがねのつるぎを装備して、中ボスイベントに突入すると、あっさり撃退してしまい、なにか興ざめ感のようなものが胸に刺さります。というのも、はがねのつるぎと、それに似合う防具もそろえるとなればゴールドを貯めるのに平行してレベルも上がります。強靭な肉体と武器防具があれば、中ボスなど楽に倒せてしまいます。この「はがねのつるぎ依存」はどのナンバリングタイトルでもやってしまい、その都度同じ気持ちになります。
この現象の上位互換は「ドラゴンキラー」。また、この現象の反対にあたるのが「モーニングスター」「ゾンビキラー」。名前のカッコよさに惹かれ頑張って購入しても、期待した効果が得られずに、なんだかがっかりしてしまいます。
●『FFVI』シャドウのトラウマ
『ファイナルファンタジーVI』味方キャラでアサシンの「シャドウ」。愛犬インターセプターにだけ心を許す孤高の人でもあります。とあるダンジョンをクリア後、ダンジョンは崩壊を始めパーティーは迅速に飛空艇へと逃げる必要があるなか、シャドウはある目的のためにダンジョンに残りパーティーを先に逃がします。死亡フラグがびんびんに立ってしまったシャドウ。脱出までの制限時間も設定されているためプレイヤーの私は指示されるまま逃げ、振り返ることなく飛空艇に乗り込みダンジョンを脱出。「ありがとうシャドウ……、ありがとうインターセプター……」と心で呟き物語を進めたのを憶えています。
1994年発売のスーパーファミコン用ソフトである『FFVI』のストーリーは曖昧な部分も多いものの、このシャドウとの別れのシーンは鮮明に憶えています。なぜならば、“シャドウはギリギリまで待てば生還する”ということを後に知ったからです。 初見殺しのフラグではあるものの、ノールックで見捨ててしまったことは、今でもプレイヤーの心に残るトラウマとなっています。
これらの「あるある」はまさに不治の病。ハードやソフトが進化しようが、デジャヴのように同じ道をたどってしまいます。支障はあるものの結局はクリアしてしまうので、例え専門医がいたとしてもカルテには「ただのプレイスタイル」と書かれてしまうのではないでしょうか。
(南城与右衛門)
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