ゲームバランスを崩壊させた「最強すぎるキャラ」3選 調整ミスとしか思えない強さ
マグミクス / 2021年10月21日 6時10分
■強すぎたゲーム界の「バランスブレイカー」たち
ゲームバランスを保つのは難しく、ほとんどのゲームには強キャラ・弱キャラの区分けが存在しているのではないでしょうか。ある程度のバランス崩壊なら許容できるのですが……時には、常軌を逸するほどの「圧倒的強キャラ」が生まれてしまうことも。そうなれば、プレイヤーに与えられた選択肢は、そのキャラを使って戦うのみ。オリジナルの戦術を考える、といった楽しみは消え去ります。
この記事では、そんな悲劇を引き起こした「ゲーム界のバランスブレイカー」を、さまざまなジャンルのゲームから3つピックアップしてご紹介します。
●メガガルーラ:「ポケットモンスター」シリーズ
『ポケモン』の対戦環境で一時期猛威を振るっていたのが、「メガガルーラ」の存在です。初代から登場していたポケモン「ガルーラ」が、『X・Y』から追加された要素「メガシンカ」によって超強化。一気に環境トップへと躍り出ました。
「メガシンカ」は、専用アイテムを持たせることによって、ステータスアップと特性の変化が恩恵として現れます。「メガガルーラ」は専用の特性「おやこあい」が与えられたのですが……すべての攻撃が2回攻撃になるという、あまりに強力な特性でした。
2回目の攻撃は0.5倍ですが、合計の威力は1.5倍。単純な火力アップもすさまじく、さらに強力なのが、技の効果まで2回発動するという点です。たとえば「グロウパンチ」という技は、こうげきが一段階上昇する追加効果ですが、「メガガルーラ」にとっては“「つるぎのまい」をしながら殴る”という壊れ技となります。
また、ステータスアップによって耐久力も高く、弱点も格闘タイプのみのため、「メガガルーラ」を一撃で倒せるポケモンはかなり限られていました。また、そういった有利なポケモンを後出ししようとしても、火力が尋常ではないため、交代する際に大ダメージを受けてしまうのです。つまり、“後出しから安定して「メガガルーラ」を処理できるポケモン”がほぼ存在しなかったと言えます。
結果、勝つためには「ガルーラ」を使わざるを得ず、このゲーム自体が「ガルモン」と呼ばれるほどの状況に。『サン・ムーン』では弱体化を食らいましたが、それでも強力なポケモンとして使われていました。
■国民的ソーシャルゲームに事件を巻き起こしたキャラ
●曲芸士:『パズル&ドラゴンズ』
2015年、大人気ソーシャルゲーム『パズドラ』のバランスを崩壊させたのが「曲芸士」というモンスター。「曲芸士」は、これまでの水準を明らかに逸脱する、圧倒的な攻撃力を持っていました。
『パズドラ』は、画面上の「ドロップ」を一筆書きで入れ替えていき、同じ種類をそろえて消すことで敵を攻撃するシステム。一度に複数そろえてコンボにすると、より強力な攻撃を繰り出すことが可能です。
その攻撃力については、自身の使っているモンスターのスキルが重要となります。たとえば、それまで主流だった「極光太陽神・ラー」は、5属性+回復の6種類を同時に消すと、攻撃力7倍の効果を発揮します。しかし「曲芸士」はというと……「回復の2コンボ以上で攻撃力が7倍」。同じゲームとは思えないレベルの性能差だということが分かります。
この圧倒的な強さで、ゲームバランスは一気に崩壊。曲芸士を持っていないプレイヤーを馬鹿にする風潮や、「すまん、曲芸士でよくね?」というスラングまで登場しました。その後、他のモンスターの性能も一気に「曲芸士」を基準に引き上げられ、インフレ状態に突入。1体のモンスターによって、時代が変わってしまったのです。
●シドルファス・オルランドゥ:『ファイナルファンタジータクティクス』
最後は、『ファイナルファンタジータクティクス』で仲間になる「オルランドゥ」。仲間に加わるのは終盤ですが、あまりの強さから「バランスブレイカー」として名高いキャラクターです。
まずHP、MP、攻撃力、素早さが圧倒的。普通はジョブに応じてこのステータスが高くなる、といった個性があるものですが、「オルランドゥ」の前では形なしです。しかも、成長率まで異様に高く設定されています。
そして、「全剣技」というアビリティを使うことが可能で、これは「聖剣技」「剛剣」「暗黒剣」という3つのアビリティをすべて兼ね備えているというもの。1撃で複数の敵をまとめて撃破したり、敵の装備を破壊したり、回復したり……ひとりでなんでもできてしまいます。他のキャラからしたらそれぞれ単体でも十分というレベルのため、まぎれもないチート性能です。
この圧倒的性能のため、彼より後に仲間になるキャラが下位互換で使いどころがないどころか、「彼ひとりでいいんじゃ?」というレベルにバランスが崩壊しています。ただ、物語の設定上でも最強クラスのキャラのため、忠実に性能を表現したと考えれば、こうなるのは当然なのかもしれません。
(古永家啓輔)
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