映画『モータルコンバット』はファン納得の「フェイタリティ」描写。真田広之の演技も必見
マグミクス / 2021年10月21日 12時10分
■真田広之の所作に脱帽
1992年に登場し、残虐なトドメを刺す「フェイタリティ」表現が大きな話題を呼んだ対戦格闘ゲーム『モータルコンバット』が実写映画化されています。国内の映画館上映、デジタル配信に続いて、2021年10月20日にDVD&ブルーレイセットが発売されました。1995年、1997年に続く3度目の映画化となった本作は1995年版のリブート企画で、日本からは真田広之と浅野忠信という、豪華俳優陣が出演していることでも話題となっています。
監督を務めるのは、本作が初監督作品となるサイモン・マッコイド。過去に世界中で有名企業の広告を手掛けてきた人物です。今回は、同監督が手掛ける「フェイタリティ」描写へのこだわりにあふれた映画『モータルコンバット』はどのような作品に仕上がっているのか、ご紹介します。なお、ファン目線で最初にひとことでお伝えしますと……
期待通り血がバンバンビュービューだよ! イヤッハー! こうだよ! 『モータルコンバット』はこういうのでいいんだよ! こういうのが見たかったんだよ!
本題に入ります。(※映画ストーリーの核心に触れる記述がありますのでご注意下さい)
時は1617年。家族とともに平和に暮らす「白井流」の忍者ハサシ・ハンゾウ(真田広之)のもとに、ビ・ハン(ジョー・タスリム)率いる中国の忍者組織「燐塊」が白井流殲滅のため、襲撃をかけるところから物語はスタートします。ほんの少し目を離した隙に妻と息子を殺されたハンゾウは、氷漬けになった妻の亡骸を前に慟哭するのですが、背後に敵の襲撃を感じ取った次の瞬間には戦士の顔に戻る流れに、早くも真田広之の凄みを感じさせられます。
ここからハンゾウは襲撃者たちを絡めとり、手を切り飛ばし脳天に刀を突き立てるのですが、次の瞬間に傷口と眼孔から真っ赤な血が噴き出します。 まだ主人公すら登場していないプロローグの段階だというのに、このあふれる血こそが『モータルコンバット』の醍醐味なのだと確信できる見事なシーンです。 サイモン監督の『モータルコンバット』愛は、間違いなく本物だと確信できるでしょう。
さらなる戦いが続くなか、ハンゾウは刀を失いながらもクナイを拾い、縄でくくって即席の武器に仕立て上げるのですが、ただ縄で括っているだけなのに、粗末な武器を手にしているだけなのに、所作には一分の隙も存在しません。クナイを手元で立てるだけの動作一つに、絶対の強者感がにじみ出るのです。
しかしながら、敵も尋常な相手ではありません。残念ながらハンゾウは激しい戦いの末に敗れ、息絶えます。炎のなかに消えるハンゾウの遺体。そこに現れるのは、ある理由から直接は人の戦いに介入できないライデン(浅野忠信)。ライデンは隠されていたハンゾウ夫妻の娘を救い出し、「白井流」の血は保たれます。
そして現代へと舞台は移り、人と魔界の戦いである「モータルコンバット」が開幕してしまうのです。
■フェイタリティは必見の価値あり!
浅野忠信演じるライデンの登場シーン
主人公のコール・ヤング(ルイス・タン)は、生まれつき胸にドラゴンのあざを持つ、負けてばかりの総合格闘家です。金や栄誉に恵まれずとも、妻と娘の3人で仲良く暮らしていた彼でしたが、ある日サブゼロ(ジョー・タスリム)の襲撃を受けたことをきっかけに「モータルコンバット」に巻き込まれてしまいます。
コールを逃がしサブゼロと対峙したのは、やはりドラゴンのあざを持つジャックス。サブゼロを相手に善戦しますが敵の冷気に敗北し、両腕を氷漬けにされ粉々に打ち砕かれ、「フェイタリティ」の犠牲者第一号となってしまいます。
その後も、ソニア、リュウ・カン、クン・ラオと続々と戦士たちが集うなか、魔界の戦士たちも姿を現します。両者の間を行ったり来たりするカノウの動きを楽しんでいるうちに始まった戦いは、もちろん「フェイタリティ」に満ちあふれているのです。特にクン・ラオの山高帽がギロチンカッターのようにギュイインと回転し、二振りの釵(さい)を武器とするミレーナを脳天から真っ二つにするシーンはまさに『モータルコンバット』! ファンならばこのシーンを見るだけでも十分楽しめるでしょう。
他にも、コール・ヤングと妻、娘が戦いのなかで見せる家族愛、謎の存在「スコーピオン」、実写で表現される「フェイタリティ」の数々など、『モータルコンバット』の見どころは大量に存在しています。数多くの残虐シーンを披露しながらもレーティングをR15+に収めた関係者のギリギリのチャレンジを、ぜひご覧になってみてはいかがでしょうか。
※映画『モータルコンバット』は、デジタル配信も好評配信中です。
(ライター 早川清一朗)
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