『ドラクエ』嫌すぎな魔物4選 かわいい顔してやることが「トラウマ」レベルのエグさ!
マグミクス / 2021年10月31日 6時10分
■プレイヤーを熱くさせる嫌すぎモンスターたち
2021年に35周年を迎えた「ドラクエ」シリーズ。これほど長く愛されてきた理由のひとつには、魅力的な魔物(モンスター)たちの存在が挙げられます。『Dr.スランプ』や『ドラゴンボール』の作者・鳥山明先生のデザインですから、「とにかくかわいい!」というのは誰もが認めるところ。ゲームをスタートして最初に遭遇するスライムのぽよんぽよんした愛らしさを筆頭に、どの子(あえて「子」と言いたくなってしまう)も個性的なかわいさにあふれています。世界中のプレイヤーがきっと、それぞれの「推しモンスター」を心に抱いていることでしょう。
ただし、戦いとなると話は別。かわいいくせに高い攻撃力や特殊能力を受け、「もう、イヤーーーーッ!」と頭をかきむしりたくなったことは、一度や二度ではないはずです。そんな「ドラクエ」の嫌すぎモンスターを『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』が初出のものからピックアップしてみました。(オリジナル版の仕様でご紹介します。リメイク版では設定が変更されているところもあります)
●かわいいくせしてやることが外道な「スライムつむり」
とんがり帽子のようにも見える貝殻を背負った「スライムつむり」は、ビジュアルも名前の響きも文句なくかわいいのですが、そのかわいさが憎らしく思えてくるほど、やることがエグいモンスターです。スライム一族がゆえHPは低いのですが、硬い貝殻に守られているためか守備力がハンパなく高く、攻撃呪文もほぼ通じないというやっかいな敵。しかも集団で現れて、それぞれが「ラリホー」(眠り攻撃)と「ヒャド」(氷攻撃)をバンバンかけてくるという鬼畜ぶりです。
気付けば仲間は眠らされて戦力外。HPもどんどん削られていくので回復もしなければいけないし……攻撃と回復をちまちま繰り返し、ぜぇぜぇしながら1匹ずつ減らし、ようやく勝利が見えかけたその瞬間、あろうことかスライムつむりは「ホイミスライム」を呼びよせてHPの回復まで図るのです。もうホント、嫌~~っ!
●パーティの絆さえ壊しかねない「ヘルコンドル」
「ヘルコンドル」は、見た目は単なる大きめのコンドルですが、さすが「ヘル」と名がつくだけあって非道の鳥モンスターです。何が嫌かって、こいつは「バシルーラ」を唱えてくるモンスターの代表格なのです。
バシルーラとは敵1体をどこかに飛ばしさる呪文です。こちらが唱えれば敵1体を瞬時に戦闘から離脱させられるため心強いのですが、立場が逆ならこれほど困る呪文もありません。「眠り」や「マヒ」などの状態異常はそのうちに直って戦線に復帰できますが、バシルーラで飛ばされた仲間は、戦い中どころか戦いが終わっても帰ってこないのです。頼みの綱の回復系仲間を飛ばされたらもう……涙。
初めてバシルーラで仲間を飛ばされた時は、どこに行ってしまったのか分からず途方に暮れたものでした。一番近い町から順に探し歩いても見つからず、「もしや今生の別れか!?」と焦り、せめて装備だけでも置いていってほしかった……などと思った自分の浅ましさに嫌気がさすという精神的ダメージも受けました。
バシルーラで飛ばされる先はアリアハンにある「ルイーダの酒場」だと気付いてからは、仲間が飛ばされるたびに「チッ、仕方ない、迎えにいくか」と腰を上げるのですが、なんとなく「酒飲みながら待ってんじゃねーよ」といった気持ちもわいてきます。ヘルコンドルはパーティ内の空気を不穏にするモンスターでもあるのです。
■嫌なところだらけの迷惑モンスター
25周年を記念して図鑑が作られるほど大人気のモンスターたち『ドラゴンクエスト 25thアニバーサリー モンスター大図鑑』(スクウェア・エニックス)
●この、MP泥棒!「ゾンビマスター」
「ゾンビマスター」はゾンビたちを操るマスターということで黒幕感を匂わせたいのでしょうか、通常攻撃には参加せず戦闘補助に徹するモンスターです。何が嫌といえば、嫌なところだらけなのですが、まずはHPが少なくなってくると「くさった死体」を呼び出して助けを求めること。そんな名前の友達(部下?)呼び出さないでー! こちらが倒したモンスターを「ザオラル」の呪文で蘇らせるのも、嫌なところです。蘇生したモンスターはHPが初期値の半分というのはやや良心的ですが、やっぱり「せっかく倒したのに……」と涙目になってしまいます。
さらに、「マホトラ」の呪文でMPを吸い取るところも、本当に嫌っ! 何かあったときのために(主に回復呪文に使うため)節約して大事に大事にしてきたMPをこんなやつにとられるなんて! 私から奪ったMPで敵にホイミをかけるし、許せない!
ちなみにMPの恨みでいえば「ふしぎなおどり」でMPを削る「パペットマン」も、かなりな嫌すぎモンスターでした。一度に大量のMPをごっそり削っていくので、あっという間にMP貧乏に陥り、そのショックからは戦闘が終わってもなかなか立ち直れません。
●冒険者の欲につけいる「ひとくいばこ」
多くのRPGは、置いてあるモノは自分のモノ、他人のモノも自分のモノといった感覚で、世界中を探索してはアイテムを手に入れます。「ドラクエ」シリーズも、というよりその先駆けとなったのが「ドラクエ」で、冒険者は他人の家のタンスや引き出しを開けてはゴールドや薬草などをかき集めながら旅を続けていきます。ダンジョン内に落ちている宝箱も同じこと……なのですが、その盗人根性につけいるモンスターが「ひとくいばこ」。宝箱になりすましていて、冒険者がふたをあけると突然襲いかかってくるのです。その攻撃はとてつもなく強烈で、かみつかれれば大ダメージ、「痛恨の一撃」を受ければ瀕死か即死。ひとりでも生き残れたらラッキーくらいの強敵です。そんな恐ろしいモンスターかもしれないのに、それでも宝箱を見たら開けずにはいられないのは冒険者のさが、なのでしょうね。
* * *
10人いたら10通りの、100人いたら100通りの冒険の歴史が刻まれるのがRPGです。戦い方によって苦しめられたモンスターも違うことでしょう。あなたの「嫌すぎモンスター」は、このなかにいましたか?
(C)1988, 2017 ARMOR PROJECT/BIRD STUDIO/SPIKE CHUNSOFT/SQUARE ENIX All Rights Reserved. (C) SUGIYAMA KOBO
(古屋啓子)
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