『ガンダム』打ち切りで未登場も、後の作品で活躍したMSたち。「トミノメモ」から実現へ
マグミクス / 2021年11月1日 6時10分
■ジオン製だが連邦軍で運用、『UC』の時代まで生き延びた機体も
『機動戦士ガンダム』は1978年の放送当時、視聴率の低迷から放送話数が縮小されていました。その影響で、構想にありながら結局描かれなかったモビルスーツ(MS)たちが存在していました。それらの構想は、富野喜幸(現:富野由悠季)監督が残した通称「トミノメモ」に記され、のちに別の作品で日の目をみることになります。今回は、「トミノメモ」から実際に登場を果たした貴重なMSたちを紹介します。
●『Zガンダム』に登場した「ガルバルディ」
ガルバルディは、シャア・アズナブルがララァ・スンのエルメスを護衛していた際に搭乗した機体とされています。TVアニメでのシャアは「MS-14Sシャア専用ゲルググ」に搭乗していましたが、ここがトミノメモではガルバルディとなっていました。
後にジオン軍の兵器開発計画「ペズン計画」で製造された機体として設定され、ギャンとゲルググの特性をあわせ持った機体とも、格闘戦に主眼を置いた機体であるとも言われています。
1年戦争末期に試作機がロールアウトしますが戦況に影響を与えることはなく、連邦軍に接収されました。その後、改修型が量産されて「ガルバルディβ」として『機動戦士Zガンダム』に参戦。ライラ・ミラ・ライラ大尉と部下の合計4機が登場し、サラミス改「モンブラン」をジェリド・メサ隊と共同撃墜する戦果を挙げていますが、クワトロ・バジーナのリックディアスとカミーユ・ビダンのガンダムMK-IIにより3機が撃破されています。
●ガンダムを倒す予定だった「MS-12 ギガン」
トミノメモによると、終盤にア・バオア・クー攻防戦で登場予定だったMSがギガンです。支援/防空用の簡易生産型モビルスーツとして設計されており、武装は頭頂部に180ミリキャノン砲と同軸機関銃、右腕部に120mm機関砲、左手にクローアームが装備されています。
本機最大の特徴と言えるのがホイール状の脚部で、関節の部品点数が多い他のモビルスーツと比較して故障しづらく、また車と同じ感覚で動かせるため操縦も楽とされており、戦争末期に投入されるモビルスーツとしては非常に有用な存在として設定されていたようです。車輪を用いた機動性を生かし、移動砲台として運用した場合はかなりの脅威になることは間違いないでしょう。
実はトミノメモではギガンがガンダムを倒す予定となっていました。最終盤でのガンダムはすでにボロボロとなっており、アムロのニュータイプ能力をもってしても、すでにギガンの猛攻に耐える力は残っていなかったのです。
長らく映像化には恵まれていなかったギガンですが、OVA『機動戦士ガンダムUC』のエピソード7「虹の彼方に」で、まさかの登場を果たしています。このときのギガンは脚部ユニットを大型プロペラントブースターに、右腕部の機関砲をビームガトリングに換装した宇宙戦仕様としての改装を受けています。すでに旧式化著しい一年戦争時代のモビルスーツでありながら、ラプラスの箱をめぐる最終決戦に姿を現したことは、ガンダムファンに大きな驚きを与えました。
■ドムの最終生産型は複数の作品で活躍!
ドワッジの改修タイプを再現した、「MG 1/100 ドワッジ改」(BANDAI SPIRITS)
●旧型機の意地を見せた「MS-09G ドワッジ」
トミノメモの第37話「バロムの罠」に存在が記されているモビルスーツが「ドワッジ」です。キシリア・ザビの部下であるバロムが搭乗し、マ・クベ隊とともにホワイトベース隊に攻撃をかけますが、ガンダムと刺し違えたとされています。
なお、バロムという名前のキャラは、グラナダからソロモンへの援軍として出撃したマ・クベの付きの参謀として本編に登場。ソロモンから脱出したミネバ・ザビが乗る脱出艇を見捨てようとしたマ・クベを諫めるという働きを見せており、『機動戦士ガンダムUC』への糸口を作った人物でもあります。
ドワッジについてはその後、「MS-09 ドム」の最終生産型としてMS-09Gの型番を与えられ、砂漠戦に特化したモビルスーツとして設定されました。88機が生産されたとされており、その多くがアフリカ戦線に投入し、激戦を通して多くが失われたとされています。
生き残ったうちの数機は『機動戦士ガンダムZZ』では旧ジオン残党軍ロンメル部隊の機体として登場し、なかでもデザート・ロンメル大佐の機体はエースパイロット仕様に改修されて「ドワッジ改」と呼ばれています。旧式機でありながら最新鋭機のZZガンダム相手に地の利を生かして渡りあいますが、最終的には撃破されてしまいました。
『機動戦士ガンダムUC』でも、トリントン基地へと強襲をかけたジオン残党軍に1機が参加しており、ガンキャノン・ディテクターの頭部を叩ききった後、コクピットに背後からヒート・サーベルを突き立て撃破する活躍を見せています。
(ライター 早川清一朗)
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