アニメ『ダイの大冒険』ついに登場、大魔王バーンの名セリフ「今のはメラゾーマでは無い」
マグミクス / 2021年11月13日 10時0分
■悪の支配者として大物ぶりを見せる大魔王バーン
1年以上TV放送が続いている『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』も、2021年11月13日放送の第57話「魔界の神」で、ついにラスボスである大魔王バーンとの戦いに突入しました。果たして戦いの決着はどうなるのでしょうか? ちなみに本文はアニメ版でのお話です。原作を読んでいるみなさんは知っているだろう、先の展開はあえて触れないで語っていきましょう。
バーンとの戦いは、バランの遺体を焼かれてしまうという衝撃の展開から始まりました。そして、パーティの中心である勇者ダイがいきなり戦線離脱というまさかの事態になります。
この非道な行動にバーンの周到さが出ていました。まず、バランの遺体を完全に消滅させることで復活できる可能性をゼロにする。それを見たダイは怒りに任せて何も考えず攻撃を仕掛ける。そのダイを反撃で早々に戦闘不能にさせてパーティの士気をそぐ。
他者の考えていることを容易に見抜き、まるで盤上の駒のように二手三手先を考えてコントロールするバーンならではの戦略です。ここまでのバーンの行動を見ても、そういったことが何回かありました。分かりやすい例で言うと、ハドラーに死刑宣告をしながらもアバンを倒した功績からもう一度のチャンスを与えます。それは追い詰められたハドラーが「化けるかもしれない」と考えたからでした。結果、ハドラーは自らを超魔生物へと改造して、著しくレベルアップします。
余談ですが、この時にバーンが指を折りながら失態を数えていた時、最後に残したのが小指。そして、ハドラーのなかの「黒の核晶(コア)」を発動させる時に使ったのも小指でした。
こういったバーンの手際を見ていくと、簡単に部下を始末するという悪の組織にありがちな行動を取らないバーンは、支配者としては優秀な存在と言えるかもしれません。ただし、裏切者に刺客を送る。部下に内緒で爆弾を内蔵させ、それを自分の都合で爆発させようとするなど、非情な面が多々あるので、あくまでも悪の組織の支配者として理想のタイプなのでしょう。これが普通の組織ならブラック企業確定ですね。
そう、バーンは大魔王として大変魅力があるキャラクターで、敵役として不動の人気を誇っています。それは単なる力だけでなく、饒舌にして雄弁、口論でも絶対に他者に負けないタイプ。有能な政治家、といよりも独裁者のお手本のようなキャラです。それゆえバーンには名セリフが多いことでも有名でした。
■LINEスタンプにもなったバーンの名セリフ2選
バーンの名セリフの数々は、ネットでも引用されることが多いことで有名です。この名セリフのなかでも有名なものが、今回のTV放送でついにアニメ化されました。そのひとつが……。
「…今のはメラゾーマでは無い…」
「メラだ…」
相当のレベルアップをしているポップのメラゾーマを、メラで押し返すことで次元の違いを見せつけたシーンのセリフ。ちなみにメラは火炎系呪文の初歩で、メラゾーマはその最上級の呪文です。ここで格の違いを見せつけたところでバーンは自分のメラゾーマ、すなわち必殺の「カイザーフェニックス」を放ちました。相手を絶望させる必殺技を使用するまでの正しい段取りですね。
余談ですが、この圧倒的な力の差を表す名セリフとして、このバーンのセリフを『ドラゴンボール』のフリーザが言った「わたしの戦闘力は530000です」と並ぶ、ラスボスの絶望的発言のひとつと考えている人もいるようです。
そして、もうひとつがバーンの圧倒的な力の前に一時撤退しようとしてポップたちが障壁に跳ね返された時に言った……。
「……知らなかったのか…?」
「大魔王からは逃げられない…!!!」
このセリフはメタフィクションなセリフとして有名で、ゲーム『ドラゴンクエスト』でラスボスのような固定ボスと一度、戦闘を始めると逃げられないということに対する本作なりの回答と言えるでしょう。
これも余談ですが、シリーズ最初の作品であるファミコン版『ドラクエ』のりゅうおうからは、低確率ですが逃げられるといううわさを聞いたことがあります。筆者は試したことがないので真偽のほどは不明ですが、ファンの間でうわさになるくらいラスボスからの逃避というのは話題になるものなのでしょう。
また、バーンの攻撃に「溜めがない」から攻防の動きが同時にできるというのも、ゲームでボスキャラが1ターンに2回攻撃できることを再現したものと言われています。
前述のバーン二大名セリフは、数年前に本作がLINEスタンプになった際、採用されたほどファンには印象深いセリフでした。これからはアニメの画像がSNSなどで引用されることが多くなるかもしれません。
このバーンとの戦いにどういった決着がつくのか、これからも『ダイの大冒険』からは目が離せません。まぁ、毎週オープニング画面を見ていれば、原作マンガを知らない人も作品がまだまだ終わらないということは分かりますよね。つまりオープニングで影のままになっているキャラたちが登場するまで、アニメは終わりません。これからもTVアニメ『ダイの大冒険』を楽しんでいきましょう。
(加々美利治)
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