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「大人の事情」で急に終わった平成アニメ3選 唐突すぎる最終回の理由

マグミクス / 2021年11月24日 11時50分

「大人の事情」で急に終わった平成アニメ3選 唐突すぎる最終回の理由

■人気でも強制終了…シビアすぎる、アニメを取り巻く大人の事情

 急に終わるのは何も「週刊少年ジャンプ」のマンガに限ったことではありません。ご存じのとおり、アニメもまた物語の途中にもかかわらず不自然な終了を迎えてしまうなんてことがよくあります。

 ただしアニメの場合、終了の理由は連載マンガとは違いさまざまな大人の事情が絡むもの。この記事では平成のアニメ作品の中から「急に終わったアニメ」を選出。終了の背景を推察しつつ、その後の展開についてもご紹介します。

●『魔法陣グルグル』(1994年版)

 今もなお続編が連載中の『魔法陣グルグル』(著:衛藤ヒロユキ)はこれまでに3度もアニメ化されている人気ギャグファンタジーです。ファンのあいだでいまだに語り継がれているのが記念すべき第1期アニメ(1994年放送)の最終回。途中でストーリーが原作に追いついてしまったため、後半はアニメオリジナルストーリーが展開されました。

 主人公ニケたちは例のごとく一切緊張感のないまま魔王ギリのもとへとたどり着き、いざ最終決戦かと思いきや突如「やっぱりやーめた!」と戦闘放棄して帰還。「もう少しレベルを上げた方が良いと思った」などとうそぶき最後まで『グルグル』らしいギャグを押し通し、魔王と一緒に視聴者もずっこけた伝説の最終回となりました。この1期アニメで描かれなかった原作のストーリーはその後、再びアニメ化された際に補完されることになります。

●『ボボボーボ・ボーボボ』

「もしかしたら夢を見ていただけなのかもしれない」といった声が絶えないのがアニメ『ボボボーボ・ボーボボ』(著:澤井啓夫)です。夢ではありません。ちゃんと放送されていました。

 内容のハジけっぷりもさることながら、その引き際もまた随分とハジけたものでした。そもそも最終回にたどり着けた放送局自体が少なく、多くの地域では唐突な最終回を迎えることとなりました。生き残った放送局では「スポンサーなし」というハジけた放送形態で続行し、原作でいうところの「闇皇帝編」までこぎつけたところで終了します。

 ボーボボの声優を務めた子安武人さんは当時の収録現場を「楽しい思い出しかない」と振り返っていました。放送続行の英断を下した放送局の方々に、改めて敬意を表したいと思います。

●『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』(1991年版)

 アニメ『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』(監修:堀井雄二、原作:三条陸、作画:稲田浩司)。1991年にTBS系列でアニメ化され、玩具の売り上げも好調。高い人気を誇っていました。ところが竜騎将バランとの戦いの途中で無念の最終回を迎えることになりました。

 どうやら局をあげての大規模な枠改編に巻き込まれてしまった、と見るのが妥当のようです。当初の予定よりも放送期間を延長する前提で制作されていたとのことで「打ち切り」とはまた違うようですが、結局のところ「これから」というところで終了となってしまいました。以後、再アニメ化を望む声は絶えることなく、ついに30年の時を経て、完全新作アニメとして2020年に復活を果たしました。少年から親世代となった当時の視聴者にとってうれしいサプライズとなりました。

「原作が追いついた」「スポンサーが消えた」「大幅改編」……たとえ高視聴率であってもさまざまな理由でもって終了を余儀なくされるテレビアニメ。とはいえ『ダイの大冒険』のようにファンの根強い声から復活を遂げる作品もあります。大人の事情で終了したアニメを、大人になった元少年少女が自分自身の声で取り戻せる、そんな時代が来たのかもしれません。

(片野)

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