『ドラゴンボール』初の悪役「レッドリボン軍」 連載当時は適切な言葉がなかったが?
マグミクス / 2021年11月24日 17時10分
■数々の悪事を働いていた「レッドリボン軍」
2022年の公開が予定されている劇場版『ドラゴンボール超 スーパーヒーロー』。その予告映像で、かつて孫悟空によって壊滅させられた「レッドリボン軍」のエンブレムが登場していました。果たして、その関係とは?
レッドリボン軍は『ドラゴンボール』の連載がまだ初期の頃に登場した悪の組織です。それまで悟空が戦っていた武闘家や小悪党と違い、「本格的な敵」として登場しました。
軍と名乗っていますが特定の国家に所属しているわけでなく、世界征服を目的とした組織で、人々からは「世界最悪の軍隊」と恐れられています。その悪名は田舎であるペンギン村にも届いているほど。
その総指揮者はレッド総帥。しかし、原作者の鳥山明先生によると、実質的に支配していたのはレッドリボン軍の兵器をすべて開発していたドクター・ゲロだったそうです。それゆえ、悟空によってレッドリボン軍が壊滅させられた後、ゲロは復讐のために人造人間の開発に没頭しました。
その傍若無人な行動は末端の兵士まで行っており、民間人への略奪や暴力、卑劣な行為など、数えてもキリがありません。ゲームにはなりますが、鳥山先生がいくつかの設定を新たに起こした『ドラゴンボールZ カカロット』では、人間を獣人にするアニマリンという薬の粗悪品をバラまいて資金稼ぎしていたことが分かります。これらの悪行やレッドの風体を見ると鳥山先生のイメージは、軍隊というよりはマフィアだったのでしょう。
連載当時はレッドリボン軍を言い表す一般的な言葉がありませんでしたが、現在の言葉に当てはめると「テロ組織」と言った方が近いかもしれません。昨今のニュースで取り上げられるテロ組織の暴挙と比べると、レッドリボン軍の行動は似たようなものだと感じます。
連載当時、レッドリボン軍が登場していた頃は、ベルリンの壁崩壊やソビエト連邦の解体前でした。第3次世界大戦がいつ起こるかもしれない不安がある頃ですから、一般的な目から見たら軍隊がもっとも恐ろしい組織だったのかもしれません。それゆえ、悟空の敵役組織として適当だったのでしょう。逆に言えば、レッドリボン軍のような悪のテロ組織がフィクションの世界だけでなく、本当に実社会で恐怖の対象になる日が来るとは思わなかった時代でした。
そんな悟空の「最初の敵」だったレッドリボン軍が、またしても立ちふさがることになるわけです。悪の組織は、ボスを倒しても集団として滅びないものなのでしょうか?
■悟空を上回る戦闘力の持ち主「人造人間」
レッドリボン軍が残した遺産でもっとも大きな脅威だったのが「人造人間」です。その力は、その時点での悟空の戦闘力をしのぐほどでした。
最初に登場した人造人間8号ことハッチャンは優しい性格でしたが、本気で戦えば悟空に勝てたかもしれないと思わせる描写があります。人造人間19号も、悟空が心臓病を発症したとはいえ、トドメを刺す寸前まで追い詰めていました。
その後に登場した人造人間17号と18号、人造人間16号、セルなど、すべて出現当時の悟空をはるかに上回る戦闘力を持っています。このことからもそれらを製作したゲロの科学力の高さがうかがい知れるでしょう。もっとも、ドラゴンレーダーの小型化ができなかったところを見ると、研究のすべてを兵器開発の方向だけに傾けていたと考えられます。そう考えると、総合的な技術力はブルマやピラフと同程度だったのかもしれません。
ちなみに、この人造人間は原作マンガ以外にも何人か登場しています。原作の扉で存在だけは語られていた人造人間13号、14号、15号は、劇場版『ドラゴンボールZ 極限バトル!!三大超サイヤ人』で登場しました。13号が14号、15号のコンピュータチップと動力炉を吸収することで「合体13号」となります。
原作の続編である『ドラゴンボールGT』では、ゲロがドクター・ミューと協力して「ヘルファイター17号」という17号そっくりの人造人間を開発、ふたりの17号が合体した超17号というキャラになりました。余談ですが、ここでもゲロは17号に殺されています。
ゲームではとにかく数が多く、レッドが改造された人造人間9号や、ナメック星人ベースの人造人間76号など、人造人間〇〇号というキャラは大量にいました。そのなかでも『ドラゴンボール ファイターズ』に登場した人造人間21号は、鳥山先生がデザイン監修を行い、比較的、ほかのゲームにも登場する機会が多いキャラです。
今回の劇場版に登場する新キャラのガンマ1号、ガンマ2号はいまだに詳細は明かされていません。しかし、レッドリボン軍のエンブレムが付いているところを見ると、その関係者であることは間違いありません。
名前に「号」が付いてることから新型の人造人間では? ……そう、考察するファンも多くいるそうです。一体、何者なのか? 今後の劇場版の情報開示を待ちたいと思います。
(加々美利治)
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
『ドラゴンボールDAIMA』超サイヤ人ミニ悟空の戦闘どうなる? 第7話本日放送
ORICON NEWS / 2024年11月22日 12時15分
-
『ドラゴンボールDAIMA』新キャラ登場で話題 場面カット公開「鳥山先生っぽくて好み」
ORICON NEWS / 2024年11月13日 12時25分
-
悟空がまさかの4位に? 最も強い『ドラゴンボール』キャラが決定か
マグミクス / 2024年11月9日 8時20分
-
あっさり死に過ぎ 『ドラゴンボールGT』で扱いが「超ドイヒー」だったキャラ
マグミクス / 2024年11月1日 12時10分
-
『ドラゴンボールDAIMA』第4話本日放送 待望の戦闘シーン!第3話の物語振り返り
ORICON NEWS / 2024年11月1日 7時10分
ランキング
-
1今さらどのツラ下げて? 東山紀之に芸能界復帰説…性加害補償が一段落、スマイルアップ社は解散か?
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年11月28日 16時3分
-
2篠田麻里子 所属事務所「サムデイ」破産に声明「直前に知らされたため…」ファンらへ「申し訳ありません」
スポニチアネックス / 2024年11月28日 14時5分
-
3平野紫耀Number_iのバーター扱いIMP. 汚名返上にタッキー動く
東スポWEB / 2024年11月28日 5時4分
-
4倖田來未 下積み時代に共に営業していた超人気歌手とは 「凄いハッピーな子だから」励まされステージへ
スポニチアネックス / 2024年11月28日 13時8分
-
5「嫌な形で耳に残る」中丸雄一代役の後輩CM音楽が不快、“悪くは言いたくないけど”拭えない残念感
週刊女性PRIME / 2024年11月28日 11時0分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください