『零次元アイドル』声優・子安光樹さん語る、「ゲームやアニメから展開しない」納得の理由
マグミクス / 2021年11月27日 12時10分
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■最初から「アイドルプロジェクト」として打ち出していく強み
プロダクションI.Gとノワが共同で手掛ける『零次元アイドル』は、生き返るためにトップアイドルを目指す「霊体アイドル」たちの物語を描いたキャラクターアイドルプロジェクトです。斬新な設定に和を基調としたテイストの美しいビジュアルに加え、オーディションで選ばれた若手声優たちの積極的な活動も話題を呼んでいます。ニコ生での配信やラジオ出演に加え、ボイスドラマCDが完全オリジナルストーリーで2021年12月8日に発売されるなど、今後の展開も盛りだくさんです。
登場する3つのユニット「炎舞」「氷雨」「琥月」のなかで、クールでありながらフレッシュさやキャラの個性が目立つ「氷雨」を陰でまとめるのが鳴羽柚助(なかばね・ゆすけ)。メンバーのなかでもっともクールで社交的、そして裏にニヒルな一面を併せ持つキャラクターです。今回はそんな鳴羽柚助役の声優・子安光樹さんに、『零次元アイドル』ならではの特徴や、「氷雨」メンバーの関係性、楽曲の気に入っているパート、そして著名な声優である父・子安武人さんに対する思いなどについて語っていただきました。
* * *
――声優になりたいと思ったきっかけ、デビューのきっかけになった出来事などについて教えてください。
子安光樹(以下、子安) 声優になろうと思ったきっかけは、やっぱり他の人とはちょっと違っていました。すでに父が声優として活躍していたので、憧れてた部分はありますね。両親は「お前は普通に会社員になって楽に生きてよ」と言ってくれていたんですが、ずっとゲームやアニメが好きだったので結果的には声優になりましたね。
声優になると決めたのは大学の理工学部にいた時期でした。大学院への推薦までもらっていたので、その時は親に「声優になるならもっと早く言えよ」と言われましたね。僕もそう思います(笑)。
――将来、どのような声優になりたいですか。また憧れの先輩はいらっしゃいますか?
子安 やっぱり最初は、憧れの父を超える声優になりたいと思ってました。ただ、30年声優をしている父を超えると言うのはまだまだおこがましいので、まずは「並んで仕事ができるようになりたい」というのが一つの目標ですね。父は悪役とか大物の役が多いので、それを倒しにいく主人公にはなりたいなと。
――声優の練習とはどういったことをするんですか?
子安 父がかつて演じた役のセリフを追っかけて練習してみたり、あとは、オーディションでいただいている役の声の出し方やキャラクターの作り方とかを話し合ったりしています。他の人が聞いたら羨ましい環境なのかも知れませんね。
――『零次元アイドル』は特殊な設定も多い作品ですが、子安さんから見て面白さや魅力を感じるところを教えていただけますか。
子安 アイドルを扱った2次元コンテンツはたくさんあるんですが、『零次元アイドル』はアニメやゲームからではなく、幅広いターゲット向けに「これはアイドルコンテンツです」という風に打ち出しているところが面白いと思います。
――子安さん演じる鳴羽柚助が所属するユニット「氷雨」はどんなグループですか?メンバーの関係性などについてお聞かせください。
子安 『零次元アイドル』の3つのユニットのうち、「炎舞」は赤で漢(おとこ)気があふれていて、「琥月」は黒で大人の余裕さや色気があるのに比べると、「氷雨」は青色イメージでクールながら若くて夢見がちな部分がある……というバランスでうまく差別化されていますね。
それに、メンバーの特徴がはっきりしていて、「氷雨」のリーダーの音鶴は、熱血な部分があって「炎舞」寄りの子なんですよね。神鳥谷那琉(ひととのやなる)は、すごく可愛らしくて、若さの象徴のような部分があって、僕が演じる柚助は、氷雨のなかではちょっと大人でシニカルでニヒルな魅力があります。西寺拓史くんは、すごく素直で、主人公気質というイメージがあるので、そういう関係性のバランスが取れているのが面白いですね。
ちなみに「氷雨」の最初のドラマCDのなかでは、特徴的な人間関係が描かれています。実は、音鶴くんと柚助くんには生前からただならぬ関係があるらしいんですよね。生前からの関係ってワクワクします。「氷雨」は良いグループですけど、その仲の良さにもまたひと癖あるんですよね。
那琉くんが問題を持ってきて可愛らしいことを言ったりして、場をひっかきまわす。それを音鶴と柚助で対応して、拓史がまとめてくれる、家族みたいなバランスのユニットってイメージです。
――6月の生配信で、柚助とご自身の似ているところとして、「一見優しそうで裏の顔を持つところ」を挙げていましたが、具体的にお聞きしてもいいですか。
子安 柚助くんって、けっこう社交性がある子なんですよ。僕も人と話をしたり、食事したりするのが好きなんですが、家に帰るとすごい顔してベッドの上にばたっと倒れ込むこともあるんです。無理をしているわけではないんですけど、やっぱり人づき合いって、多少は皮をかぶってる部分があると思います。
たぶん柚助も同じように、人としゃべる時はそういう体面の良さとかを意識するだろうけど、実際本音では黒いことを考えているのではないかと思ってます。
――柚助を演じるにあたって、工夫されていること意識されていることは何かありますか?
子安 僕自身に子供臭い一面がある一方、柚助は氷雨のなかではすごく落ち着いていて、大人な部分が多い。シニカルで、ニヒルで、出来事を斜に構えて見つつ、すごくきれいにまとめる大人の気遣いができる人です。そういう点を意識して、落ち着いてお芝居するように意識しています。イベントとか、生放送の時も、多少は落ち着いてすごく大人に振る舞ってるつもりです(笑)。声も低く太く聞こえるように発声しています。
■注目してほしい歌詞のなかのストーリー
「氷雨」の楽曲レコーディングに臨む子安光樹さん(マグミクス編集部撮影)
――今回収録された曲の特徴や、歌詞を見たときの印象、担当されたパートについてお聞かせください。
子安 「氷雨」の印象がクール系と聞いていたので、雨だったり、冷たさだったり、そういうクールな部分を重視した曲が来るのかと思ってワクワクしてたんですが、蓋を開けてみたら学生の恋愛ソングなんですよね。「傘をさして下校」とか、ちょっと甘酸っぱい若かりし頃の記憶を呼び覚ますような歌詞があったので、みんなでびっくりしましたね。青春っぽい曲でした。
「氷雨」らしくちょっとしっとりした奥ゆかしい、「好きなのかな? 好きじゃないのかな?」みたいなもどかしさが表現された良い曲だと思います。
――レコーディングで苦戦された部分などはありますか?
子安 僕はそんなにレコーディングの経験がなかったので、慣れなくて苦戦する部分はありました。あとは、柚助は普段声が低くても、歌はやっぱり少し音が高くなるので、キャラからずれないように気をつけました。
――曲のなかで好きなフレーズはありましたか?
子安 サビで、「チャイムが鳴り終われば離れていく」という歌詞があるんですけど、この歌詞がラスサビになると、ちゃんと「チャイムが鳴り終わるまで抱きしめよう」という歌詞に変化するんですよ。その時間の経過と心情の変化がリンクしててすごく好きです。若さならではの「片思いからの進展」みたいな部分がいいですね。
――最後に、これから『零次元アイドル』に初めて触れるユーザーに対してメッセージをお願いします。
子安 『零次元アイドル』は、ほかのアイドルコンテンツとは一線を画すもので、ストーリーに興味があるならボイスドラマCDから、歌が好きだったら歌から、またはイラストやキャラクターたちのビジュアルから入る……など、いろんな方面から入りやすいと思います。興味があったら、自分の好きなものからチェックしてみてください。そして、できれば「氷雨」と鳴羽柚助くんを応援してくれると嬉しいです。
(マグミクス編集部)
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