ステイホームしすぎてオフィスが野生化！？ 久々に出社した社員の反応が笑える

　緊急事態宣言が明け、IT企業の社員が久々に出社しました。するとオフィスが驚きの“野生化”をとげており、社員は思わず「ステイホームしすぎたか！？」と叫び……。

　山田しいたさん（@yamada_theta）による創作マンガ『それでも僕らはステイホームする』『やっぱり僕らはステイホームする』『これからも僕らはステイホームする』がTwitterで公開されました。本作は「cakes」にて連載されていた『ITおじさん』から抜粋されたエピソード。

　コロナ禍でリモートワークが進むなか、オフィスの変貌を目の当たりにした社員たちの反応や行動が面白い物語。読者からは「めっちゃ笑った」「すさまじいことになってますやん」「この展開大好き」「印鑑は罪」「いずれこんな未来が……」などの声があがりました。

　作者の山田しいたさんに、お話を聞きました。

ーー『ステイホーム』シリーズのお話を描こうと思ったきっかけを教えて下さい。

　こちらは「cakes」で連載していたものをTwitterで再掲したものです。実際に着想を得て描いたのは2020年7月頃でした。

　最初の緊急事態宣言は2020年4月です。当時はまだ社会全体で働き方の知見として出社する以外のものが少なく、試行錯誤でリモートワーク導入などに踏み切っていた会社さんも多かったと思います。それゆえみんな、オフィスを長い期間空ける経験も少なかったと思います。

　そのような想像から「人がいないオフィスはどうなっているんだろう」と考える会社員の方たちの気持ちに寄り添えるかもしれない、と思ったのが描くきっかけだったと思います。

ーーオフィスの描写が衝撃的でしたが、描写で工夫なさった点はありましたか？

　キャラクターがあくまで「驚きつつも業務上の目的を持って出社していて、それを果たすまで引き返すという発想がわかない」という点です。いわゆる正常性バイアスの心理が働いていて、そこでキャラクターの行動に共感してもらえたら、と願いを込めました。

ーー作品に対する反応で、特に印象に残った読者の声について、教えて下さい。

「AIの反乱が恐ろしい」など、最後の方の小ネタを拾っていただけたご感想です。

2021年12月15日に発売された『ITおじさん』電子書籍1巻（電書バト）

ーー今回のお話も含まれた電子書籍『ITおじさん』が2021年12月15日に発売されました。収録内容や見どころなどをご紹介いただけますか？

　Twitterや「cakes」だと長編でも4ページごとにまとめていましたが、続く話がある場合などはシームレスに読めるように構成を変えたり描き足したりしております。そこで満足感を感じていただけたらうれしいです。

ーー現在のご活動内容について教えて下さい。

「グランドジャンプむちゃ」さんで『万能会社員菅田くん』というコメディの連載が新たに始まりました。こちらもIT企業が舞台の話ではあるのですが、IT企業はよく対比として2種類に分けて語られがちです。すなわち、（1）主に他者のシステム開発を請け負うSIer（エスアイアー）と、（2）自社開発のサービスを売り込むWeb系、という区分けです。
　
『ITおじさん』の舞台はSIer企業です。委託開発に備えてさまざまなガジェットやサービスに触れることはありますが、あまり深くは踏み込みません。一方『万能会社員菅田くん』はWeb系企業が舞台で、自社サービスを継続して提供してもらうためにさまざまな責任も発生します。サービスの競争力を奪おうとする産業スパイやサイバー攻撃などにも言及できます。

　マンガ的な誇張や脚色はあれど、両業態の違いを含めて各作品を楽しんでいただくことが当面の目標です。落ち着いたら別のジャンルも挑戦してみたいです。

（マグミクス編集部）