TCG経験者がイチから『ビルディバイド』を遊んでみた。「予想外の展開」に興奮が高まる
マグミクス / 2021年11月29日 18時10分
■考察する楽しみに満ちた、アニメ『ビルディバイド -#000000-』
2021年10月から放送中のTVアニメ『ビルディバイド -#000000-』(ビルディバイド コードブラック)はTCG(トレーディングカードゲーム)を題材にしたアニメ作品です。実際にTCG製品が発売され、公式エリア大会の開催も決定するなど、本格的な展開が始まっています。今回は、『ビルディバイド・トレーディングカードゲーム(以下、ビルディバイドTCG)』を実際にプレイしたレポートを交えていろいろと解説したいと思います。
全てが「ビルディバイド」によって決まる都市「新京都」。この街では「ビルディバイドで王に勝利すると、何でも望みが叶う」と噂され、王に挑戦するために「リビルド」と呼ばれるバトルに参加して、勝者が手に入れられる「キーチップ」を集める人々がいた。そして、過去の記憶のほとんどを失いながらも、蔵部照人(くらべ てると)は「王を倒す」という目的のため仲間たちと「リビルド」に身を投じていた。
……これが本作のストーリー。物語は前述の照人を中心に動いていきます。この照人に助けられたことがきっかけで、一緒に行動するようになった晩華桜良(ばんか さくら)。そして、ビルディバイトで負けたことで照人を「師匠」と呼ぶようになる棟梨ひより(むねなし ひより)。正義感の強い円城直光(えんじょう なおみつ)の4人がメインキャラのようです。
そして、照人の「妹」らしい現在の王がキッカと、公式で紹介されている主要なキャラは以上5人。それほどキャラ数は多くないのですが、それぞれの行動する目的があまり明確化されておらず、いくつもの謎が複雑にからみ合っている作風になっています。この謎を考察していくのも本作の魅力のひとつでしょう。
この作品の中心となるのが『ビルディバイドTCG』。作品内の世界観にも影響を与えています。こういった作風はTCGを題材にしたアニメではよくある展開ですが、本作の場合、昨今のTCGアニメと比べてもゲームプレイがキチンと描かれているのが特徴的だと筆者は感じました。後述するレポートで実際にプレイしてみると、アニメで見たような盤面を何度か経験しています。
ちなみにこの『ビルディバイドTCG』を販売しているのはアニプレックス。アニメも製作していますが、TCGの販売は初めてだそうです。
そこで実際のTCGとして『ビルディバイドTCG』はどのくらい楽しめるのか? ……それを体験してみようと考えました。筆者は他のTCGはいくつか経験していますが、ビルディバイドに関してはまったくの初心者。つまり初心者が予備知識もなく『ビルディバイドTCG』を楽しめるかどうかのレポートというわけです。
以下、筆者と同じく他のTCG経験者だけど『ビルディバイドTCG』は初めて、という方の協力を得て検証したレポートをお届けします。
■シンプルでやり込み要素の高い、『ビルディバイド・トレーディングカードゲーム』
『ビルディバイドTCG』のカードデッキとフィールド(マグミクス編集部撮影)
今回、テストプレイのために用意したデッキは発売中の2種類のスターターデッキ、「漆黒に嗤う魔女」と「紅蓮に猛る獣王」です。どちらもスターターですからすぐ遊べる仕様になっており、デッキの根幹になるキーカードが4枚ずつ入っているので、かなり実戦向きのスターターになっていました。スターターと言っても、他のTCGでは高レアリティのカードやキーカードが1枚しか入っていないものも少なくないので、かなり充実した内容といえるでしょう。
まずはルールを覚えるところから始めました。TCG未経験者にはここが難関ですが、他のTCGの経験があると、30分くらいで理解できると思います。ちなみにプレイを見ながらだと理解力も上がるようで、他の人のプレイを見ているだけで即プレイできる人もいました。アニメを見ていた私は、すぐにプレイのコツを覚えられたくらいです。
ルール上、専門用語がハードルになることもありますが、カードテキストには効用も書かれていますし、説明書を読む程度で問題なくプレイできました。このスターターに封入されている説明書も1枚だけで完結しているので、シンプルでわかりやすかったです。
こういう説明だとゲームも単調だと思われるかもしれませんが、そんなことはありません。ゲームの展開には戦略性も高く、ちょっとしたミスで盤面が左右されることもかなりありました。アニメ作中のゲームでの盛り上がりがそのまま再現されている感じです。
特に、ライフゾーンでバーストトリガーが連鎖する盤面はアニメ通り、興奮すること間違いなしの展開でした。アニメで照人が言っていますが、それまでに出たバスターの数で戦略も大きく変わります。
また、ライフゾーンからショットトリガーが出た時も計算外の展開が起こるので、ここも盛り上がる盤面でした。何しろ手札からコマンドとして出すにはエナジーを消費する必要があるので警戒されることも多いのですが、ライフゾーンからは不意打ちになるので一発逆転の足がかりになることもあります。
試合時間は、慣れていないプレイヤー同士でルールを確認しながら40分くらい。おそらく熟練プレイヤー同士だと10分から20分くらいになると思います。相手の行動中にクイックを持つカードで行動することもあるので、長考も考えられますが比較的スムーズに進行するゲームだと感じました。
一緒にプレイをした人もかなり興味を持ったらしく、筆者もまったくの同意見。わかりやすいルールですが、予想外の展開が起こりやすい、初心者にも楽しめるTCGだと感じました。
今後も追加エキスパンションとしてブースターも続々と販売される予定で、「魔法少女まどか☆マギカ」シリーズも『ビルディバイドTCG』に参戦するというニュースもあります。このタイアップブースターは今後も別作品で展開するようですし、他のアニプレックス作品の参戦も期待できるでしょう。
アニメだけでなく、今後は『ビルディバイド・トレーディングカードゲーム』も注目していこうと思います。
※TVアニメ『ビルディバイド -#000000-』は、TOKYO MXで毎週土曜日24:30~ほか、全国で放送中。TCG『ビルディバイド』は、スターティングデッキ2種、ブースターパック1種が発売中です。
(加々美利治)
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