意外とエグい? ディズニー悪役たちの「死に様」5選。ジェットエンジンに吸い込まれ…
マグミクス / 2021年12月7日 17時10分
■生前の行いを見れば「因果応報」?
子供から大人まで楽しめるディズニーのアニメ作品で、主人公たちの行く手を阻む悪役たちには、因果応報ともいうべき結末が用意されています。しかし、なかには本当に全ての年齢を対象としているのか疑問に感じるほど壮絶な死を迎えるキャラクターも。今回は、観る人によっては「閲覧注意」な最期を迎えたディズニー悪役たちを5作品から紹介します。
※この記事では、ディズニー作品の結末やキャラクターの生死に関わる記述があります。
●鳥に食べられる(バグズ・ライフ)
『バグズ・ライフ(1998年)』は、フルCGアニメーションを制作するピクサーで2作目となる長編作品。アリの島アント・アイランドで暮らすアリ・フリックが、バッタの一味から仲間を守るために用心棒を探しに行き、やがて仲間になった虫のサーカス団員たちと一緒にバッタたちに立ち向かっていく物語です。
バッタ一味のリーダー・ホッパーは、「アリは食べ物を集め、その食べ物をバッタが食べる」という持論を「自然の摂理」だとして、アリ族に秋冬の間食料を集めさせ、初夏にアント・アイランドに訪れては食べ物を食い散らかします。本作を代表する悪役としてアリたちを圧倒的な力で支配していますが、大勢のアリたちが彼らに従わなくなるのを恐れて、アリ族の女王を殺してアリたちも大雨に流してしまおうと企みます。
アリたちも抵抗を試みます。ホッパーが鳥を恐れているのを知ったフリックたちは鳥の模型を作り、一度は彼を驚かせますが、計画は失敗。ホッパーはフリックを追い詰め絞め殺そうとしますが、そこに本物の鳥が現れます。
ホッパーは「これもハリボテだろう」と笑いますが、巣に連れ去られ、悲鳴をあげながらひな鳥の餌となってしまいます。作品全体が虫の視点で描かれているため、ふわふわでつぶらな瞳の鳥の親子が全くかわいく思えません。虫にとっては最悪な状況ですが、凶暴なホッパーに相応しい最期といえるでしょう。
●皮膚がはがれて骨が丸見え(コルドロン)
『コルドロン(1985年)』は、豚飼いの少年・ターランと仲間たちが魔法の大釜「ブラック・コルドロン」をめぐる旅を描いたファンタジー作品。製作費4400万ドルに対し興行収入が約2100万ドルと、長編作品25作目にして、ディズニー史上初の赤字を出した作品でもあります。
本作に登場するホーンド・キングは骸骨のような頭に角を生やした魔王で、LINE GAME『LINE:ディズニー ツムツム』や、2006年4月に終了した東京ディズニーランドのアトラクション『シンデレラ城ミステリーツアー』で、その存在を知っている方は多いのではないでしょうか。彼は、ブラック・コルドロンの力で死者を蘇らせた不死身の軍団を作り、世界を支配しようと企んでいます。
ホーンド・キングの野望を知ったターランたちは、仲間が犠牲になりながらも不死身の軍団を止めることに成功します。怒ったホーンド・キングはターランを殺そうとしますが、揉み合いの末、ブラック・コルドロンに吸い込まれてしまいます。ホーンド・キングの必死の抵抗も空しく、身体から皮膚がはがれ落ち、骨だけの姿になって消えてしまいました。
『コルドロン』は、経営陣とアニメーターの交代劇が同時期に起きた混乱が作品のクオリティに反映された影響か、ディズニーファンから「黒歴史」とされることが多いのですが、骸骨が人間を襲うシーンやホーンド・キングの最期など、ディズニーには珍しくグロテスクでホラーな描写が多く、初のPG指定(年齢制限)が設けられた作品です。怖いもの見たさで観るのもありでしょう。
●花火と共に爆死(ムーラン)
『ムーラン MovieNEX』Blu-ray(ウォルト・ディズニー・ジャパン)
2020年に実写映画化もされた『ムーラン(1998年)』は、中国の伝説『花木蘭』をもとに作られた作品。活発で正義感の強い少女・ムーランが年老いた父に代わり、男装して軍隊に入隊し、戦いに挑む物語です。本作の悪役・シャン・ユーは、ムーランの配属されたフン族討伐隊と戦うフン族の族長。中国侵略を企む彼らは、万里の長城を越え、皇帝軍の一団を全滅させるほどの強さを持ち、シャン・ユー自身もムーランの策略によって、雪山で雪崩に飲み込まれても無傷で生還する強靭な身体の持ち主です。
シャン・ユーは雪崩の後、生き残ったフン族の兵士らとともに宮殿を制圧し、皇帝を殺そうとしますが、ムーランたちに阻止され、彼女との一騎打ちへ。丸腰のムーランを屋根の上へ追い込みますが、彼女の機転で剣を奪われ足止めされたところに、ムーランの守護竜・ムーシューが祭り用の巨大な花火をシャン・ユー目がけて発射し、見事に命中。シャン・ユーは花火を打ち上げる塔まで吹っ飛び、そこにあった花火も加えて一緒に爆発したのでした。
中国や香港のアクション映画さながらの格闘シーンに加え、シャン・ユーの最期も一見コミカルで爽快な場面ではあるのですが、華やかな打ち上げ花火と同時に彼の身体は木っ端微塵になっていることを考えると、なかなかにエグい死に方だといえます。
●ツタが首に絡まったまま落下して…(ターザン)
『ターザン MovieNEX』Blu-ray(ウォルト・ディズニー・ジャパン)
『ターザン(1999年)』は、アフリカのジャングルでゴリラに育てられた人間の青年が、イギリスからやってきた自分と同じ人間の女性・ジェーンと出会い、人間の言葉や文化を知っていく物語。CGで描かれたリアルな背景と手描きのキャラクターを合わせる「ディープ・キャンバス」というシステムを開発し、スノーボーダーをモデルにした、樹の幹を軽やかに滑っていくターザンのアクションとあわせて、ダイナミックな映像が見どころの作品です。
ゴリラの研究をするジェーンと父親で探検家のポーター教授のボディガードとして同行するハンター・クレイトンは、動物の気配を感じれば所かまわず銃をぶっ放す生粋のハンター。一見陽気なキャラクターですが、ポーター親子と違い動物や自然に対する愛情は皆無で、真の目的はゴリラを生け捕りにして1頭300ポンドで売り飛ばすこと。ターザンをそそのかしてゴリラの住みかを知ると、ターザンたちを船に閉じ込めてしまいます。
船を脱出し、群れを助けにきたターザンを殺そうとし、両者は一騎打ちとなりますが、ジャングルでの激しい戦いのなか、ツタに絡まって身動きが取れなくなってしまいます。首に絡まったツタに気づいたターザンの制止も聞かず、持っていた鉈で無我夢中でツタを切っていきますが、身体を支えるツタがなくなりそのまま落下し自ら首を絞めてしまいます。駆けつけたターザンが見たクレイトンの最後の姿は木に映る影で、観ている私たちも確認することができます。
●ヒーローマントが死につながることも(Mr.インクレディブル)
古くからスーパーマンやバッドマンなど、アメリカンコミックに登場するスーパーヒーローたちの多くはマントを身につけていますが、『Mr.インクレディブル(2004年)』のスーパーヒーローたちが活躍する世界では命取りになるようです。
Mr.インクレディブルことボブ・パーをはじめ、数々のスーパーヒーロー用の特殊服を作ってきたデザイナー・エドナは、過去のスーパーヒーローたちが竜巻やミサイル、エレベーターなどにマントを巻き込まれて死んでいるため、マント非常に嫌っています。そのため、全員がスーパーパワーを持つパー一家のコスチュームは、マントのない動きやすいデザインとなっています。しかし、インクレディブルの熱狂的なファンの過去を持ち、彼に冷たくあしらわれたことを逆恨みしているシンドロームは、マントにこだわっていました。
シンドロームは、自分が作った戦闘ロボットとヒーローたちを戦わせて殺害し、そのロボットを街に放ってから自分で倒す……という自作自演で唯一最強のヒーローになろうと画策します。しかし、パー一家との戦いでロボットは破壊され計画は失敗に終わります。仕返しに一家の末っ子・ジャック=ジャックを誘拐し、ジェット機に乗って逃げようとしますが、ボブが投げた車がジェット機に直撃。その衝撃で吸気口近くまで飛ばされ、そのままマントがエンジンに巻き込まれ、自身も吸い込まれてしまいます。
実は、シンドロームはマント姿でインクレディブルを追っかけていた少年時代、爆弾魔に小型爆弾爆弾をマントにつけられ死にかけた過去があります。インクレディブルのおかげで一命をとりとめたにも関わらず、結局マントによって命を落とす結果となってしまいました。
* * *
『白雪姫』で転落死した魔女をはじめ、もともとディズニー作品では悪役などが落下して死ぬパターンが多く、死体までは見せない配慮がされています。
しかし、一部の悪役たちを襲った壮絶な最期は、主人公を侮るなど、自身の慢心が招いたものばかり。子供向けの作品でも手を抜かず、彼らの行った悪事に相応な結末を徹底的に描く点には、ディズニーの強い意志を感じます。今回紹介した5作品は、配信サービス「Disney+」で視聴可能です。
(マグミクス編集部)
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