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「ニュータイプ」に続いて登場した、ガンダム作品のトンデモ能力。寿命も通常の2倍に?

マグミクス / 2021年12月9日 19時10分

「ニュータイプ」に続いて登場した、ガンダム作品のトンデモ能力。寿命も通常の2倍に?

■答えが見つからない「ニュータイプ」の概念

『機動戦士ガンダム』で登場した「ニュータイプ」、すなわち従来の人類を超えた新人類という概念は、後続のガンダムシリーズでもさまざまに形を変えて引き継がれていきました。

 ニュータイプとは、宇宙世紀に生まれた「人類の革新」と呼ばれています。宇宙で暮らすようになった人類が進化した姿。言葉がなくてもわかりあえる人類……物語のなかではそう語られていますが、一方で旧人類(オールドタイプ)を超える能力の持ち主であることから、本人の意思とは関係なく戦争に利用されていきました。

 そんなニュータイプの概念は、『機動戦士ガンダム』終盤で唐突に語られるようになった雰囲気がありますが、本編第9話でマチルダがアムロのことを「エスパー」と呼ぶことで作中には序盤で登場しています。もともと、富野由悠季監督は企画書の段階でエスパー(ニュータイプ)の登場を予定に入れており、あえてその概念を終盤まで持ち越していたというのが真相でしょう。

 しかし、このニュータイプの概念は難しいものです。富野監督自身も長い年月のなかで、その概念に関する発言が変わっていきましたし、スタッフの間でもその基準は統一されていません。まして、その概念を引用する後年の制作者、批評家の解釈もバラバラで、前述した程度の大まかな認識が基本になる程度だと思います。

 このニュータイプ以外にも、富野監督作品で最後の宇宙世紀を描いたアニメ作品『機動戦士Vガンダム』では、「サイキッカー」という人びとが登場しました。ヒーリングやテレパシーに近い能力が使えるとされていますが、これがより進化したニュータイプなのか、まったく別の存在なのかは不明です。

 ただ、巨大サイコミュ要塞「エンジェル・ハイロゥ」を稼働させるため、2万人のサイキッカーが乗り込んでいたと言われていますから、それなりに作中では認知されていた存在だったのでしょう。

 意外と思われますが、ニュータイプの存在が宇宙世紀以外の作品にも登場することがあります。『機動新世紀ガンダムX』の舞台である「A.W.(アフターウォー)」では、宇宙世紀と比較的近い形でニュータイプが登場しました。それに近い存在で「カテゴリーF」という存在も登場しています。

 富野監督作品である『∀ガンダム』では、ニュータイプはすべて外宇宙に旅立って太陽系圏内には存在しないという設定がありました。

『新機動戦記ガンダムW』ではニュータイプの存在が検討されていましたが、結果的に登場させないという方向で作品が制作されています。コミカライズで名前だけ登場しているのは、その名残りでした。このほかに『機動戦士ガンダムSEED』でも、初期の企画書では登場が検討されています。

■宇宙世紀以外のガンダム作品で登場した新人類たち

『機動戦士ガンダムSEED』では、人類の特殊能力として「SEED」が描かれた。画像は「機動戦士ガンダムSEED HDリマスター Complete Blu-ray BOX」(バンダイナムコアーツ)

 ニュータイプの概念は扱いの難しさゆえか、後年のガンダムシリーズでは似て非なる概念の特殊能力が生まれていきました。

 その第一号といえるのが、『機動戦士ガンダムSEED』に登場した「SEED」の概念です。ファンからは「種割れ」と言われることもありました。スタッフからは「火事場の馬鹿力」と言われ、発動状態のキャラは瞳のハイライトがなくなる処理がされています。

 この能力の所有者は「SEEDを持つ者」と言われ、遺伝子操作されたコーディネーターだけでなく、ナチュラルと呼ばれる普通の人間にも発動しました。作中の概念は運動神経と反射神経が向上し、ひとつ上のステージに到達した人類と定義されていました。

 続いて『機動戦士ガンダム00』に登場したのが「イノベイター」です。革新を遂げた人類の姿とされ、空間認識力や反射能力が高まり、同種の人間との交信能力を持つなど、ニュータイプの発想の延長線上にある概念でしょうか。

 ニュータイプと明確に違う点は、寿命が普通の人間の2倍ほどあり、老化の速度も遅いこと。また、人工的にイノベイターとして作られた人口生命体「イノベイド」がいる点です。本編は、このイドベイドがイノベイターを名乗って人類を支配しようとした物語でした。その結果、「純粋種」と呼ばれるイノベイターが自然発生していきます。物語から50年以上経った劇場版のエピローグでは、人類の約4割がイノベイターとして覚醒しています。

 これまで紹介した概念とは違い、『機動戦士ガンダムAGE』に登場する特殊能力者「Xラウンダー」は、人類の進化や革新とは真逆の「先祖返り」により、手放した野生の能力を取り戻したものだと定義されていました。

 しかし、得られる能力は近未来視や反射速度の向上、ビット兵器の操作などのニュータイプ能力のようなものです。また、Xラウンダーでなくてもアセム・アスノのような操縦技術の向上で、それに匹敵する戦闘能力を得ることができました。

 新人類というわけではありませんが、『機動武闘伝Gガンダム』では武闘家が修行することで「明鏡止水」の境地に達することがあります。機械的に能力を高める方法は宇宙世紀にはもちろん、『新機動戦記ガンダムW』の「ゼロシステム」や『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』の「阿頼耶識システム」などもありました。

 ガンダムシリーズのなかで従来の人類を超えた存在として、たびたび登場するニュータイプ的な要素の数々。今後も新しい世界観が生まれるたびに生み出されていくのでしょうか。来年2022年以降に放送が予定されている『機動戦士ガンダム 水星の魔女』でも登場するのかどうか、期待したいと思います。

(加々美利治)

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