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還暦すぎても『ゼンカイジャー』でヒロインに! 榊原郁恵さんが才能を見せつけたTV番組たち

マグミクス / 2021年12月12日 9時50分

還暦すぎても『ゼンカイジャー』でヒロインに! 榊原郁恵さんが才能を見せつけたTV番組たち

■「還暦ばあちゃんにそんなことやらせるんじゃないよ!」

 現在放送中のスーパー戦隊シリーズ45作品目のアニバーサリー作品『機界戦隊ゼンカイジャー』。そのヒロインと言われているのが、主人公・五色田介人(ごしきだ かいと)の祖母である五色田ヤツデです。演じているのは、50代前後の方にはアイドル時代から知っている人も多いと思われる榊原郁恵さんです。「戦隊史上最年長ヒロイン」という人もいました。

 本作はこれまでのスーパー戦隊シリーズと違って、リーダー以外は人間ではなく着ぐるみという異色の編成になっています。そのため、戦隊では基本ともいえるヒロイン役の女性がいません。一応、メンバー内にマジーヌという女性の着ぐるみがいますが、役者が素面で演じる女性が皆無というわけです。もちろんマジーヌも、魅力ある戦隊メンバー紅一点のキャラであることは間違いありません。

 こういった事情から、番組開始時に唯一、女優として出演が決まっていた郁恵さん演じるヤツデをヒロインと呼ぶ人もいました。これには筆者もまったくの同意見です。何せ後述する番組に出演した経緯を考えると、これまで特撮作品に出てこなかったのが不思議なくらいでしょう。

 ちなみにデビュー当時からの活躍を知る筆者としては、本来ならば榊原さんとお書きするところですが、郁恵さんと書いてしまいます(本当は郁恵ちゃんですが、メディアの記事ですので自重します)。

 そういう経緯から、『ゼンカイジャー』の第9カイ!(第9話)からフリント・ゴールドツイカーがレギュラー入りするまで、本作に登場する女優は郁恵さんひとりだけでした。

 このヤツデというキャラは優しくて包容力のあるキャラで、本作の癒し系を一手に引き受ける存在です。その魅力に本作のライバル的な位置にあるステイシーも心を動かされていました。

 ギャグシーンにも抜群の存在感を見せ、第1カイ!(第1話)から爆発をバックに変身アイテムであるギアトリンガーという銃を凛々しい表情で構えるというシーンを見せています。このシーンの後、「還暦ばあちゃんにそんなことやらせるんじゃないよ!」というセリフがあり、若く見えるけどお年寄りだとカミングアウトしました。筆者としてはいくつになっても若いイメージがあったので、このいきなりの発言に唖然としたものです。

 この他にも第33カイ!(第33話)では苦戦する介人たちに、「偉い人を現場に引きずり出すには揉め事よ」というセーラー服姿で年の功を見せるなど、本作での活躍は多岐にわたっていました。このほかにも第33カイ!(第33話)でピーターパンのコスプレというセルフパロディがあります。

 しかし、この時の郁恵さんのコスプレの意味がわからない人がいました。いわゆるジェネレーションギャップ。考えてみれば、若い世代の方は郁恵さんのアイドル時代に生まれていないわけですから当然ですね。

■未来人、魔法使い、宇宙人…さまざまなヒロインを演じた20代

ミニアルバム「機界戦隊ゼンカイジャー 4」には、榊原郁恵さんが歌う「カラフル☆ワンダフル」も収録(画像:日本コロムビア)

 若い世代のみなさんに郁恵さんのデビュー時代のころのお話をしたいと思います。郁恵さんの芸能界デビューは1976年。今年2021年はデビュー45周年になります。『ゼンカイジャー』はスーパー戦隊シリーズの45作品目ですから、奇妙な縁がありますね。

 この翌年の1977年に『私の先生』で歌手としてデビューしました。キャッチフレーズは「一億円のシンデレラ」。「いとしのロビン・フッドさま」「夏のお嬢さん」などが代表曲でしょうか。

 歌手としての才能ももちろんありましたが、それ以上にトーク力に優れていて、10代のころから『レッツゴーヤング』(1979年)、『NTV紅白歌のベストテン』(1980年)といった歌番組の司会を務めるほど。さらに女優としてドラマにも数多く主演しています。

 代表作ともいえる『ナッキーはつむじ風』(1978~1980年)は人気ドラマとして郁恵さんの知名度と好感度をさらに高め、その人気の高さから第二弾である『愛LOVEナッキー』(1980年)が製作されました。

 この頃、製作は東映、原作が石森章太郎先生、メインライターが上原正三さんという特撮作品のようなスポ根ドラマ『燃えろアタック』(1979~1980年)の第1話にゲスト出演しています。『ゼンカイジャー』出演前から、郁恵さんは東映ドラマとは縁がありました。

 そして、初の主演作である『UFOセブン大冒険』(1978年)から始まったシリーズがファンには思い出深いことでしょう。3978年の未来からUFOに載ってきた少女・フェルメーテを演じ、姉としてピンクレディも出演していました。実はこのシリーズは「ローカルセールス枠」という、一部の地域では放送していない作品で、マイナーな部類に入るかもしれません。

 しかし、放送地域での人気は高く、『コメットさん(新)』で人気だった大場久美子さんとダブル主演だった『マジカル7大冒険!』(1978~1979年)、『少女探偵スーパーW』(1979年)と続き、単独主演となった『ミラクルTV大出動』(1979~1980年)、『スターダッシュNo1!』(1980年)と2年半もの間、主演を続けていました。このシリーズはバラエティ番組形式の特殊なドラマで、郁恵さんはタイムトラベルしたり、宇宙人になったりと、さまざまな演技を見せています。

 それから忘れてはいけないのが、ブロードウエイミュージカル『ピーターパン』。この舞台で1981年から1987年まで主演のピーターパンを演じています。日本初だと言われるフライングに挑戦したことも話題で、その人気は日本のミュージカル史上で初演時に採算をとれたのは初めてだと言われていました。

『ピーターパン』を降板した郁恵さんは半年後、『風の中のあいつ』での共演がきっかけで俳優の渡辺徹さんと結婚。その結婚式は生中継され、平均視聴率40.1%という数字を叩き出しました。

 まだまだ語ることは多いのですが文章量の都合で失礼いたします。しかし、これで『ゼンカイジャー』で郁恵さんがピーターパンのコスプレをした理由が若い方たちにも理解できたことと思います。番組はそろそろ佳境ですが、残りの放送も楽しめればと思います。

(加々美利治)

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