『こち亀』両さんと大原部長の「感動的な絆」4選 上司と部下の関係を超えた名コンビ
マグミクス / 2021年12月14日 6時10分
■大原部長への感謝の思いは1000万円級!?
秋本治さんの国民的名作『こちら葛飾区亀有公園前派出所』(以下、こち亀)。2021年10月にコミックス新刊201巻が発売され、再び注目を浴びました。
同作といえば、破天荒な警察官の「両さん」こと両津勘吉(りょうつ・かんきち)に、上司の大原(おおはら)部長がカミナリを落とすくだりが名物。いつもいがみ合っているふたりですが、亀有公園前派出所で長年共に働いているだけに、心の底から仲が悪いわけではありません。
この記事では、両さんと部長のアツい「絆」が垣間見えるエピソードをTVアニメ版から4つピックアップ。実は、理想的な上司と部下の関係だと思い知らされる、感動的なシーンを紹介します。
●アニメ第287話「最後のプレゼント」
両さんの、部長に対する並々ならぬ感謝の思いが伝わる名エピソードです。
物語冒頭、大原部長が本庁に栄転することが決まるシーンから始まります。そのことを知った両さんは、憎まれ口を叩きながらもどこか寂しそう。栄転祝いに署内でお金を出し合って部長にプレゼントを贈ることにします。
そこで両さんが部長の妻から日本刀を欲しがっている情報を聞きつけ、お気に入りが展示されているというデパートに足を運びます。すると、そこには部長の姿が。部長が欲しがっていた日本刀はなんと100万円もする名刀だったのです。
「栄転祝いにしても高すぎる……」と悩む両さんでしたが、昔、部長に昇進祝いで最高級の背広を買ってもらったことを思い出し「部長の栄転祝いなんだ。最高のプレゼントを贈らなきゃな」と購入を決意します。
部長がいぬ間に派出所に刀が届きますが、両さんがチャンバラをして刃を欠けさせてしまいます。誰にもバレないように刀を削って直そうとしますが、大きく曲げてしまいボロボロに……。
両さんは「わしが贈る最後のプレゼントになるかもしれないんだよな」と仕事を休み、まるで鍛冶屋のように変貌した自宅で、元の鞘に収まる日本刀を自作することに。はじめはグニャグニャでしたが「いい加減な物を贈れるか!」と何本も必死に作り続けるのです。一方、両さんのいない派出所では部長が「最後くらいはあいつと過ごしたいと思ったが……」と寂しそう。この両者の対比が視聴者に感動を与えました。
部長の栄転発表当日、ついに納得する日本刀ができ上がり、両さんは会場の葛飾署へ到着。「今までお世話になりました」と、部長にサプライズプレゼントとして刀を渡します。感動すると思った部長でしたが「こんな物は受け取れん!」と拒否。両さんは偽物だとバレたと思い、自白して謝罪するのですが、部長は「これほど見事な日本刀を見たのは初めてだ。1千万円はくだるまい」「さっき受け取れんと言ったのは、あまりに高価な品だと思ったからだ」と理由を話します。
部長に少しでも良いものをプレゼントしようとした両さんが、買った物よりすごい品を作ってしまう、胸が熱くなる名エピソードでした。
ちなみに最後は、切れ味が鋭すぎるその日本刀で本庁への辞令まで切ってしまい、栄転が取り消しとなってしまうオチで終わりました。
■大原部長の夢は両さんの仲人をすること!「バカな子ほどかわいい」
●アニメ第61話「さらば大原部長!?」
大原部長と両さんが別々の場所で働くことなるエピソードです。
というのも、3丁目派出所の班長が急病で入院し、大原部長が班長代理として勤務することに。公園前派出所には代わりに手持鹿(でもしか)部長がやってきます。両さんはガミガミ怒る部長がいなくなることを喜び、大原部長は破天荒な両さんがいない派出所に勤務することで管理能力が評価されるであろうことに喜びます。
喜びもつかの間、3丁目派出所にはイマドキの若者しかおらず、大原部長が挨拶している途中でもケータイをいじるなど苦労させられます。さらに、おごりで飲みに誘っても誰も来ません。部長は「両津なんかおごってやると言えば、しっぽを振ってついて来るのに……」とショックを受けるのです。一方、公園前派出所では両さんがいい加減な仕事をする手持鹿部長に四苦八苦。几帳面な大原部長の大切さや寛大さが身に染みていたのでした。
それぞれ苦労するふたりは夜、行きつけの同じ居酒屋で“別々”でお酒を飲むことに。ふたりとも強がって日々の充実自慢を繰り広げますが、最終的にはベロベロになりながら夜の歓楽街を肩を組んで闊歩しているシーンで終えるところが、仲の良さを象徴しています。
その後、強盗事件の犯人を大原部長と両さんがコンビネーションを発揮して逮捕。改めてこのふたりは名コンビだと感じさせられるエピソードでした。
●アニメ第293話「両さん熱愛宣言!?」
大原部長が独り身の両さんを心配して、見合い相手を紹介するエピソードです。物語冒頭に、部長が両さんの仲人をするのが長年の夢であることが分かるシーンがあり、さっそく心が温まります。
部長が持ってきた美人な見合い写真を見た両さんは、お見合いを引き受けることに。その女性とは吉永真琴(よしなが・まこと)さん。料理や茶道も心得ている才色兼備ですが、なんと両さんのことが好きになり、交際を申し出てきたのです。もちろん両さんは大喜び。
実は真琴さんには子供の頃からファッションデザイナーになる夢があり、そのためパリに留学したいと両親に話しましたが「そんな子供じみた夢を追ってないで結婚しろ」と猛反対され、両さんと見合いをすることになった背景がありました。初めはやけになっただけでしたが、交際するうちにだんだんと本気になったと両さんに告げます。しかし話を聞いた両さんは、真琴さんのことを思い「わしは両親に反対されたくらいで自分の夢を諦めるようなやつは大っ嫌いだ」と一方的に関係を終わらせてしまうのです。
その日の夜、両さんは後輩の本田(ほんだ)と屋台でベロベロになるまでお酒を飲んでいました。本田が酔いつぶれてしまうと「私が付き合うよ」と大原部長が後ろから店に入ってくるのです。「部長が付き合ってくれるとはうれしいなぁ」とお酒を注ぎ、部長も「バカな子ほどかわいいって言うからな」とふたりでお酒を飲み始めました。
部長は真琴さんの関係者からその後の話を聞いたうえで「お前は大バカすぎる。真琴さん、感謝していたそうだ」「お前にピシャリと言われた後、ご両親を説得してパリ留学を許してもらったそうだよ」と伝えます。すると両さんはうれしそうな表情を見せて「あ?あ! 良い女だったなぁ!」と夜空にひと言放ち、物語は幕を閉じました。とてもカッコ良い両さん、そして両さんの仲人をするのが夢でしたが、その心意気に満足そうな部長。冒頭から終わりまで感動的なシーンが続く名エピソードでした。
■ふたりで夜の街に消えていくシーンが感動的! 「神回」と名高いエピソードとは?
●アニメ第35話「部長の目にも涙」
最後は、ファン人気が高く「神回」と評判のエピソード。涙なしでは見られない方も少なくないのではないでしょうか。
この物語は、大原部長の自宅に娘・ひろみの婚約者である角田ひでおから電話が来て「君にお父さんと呼ばれる覚えはない!」と電話を切るシーンから始まります。後日、ひろみとひでおは、派出所を訪れて大原部長に結婚の話をしようとしますが、部長は話を聞こうともせずふたりを避け続けます。
そこで両さんは部長とひでおを懸命に引き合わせようとしますが、それでも話を聞いてもらえません。ひでおが北海道に転勤するため、その前に強引に結婚式を開き、部長の覚悟を決めさせようとするのです。両さんは人脈を活かして新規オープンするホテルの式場を確保するなど、テキパキ準備を進めていきました。
一方の部長は「勝手にしろ!」と結婚式について我関せず。すると式前日、大雨のなかを途方に暮れながら歩いていた部長が、風邪を引いて倒れてしまうのです。「結婚するまでは大原の娘でいたい」というひろみが側で必死に看病したことで部長は元気に。部長は子供時代のひろみとの思い出がフラッシュバックして感傷に浸りますが、ようやく決心。すでに結婚式が行われている式場に急ぎます。
途中から飛び入り参加すると「部下たちが無理やり式を挙げてくれていなかったら、わしは一生悔いていかなければならなかったでしょう」「ひでおくん、私の娘をよろしく頼む」とついに本人を前に結婚を認めました。
式が終わると部長は両さんとふたりで歩き「いや~良い式だった! 両津!もう一軒いくぞ!」と満面の笑み。両さんも「わかりましたよ行きましょ。10軒でも20軒でも!」と了解し、部長はウェディングソングをうれしそうに歌いながらふたりは夜の街へ消えていくのでした。
普段は怒ってばっかりの両さんとハシゴ酒をするシーンは、とにかく素晴らしく感動します。無理やり連れ回しているように見えないのが両さんとの名コンビぶりを感じさせます。このふたりこそ、まさに理想の上司と部下の関係ではないでしょうか。
* * *
以上、両さんと部長の強い「絆」が垣間見えるエピソードをTVアニメ版から4作ピックアップしました。他にも「夜空に咲いた贈り物」などまだまだ紹介したい名作は存在します。
皆さんの心に残っている両さんと大原部長のエピソードは何ですか?
(中島憲太郎)
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