家庭用「マリオカート」で消えたアイテム4選。調整とリストラの憂き目に…?
マグミクス / 2021年12月18日 18時10分
![家庭用「マリオカート」で消えたアイテム4選。調整とリストラの憂き目に…?](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/magmix/magmix_71689_0-small.jpg)
■人気レースゲームの表舞台から消えていった名アイテムたち
1992年8月にスーパーファミコン用ソフトとして産声を上げ、2021年にいたるまで10作近いタイトルが作られてきたレースゲーム「マリオカート」シリーズ。Nintendo Switch向けに発売された最新作『マリオカート8 デラックス』(以下、マリオカート8DX)は全世界3800万本以上の売上を誇り、現在進行系でゲーム市場に影響力を及ぼし続けています。
そんな「マリオカート」シリーズの特徴といえば、最下位から1位フィニッシュも容易に狙えるほどのポテンシャルを秘めた各種「アイテム」の存在。ぶつかったキャラクターをクラッシュさせる「ミドリこうら」に「アカこうら」、無敵状態になってあらゆる障害物(キャラクター)をはねのける「スター」などなど、レースを華やかに盛り上げるアイテムがこれまでに数多く登場してきました。
定番アイテムとして後続タイトルに受け継がれていくアイテムがある一方で、「いつの間にか見なくなった」「一度限りの登場で終わってしまった」という、「消えたアイテム」も一定数見られます。
今回は、「マリオカート」シリーズの家庭用タイトル(アーケードゲーム版・スマートフォンアプリ版を除く)のうち、久しく日の目を見ないアイテムを4つご紹介。初登場タイトルや入手時の使い方についても振り返ります。
●突然消えてしまった 「にせアイテムボックス」
最初に取り上げるのは、『マリオカート64』(1996年)で初登場した「にせものアイテム」。後続タイトルでは「にせアイテムボックス」へ名称が変わったものの、よく見る妨害系アイテムの一種として、シリーズ初期からある程度の認知を得ていました。
にせアイテムボックスをレース中に使用すると、その場に通常のアイテムボックスに酷似したボックス型トラップが出現。アイテムを取ろうとして触れたプレイヤーをクラッシュさせ、少しの間行動不能へ追い込みます。
タイトルごとにデザインや仕様は若干違うものの、「クエスチョンマークを逆にしたアイコン」がボックス内部に埋め込まれているのが基本的な特徴。とりわけ『マリオカート64』のにせアイテムボックスは、本物のアイテムボックスと見分けがつきにくく、本物のアイテムボックスの周辺に設置したり、もしくはコース自体がカラフルな「レインボーロード」の床面に設置した場合、落ち着いてプレイしていないと引っかかってしまうことが多々ありました。
にせアイテムボックスは『マリオカート64』から『マリオカートWii』まで、およそ12年にわたってシリーズに実装されてきましたしたが、ニンテンドー3DS用ソフト『マリオカート7』(2011年)では未登場。ゲームバランスの調整や新規アイテム収録に伴うリストラに見舞われたのか、最新作『マリオカート8DX』でも実装されることはありませんでした。
●トップクラスの実力だが登場は一度きり 「POWブロック」
任天堂が38年前に手掛けたアクションゲーム『マリオブラザーズ』にて登場して以降、「スーパーマリオ」シリーズとともにゲーム史を駆け抜けた名アイテム「POWブロック」。青色のブロックを叩くと画面が揺れ動き、敵キャラクターがひっくり返るという効果は「マリオカート」シリーズでも健在でした。
キャラクターが乗っているカートごとひっくり返ることは無かったものの、「地震によってスリップ+所持しているアイテムをその場に落とす」といった効果が付与され、「サンダー」(他キャラクターを小さくする)や「ゲッソー」(他キャラクターに墨を吐いて視界を奪う)などの妨害系アイテムに引けを取らない強アイテムの地位を築き上げていました。
ところが、実装は『マリオカートWii』のみで、続く『マリオカート7』の発売時には存在が無かったことに。「スーパーマリオ」シリーズの古株ではありましたが、定番アイテムの仲間入りを果たすことはできなかったようです。
●メリットだけじゃない諸刃の剣 「カミナリぐも」
上述のPOWブロックと同様、『マリオカートWii』にしか実装されなかったアイテムはほかにも存在します。そのひとつが、雲の上にサンダーが乗っている「カミナリぐも」。入手した時点でキャラクターの走行スピードを底上げする一方、一定時間後に落ちる雷に直撃すると、自キャラクターのみサイズが小さくなるというデメリットを備えています。
落雷が直撃する前に他キャラクターへぶつかるとカミナリぐもを擦り付けることができますが、擦り付けることができないと「逆に順位を下げてしまう」というリスクも抱えています。圧倒的に不便とは言えないものの、「マリオカート」シリーズではほかに使い勝手の良いアイテムが多く見られたのも事実で、次作『マリオカート7』では残念ながら登場しませんでした。
●SFC時代から25年ぶりに復活した 「羽」
最後にご紹介するのは、『スーパーマリオカート』で最初期のアイテムカテゴリーにラインナップされていた「羽」です。走行中のキャラクターが大きく飛び上がるという効果を持ち、「おばけ沼」や「クッパ城」といった「羽を使わないと実行できないショートカット」があるコースで真価を発揮。グランプリモードの対CPU戦はもちろん、プレイヤー同士のプライドをかけた対人戦でも大いに役立ちました。
コウラ、キノコ、バナナの皮など、シリーズを通して出現し続ける定番アイテムと肩を並べましたが、続く『マリオカート64』で実装されることは叶わず。『スーパーマリオカート』が最初で最後の晴れ舞台……かと思われましたが、『マリオカート8DX』(2017年)で25年ぶりに奇跡の復活を果たしました。通常レースではない「バトルモード専用アイテム」という枠に収まり、スーパーファミコン時代よりもパワーアップした大ジャンプ演出で装い新たに生まれ変わりました。
(龍田優貴)
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