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撮影成功が奇跡?体当たりすぎた昭和特撮シーン3選 「スタントマンが来ないので…」

マグミクス / 2021年12月26日 6時10分

撮影成功が奇跡?体当たりすぎた昭和特撮シーン3選 「スタントマンが来ないので…」

■非常識が常識だった? 昭和の特撮現場

 どんな撮影であれ、現場に危険はつきものです。それが特撮ならなおのこと。そして、今よりもコンプライアンス意識の希薄な昭和の現場なら、なお、なおのことです。

 後年になってレジェンドスタッフや出演者たちの口から語られる制作秘話には、今の感覚からすれば到底考えられない「昭和の特撮現場」の風景がありました。なかには無事に撮影が成功したこと自体、にわかに信じがたいエピソードも。今回は、そんな時代の変遷を感じさせる昭和の特撮現場を紹介します。

●監督もアクターも怪我まみれ 『キングコング対ゴジラ』

 初代ゴジラスーツアクターにしてミスターゴジラ、中島春雄さんは数えきれぬ伝説を残した偉人でいらっしゃいます。中島さんの撮影秘話のなかでもファンの間で有名なのが、1962年公開のシリーズ3作目にして初のカラー作品『キングコング対ゴジラ』でしょう。

 熱海を舞台としたゴジラとキングコング(演:広瀬正一)との決戦撮影は過酷そのもの。足に着ぐるみ内側の金網が刺さるなどのアクシデントは日常茶飯事。前作『ゴジラの逆襲』の時より、なお気合を入れて撮影に臨んだ中島さんでしたが、超重量の着ぐるみのまま海へと落下するシーンでは実際に溺れかけたといいます。究極の閉鎖空間に閉じ込められる恐怖……まったくもって冷や汗が止まりません。なおこの時の着ぐるみは大量の水を吸ってしまっていたため、3日間吊るして何とか乾かしたそうです。

 この撮影での事故はこれだけではありません。本多猪四郎監督もまたロケ中に崖から転落してしまう事故に見舞われ、撮影後半は包帯姿での続行となりました。まさにゴジラと同様、撮影スタッフもまた命がけだったのです。

●迫真の演技……ではない? 『シルバー仮面』の燃えるチグリス星人

 実際のアクシンデントがそのまま放送に乗ってしまったという例も、わずかながら存在します。それが1971年に放送開始の特撮『シルバー仮面』第1話のラストです。

 シルバー仮面との戦いの末、チグリス星人は炎に身悶えしながら最期を迎えるのですが、実はこれ「迫真の演技」ではなく実際に起こった事故。手違いで炎が着ぐるみの内部にまで燃え広がってしまい、スーツアクターは本当に熱がっていたのです。

 この時、監督を務めていたのが『ウルトラマン』のジャミラ回(第23話「故郷は地球」)や『ウルトラセブン』のメトロン星人登場回(第8話「狙われた街」)などの名演出で知られる実相寺昭雄監督でした。監督は着ぐるみを燃やしてしまったことを美術の池谷仙吉さんにしっかり叱られていました。

 実相寺監督は当時のことを振り返り「ロクでもない思い出しかない」と笑いながら語っておられます。

●無茶ぶりが過ぎる!!『仮面ライダーアマゾン』の危険撮影

 『仮面ライダー』シリーズの撮影は体当たりエピソードの宝庫ですが、今回は1974年放送開始の『仮面ライダーアマゾン』を紹介します。ご存知の通り、アマゾンは南米アマゾンで遭難した野生児・山本大介(演:岡崎徹)が主人公。その撮影はまさに体当たりの極致でした。

 例えば、富士急ハイランドのジェットコースターのレールを命綱なしでのぼったり、新宿伊勢丹近辺のビルとビルの間を命綱なしで渡ったり……壮絶です。新宿伊勢丹のビルの撮影は、本来スタントマンがやるはずだったのに来なかったため、急きょ岡崎さん自身がやることになったとか。この呼吸は現場に居合わせた者でないとわかり得ないものなのでしょう。

 最初に申し上げたとおり、特撮の現場と危険は隣り合わせです。もし一歩間違えていれば大事故が起きて、永遠にその作品を見ることはできなかったのかもしれません。そういった意味でも、命がけで撮影に携わった全ての方々に敬意を表したいと思います。

 そして、こうした現場のエピソードを過度に美化せず語り継ぐことが、特撮文化を次世代につなぐためにも必要なことなのかもしれません。

(片野)

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