サンタさんがくれた「コレジャナイ」ゲームソフトの悲劇 『ポケモン』が欲しかったのに?
マグミクス / 2021年12月24日 6時10分
■サンタさんへのリクエスト『ポケモン』の解釈はさまざま
冬休みと共にやってくるクリスマスに、多くの子供がドキドキする理由はふたつあります。ひとつは、サンタさんにおもちゃをもらえるかもしれない期待。もうひとつは、本当にそれが欲しいプレゼントがどうかへの不安です。
特に、TVゲームのソフトは、贈る側ともらう側で思い違いが発生しやすい特徴があります。子供の頃、TVゲームが好きだった人は、クリスマスの思い出とゲームタイトルの記憶とが結び付けられているのではないでしょうか。枕元に置かれた包み紙に、ゲームソフトのパッケージの感触。喜んだのも束の間、破いた包装紙から見えたタイトルに「コレじゃない」と、愕然した経験がある人は少なくないはず……。
この記事では、ゲームに詳しくない「サンタさん」たちに選ばれてきた「惜しい! コレじゃない!」ソフトを振り返ります。
まず、2010年に発売されたニンテンドーDS用ソフト『ポケットモンスター ブラック・ホワイト』。数ある「ポケットモンスター」(以下、ポケモン)シリーズのなかでも、欲しいソフトと「対」となるバージョンが選ばれやすい作品として有名です。
白色を基調としたポケモン「レシラム」のパッケージが『ブラック』。その逆、黒色の「ゼクロム」が描かれているほうが『ホワイト』バージョンであることがミスを誘発させたのです。
とは言え、どちらのタイトルも(野生で出現するポケモンが異なるなど、細かな違いはあるものの)「イッシュ地方」を舞台に冒険を進めるタイトルであることに変わりはなく、欲しいほうでなくても、そこまでがっかりすることはないのが救いです。
ところが少し時代をさかのぼると、『ポケモン』が欲しい子供たちのリクエストに対して、サンタさんが『もんすたあ★レース』や『まぜっこモンスター』などのソフトを選んでしまうという悲劇が起こっていました。「ゲームボーイ用ソフト、かつ『モンスター』とタイトルに付いている」と、認識された結果です。
また、『ポケモン』同様にバージョンがふたつある理由から「メダロット」シリーズを選んでしまったサンタさんも多くいました。
「『ポケモン』が欲しい!」というお願いは、第三者のフィルターを通すことでリクエストの解像度が下がり「類似性の認められるゲームソフトなら可」と、言った具合に、サンタさんに伝えられてしまったのかもしれません。いずれのゲームソフトも『ポケモン』とは、また違った面白さがあるとはいえ、子供にとってはたまったものではありません。
■サンタさんが間違えがちなソフトはほかにも
サンタさん、「モンスター」しか合ってない! でもプレイしてみると面白い。画像はPlayStation版『もんすたあ★レース』(コーエー)
TVゲームに詳しくない方にとって、分かりづらいタイトルはほかにもあります。たとえば『源平討魔伝』と『月風魔伝』です。
どちらもファミコン用ソフトとして発売されましたが、前者はアーケード版が横スクロールアクション、ファミコン版はRPG。と、ゲームジャンルも異なるうえ、後者は前者の影響を受けて製作されたアクションゲームです。説明して、なおややこしいのですから、当然サンタさんが間違えてしまうのもうなずけます。
また、「桃太郎電鉄」シリーズは今なお愛されるボードゲームの金字塔ですが、同じ(旧)ハドソンからは、RPG『桃太郎伝説』も発売されていました。複数人で盛り上がるボードゲームとひとりで熱中するRPGでは遊びかたも違うので、間違えてしまうと子供のショックははかりしれません。とはいえ、「電鉄」と「伝説」を間違ってしまったことでサンタさんを責めるのは、少しばかりかわいそうです。
ほかにも『たまごっち』と『ぎゃおッPi』、『デジタルモンスター』と『ヨーカイザー』など……。クリスマスの朝に発覚する「認識のズレ」の例はキリがありません。
しかし、欲しかったタイトルとは違ったとしても、子供はプレゼントされたからにはプレイします。クリスマスもひと段落ついた年末に漂う、のんびりした空気も手伝い「ゲームを好きなだけやっていい」特例のもと、思わぬゲームにどハマりしてしまうことも珍しくはありませんでした。
今は、ソフトもダウンロード購入ができ、希望と異なったソフトが選ばれるリスクは随分と減ったようにも思います。子供と確認しながら間違いのないゲームタイトルを選べることもできますが、思いがけないプレゼントから新しいゲームジャンルを開拓する機会が減ったことも事実でしょう。
クリスマスの思い出も遠い昔の話。すでに社会人になった方は、子供の頃と同じほどゲームに時間を割くことができるわけではありません。
久々にコントローラーを握ろうと思い立っても、新作タイトルが目白押し。どこから手をつければいいか分からない方は、このクリスマスにあえて、これまで手にすることのなかったゲームタイトルを自分用に購入してみるのも面白いかもしれません。
子供の頃の「コレじゃない!」記憶を蘇らせると共に、新しいゲームの魅力に出会えることも、「自分へのクリスマスプレゼント」と捉えられるのではないでしょうか。
(ふみくん)
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