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『ジョジョ』の「似ているようで違う」スタンドたち。全く別物に見せる見事な演出!

マグミクス / 2021年12月30日 15時10分

『ジョジョ』の「似ているようで違う」スタンドたち。全く別物に見せる見事な演出!

■味方、悪役でも被る「能力」

 読者の度肝を抜く奇想天外な展開と能力バトルが繰り広げられる『ジョジョの奇妙な冒険』(著:荒木飛呂彦)には、実に150種類以上のスタンド能力が登場します。そのなかには明らかに類似している能力も出てくるのですが、本体のキャラや立場、スタンドのデザイン、使用目的などが重複せず、全く違った印象を与えるのが特徴です。

●「リトル・フィート」と「グーグー・ドールズ」

 まず紹介するのが、暗殺チームのホルマジオ(5部)と徐倫と同室の女囚グェス(6部)の「縮小化能力」です。「犯罪者」ということ以外は共通点がないふたりですが、「相手を小さくさせて追い込む」という戦い方は同じ。

 しかし、ホルマジオの「リトル・フィート」は本体も小さくさせることができるのに対し、グェスの「グーグー・ドールズ」が縮小させる対象は敵だけです。また、「リトル・フィート」は一度小さくさせたら本体が解除するまでは射程距離は関係なく維持できますが、「グーグー・ドールズ」は対象がグェスから30メートルほど離れると元の大きさに戻っていきます。ただ、「リトル・フィート」は相手を爪で攻撃してから小さくなるまで時間がかかりますが、「グーグー・ドールズ」は一瞬で縮小できるという利点もあります。

●「スパイス・ガール」と「ビタミンC」

 5部のヒロイン、トリッシュ・ウナと8部の悪役の岩人間・田最環(だも たまき)はどちらも「軟化」の能力を持つスタンド使いですが、「柔らかくさせる」度合いと用途が全く違います。

 トリッシュの「スパイス・ガール」は触れた物体を柔らかくさせますが、これは対象を「ゴム」のような弾力性のある物質に変える能力で、柔らかくなった物体は壊れなくなるうえにその特性を維持できます(時計の針が動き続けるなど)。この能力は生物には使用できません。

 一方で田最環の「ビタミンC」は、スタンドが残した指紋に触れた対象を「湯葉」のように柔らかくして行動不能レベルまで弱体化させるという恐ろしい能力でした。ちなみに、相手のスタンドまで柔らかくすることが可能です。吉良吉影の「キラークイーン」にも勝ち、おまけに軟化した相手の体を千円札で切り刻むなど極悪な拷問までする田最環は、8部屈指の強敵でした。「スパイス・ガール」とは逆に生物にしか使えない能力です。

■鏡の世界は存在した?

人気キャラ広瀬康一のスタンドと類似したキャラが7部にも登場する。画像は「超像可動 「ジョジョの奇妙な冒険」第四部23.広瀬康一&エコーズACT1 (荒木飛呂彦指定カラー)」(メディコス)

●「エコーズ(ACT2)」と「イン・ア・サイレントウェイ」

 4部のメインキャラ、広瀬康一はスタンド「エコーズ」を「ACT1~3」までの3パターン使い分けられる珍しいスタンド使いです。そのなかのACT2は、しっぽの先端を擬音、擬態語に変形させて貼りつけ、それに触れた者にその音の通りの物理現象を起こす(「ドジュウウ」という音を触ると火傷するほどの熱が発生)ことができます。

 7部「スティール・ボール・ラン」に登場したネイティブ・アメリカンの敵サンドマン(実際は「サウンドマン」)のスタンド「イン・ア・サイレントウェイ」も、擬音・擬態語を物体化させる能力でした。その音文字のデザインも「エコーズ ACT2」と似ていましたが、「イン・ア・サイレントウェイ」はより凶悪な特性を持っています。

「エコーズ ACT2」は尻尾を音文字に変えるため、一度にひとつしか使えないのに対し、「イン・ア・サイレントウェイ」は音文字をいろんな物体、生物に乗せて移動させ、複数で一気に攻撃することが可能なのです。さらに、Dioのスタンド「スケアリー・モンスター」で作った恐竜に音を乗せて攻撃するなどの合わせ技も可能。音文字も「ザグッ(斬撃)」「メラメラ(炎)」など、だいぶ攻撃的でした。心優しい高校生の康一君と、厳しい環境で生きる戦士サウンドマンの性格の違いがスタンドにも出ていますね。

●「ハングドマン」と「マン・イン・ザ・ミラー」

 3部の「ハングドマン(吊られた男)」(本体:J・ガイル)と5部の「マン・イン・ザ・ミラー」(本体:イルーゾォ)は、どちらも鏡を使った恐ろしい敵スタンドでした。しかし、「ハングドマン」は鏡や水面、生物の目など光を反射するもののあいだに潜んで攻撃してくる能力(正確には「光のスタンド」)だったのに対し、「マン・イン・ザ・ミラー」は実際に現実と左右を反転させた「鏡の世界」を作り出し相手を引きずり込んで一方的に戦う(スタンドは持ち込ませない)能力という違いがあります。

 ちなみに3部でJ・ガイルと戦っている最中に、花京院がポルナレフに対し「鏡の中とか鏡の世界とかさかんにいってますが鏡に中の世界なんてありませんよ…ファンタジーやメルヘンじゃあないんですから」と明言していたのですが、5部で普通に「鏡の世界」が登場したため、一部ファンのあいだで花京院の発言はネタ化されていました。

 ただ、イルーゾォが「マン・イン・ザ・ミラー」を身につけるまでは「鏡の世界」は存在していないはずですし、そもそもこのスタンドが独自に「異空間」を作り出しているだけとも考えられるので、あながち花京院が間違っているとも言えません。

 ここまで紹介したのは一部の例で、他にも類似スタンドは登場します。似たような能力でも、本体や使用用途が被らないため、全然違う印象になるのが『ジョジョ』のスタンドの特徴です。荒木先生がキャラごとに「身上調査書」まで作っているからこそ、スタンドのバリエーションもここまで豊富なのでしょう。

(マグミクス編集部)

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