再アニメ化『うる星やつら』の期待と不安 ファンを二分する「メガネorコースケ」論争とは?
マグミクス / 2022年1月3日 14時10分
■伝説の作品の再アニメ化で寄せられる期待の声
2022年1月1日早々に大きなニュースが飛び込んできました。あの伝説の作品『うる星やつら』が、本年からTVアニメとして復活というニュースです。果たして、どんな作品になるのでしょうか?
今さら説明も不必要かと思いますが、『うる星やつら』は高橋留美子先生が「週刊少年サンデー」(小学館)で1978年から1987年まで連載していたマンガです。その後TVアニメ化され、80年代を代表するアニメ作品として多くの人から支持されました。
TVアニメは1981年10月14日から1986年3月19日まで全195回と1時間スペシャルが1本。このほかに劇場アニメが6本、OVAで12本が制作されました。
時系列で分かると思いますが、前回のTVアニメでは原作マンガはまだ完結しておらず、TVアニメ最終回はオリジナル展開で幕を下ろしています。それから2年後、1988年2月6日公開の劇場版『うる星やつら 完結篇』にて原作マンガの最終回がアニメ化されました。そしてOVAで、TVアニメにならなかった原作マンガのエピソードがアニメ化されています。
ちなみに、これまでの『うる星やつら』最後のアニメ化は2008年12月。高橋留美子展(原画展)向けに製作された『うる星やつら ザ・障害物水泳大会』でした。製作はサンライズに変わっていましたが、声優陣は鬼籍に入られた方以外はオリジナルキャストのままです。この作品から約13年の月日が流れました。
その『うる星やつら』が2022年に、小学館創業100周年、TVアニメ放送40周年を記念して、フジテレビの深夜アニメ枠「ノイタミナ」で4クールにわたって放送されるそうです。奇しくも今年は寅年。虎縞ビキニのラムの復活は運命かもしれません。
また、主人公である諸星あたるとラムの声優が早くも発表されました。あたるの声は神谷浩史(かみや・ひろし)さん。ラムの声は上坂すみれ(うえさか・すみれ)さん。共に発表されたPVで、あたるとラムの声をいち早く演じていましたが、前担当声優だった古川登志夫(ふるかわ・としお)さんと平野文(ひらの・ふみ)さんを思わせる声のトーンになっていました。古川さんと平野さん共に新作へのコメントを寄せており、声のバトンタッチはうまくいっている模様です。
ちなみに本年1月1日に動き出したTwitterの『「うる星やつら」TVアニメ公式』は、わずか1日でフォロワーの数が6万人を超えました。それだけ今回の再TVアニメ化に期待を寄せるファンが多いということでしょう。
しかし、一方で再TVアニメ化を不安に思っている人も少なくありません。それは筆者も同じ思いです。そこで、まだ早いとは思いますが、公式からの情報や多くのファンがネット上でつぶやいているコメントから、『うる星やつら』の新作TVアニメについて考察していこうと思います。
■ファンの間で始まっている「論争」
公式からのコメントでは「年内からノイタミナ枠で4クール放送」となっています。しかし、これまでのノイタミナは最大で2クール、ほとんど1クールの放送でした。これから考えると、本作は「分割4クール制」の可能性が大きいと考えられます。一定のクオリティ保持には必要な処置でしょう。もし深夜アニメで連続4クールですと、あまり例がありません。
また、公式が早くもあたるとラムの声優を発表したことも、ファンにとってキャラクターの声がどうなるかが気になることを事前に察知しているからでしょう。以前のファンには残念ですが、おそらく声優陣の総入れ替えの可能性は高いと思います。
高橋先生が寄せたコメントのなかに「…他のキャラ全員、主役級の声優さん達で、豪華さに驚いています」とありました。このコメントから察するに声優陣の総入れ替えを示唆できます。しかし、主役級の豪華声優陣という言葉を考えると、残念な要素と言うよりは期待感あふれるポイントかもしれません。
内容に関してですが、「…選び抜かれた原作エピソードを全4クールに渡って…」という公式からのコメントがありました。これから考えられることがいくつかあります。
まず、原作マンガすべてをTVアニメ化しないということ。ちなみに原作マンガは最初の単行本で全34巻。連続ストーリーもありますが、おそらく各単行本でひとつかふたつ選ばれる程度です。どのエピソードがアニメ化されるかは不明ですが、キャラの初登場回は外さないとすると、マニアックなエピソードはあまり見られないかもしれません。
しかし、逆を言えば最終回までの構成は最初から決められているというわけで、原作最終回がTVアニメ最終回として放送される可能性は極めて高いと思われます。
そして前作TVアニメと言えば、一部のファンの間ですでに「メガネかコースケか」論争が始まっていました。
これは原作マンガで端役だったメガネが、TVアニメではメインキャラになっていたことに由来します。このメガネの台頭で、原作マンガではあたるの悪友だった白井コースケがTVアニメではモブキャラになっていました。ちなみにメガネと一緒に行動するラム親衛隊の一員、パーマの本名がコースケでしたが、原作のコースケが同時に存在していたことから別人であるとされています。
しかし、このコースケ、前述した『ザ・障害物水泳大会』ではメインキャラのひとりとして、高橋作品の常連である山口勝平さんが演じていました。その代わり、ラム親衛隊は誰ひとり登場していません。このアニメは原作マンガ準拠で、ほかにも友引高校の校舎がTVアニメではなく原作マンガと同じ建物になっています。
つまり、今回のTVアニメが前作のTVアニメ準拠になるのか、それとも原作マンガ準拠になるのかで意見が分かれているようなのです。ちなみに発表されたPVでは、前作TVアニメで最初のオープニング曲「ラムのラブソング」のイントロが使用されていたので、どちらの可能性も否定できないというのが論争のきっかけのようでした。
ほかにもまだまだ話題に挙がっていることは多くあります。しかし、放映時期が決定するまで、情報は次々と上がってくるでしょうから、その一つひとつを楽しんで、放送日を迎えようではありませんか。
(加々美利治)
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