実績や素行が残念だった『Zガンダム』のニュータイプたち 能力は発揮されたが評価は…
マグミクス / 2022年1月22日 6時10分
■作中でも周りからの評価が低かった?
ガンダムシリーズで「宇宙世紀」を描いた作品では、「人類の革新」ニュータイプの活躍が多く描かれます。ニュータイプの定義はさまざまですが、直感力が高い人、戦場にいる人たちを認識できる人、誤解なく分かり合える人……などとされています。
TVシリーズ第2作『機動戦士Zガンダム』では、高いニュータイプ能力を発揮した主人公・カミーユをはじめ、さまざまなニュータイプが登場しますが、なかには実際の素行や実績が残念だったキャラクターもおり、視聴者に強い印象を与えました。
●カツ・コバヤシ
『機動戦士ガンダム』から『Zガンダム』まで続けて登場し、ニュータイプ能力の片鱗を見せていたキャラクターです。『Zガンダム』登場時は15歳、情緒不安定で軍規違反も多いキャラクターでした。序盤はアムロを焚きつけカラバに参加させるきっかけを作っています。自身も整備から始まり、後にGディフェンサーの専属パイロットになります。
ところが、ティターンズのサラ・ザビアロフと出会ってからは、戦争のことよりも彼女のことが最優先になってしまっており、彼女の脱走を手伝ってしまうシーンは視聴者から反感を買っています。
カツの最期は映画版とアニメ版で異なっており、GディフェンサーがガンダムMk-2と合体したため、コアブロックだけになったので退避命令が出たものの、それを無視。結果、ハンブラビ隊のラムサスの撃墜につながりますが、集中力が切れて隕石に激突してしまいます。アニメ版ではその直後にヤザンからの追い打ちがありますが、映画版ではこれがカットされています。
●パプティマス・シロッコ
木星帰りのニュータイプとしてティターンズで辣腕を振るい、ティターンズ内でどんどん権力を拡大し、ジャミトフ・ハイマン、バスク・オムに次ぐナンバー3まで登り詰めます。
パイロットとしての技量やニュータイプ能力も高く、MSを自ら開発するなど有能な人物でしたが、自信家すぎるところがあり、周囲からも反感も買っています。一番の失策は、ジャミトフ暗殺のタイミングであり、これがきっかけで、指揮系統は乱れてしまいます。その隙にコロニーレーザー「グリプス2」をハマーン・カーン率いるアクシズに奪われ、さらにレーザーの一撃でティターンズは艦隊の大半を失ってしまいます。
自らの高い能力ゆえに他者を見下す傾向にあり、反発する人間も多いようです。もう少し人心掌握に長けていれば、ティターンズの指揮系統も乱れることなく、コロニーレーザーで艦隊の大半を失うこともなかったかもしれません。
●クワトロ・バジーナ
シャア・アズナブルが非合法に連邦軍の軍籍を取得し、エゥーゴの創設にも関わっています。エゥーゴ内ではトップに立たず、MS隊の隊長としてカミーユ・ビダンやエマ・シーンとともに戦っていきます。
しかし、組織のトップに立たないことや、しがらみや責任から逃れるため気楽ないちMSパイロットの立場にいることに不満を持たれたりしています。中盤ではその煮え切らない態度に激昂したカミーユから「そんな大人修正してやる」と殴られたり、シロッコから「ニュータイプのなりそこない」と評されたりと、シャアのころとは打って変わって作中での評判は良くありません。
ファンの間でも、「シャアは好きだけどクワトロは微妙」「シャアとクワトロは絶対別人」と言われることもあるほど。最初からエゥーゴのトップとして采配を振るっていれば、旧ジオン兵も彼のもとに集まり、軍事面で盛り返せたかもしれません。
とはいえ、ハマーン、シロッコとの三つ巴の戦いでは性能で劣る百式で善戦するなど、力量の高さを見せつけています。残念なエピソードはあくまでシャアが「クワトロ・バジーナ」だった時期にまつわるもの。本来のシャア・アズナブルとしての活躍は、のちの『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』で十二分に描かれることになります。
(マグミクス編集部)
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