アニメ『シャーマンキング』40話 「中庸」が生み出す無効化能力を破った、道蓮の気づき
マグミクス / 2022年1月20日 18時30分
■今月号の「マルコス」には驚きの内容が!!
TVアニメ『シャーマンキング』第40話は、チーム・THE蓮とガンダーラに属するチーム・明王との戦いが描かれました……と、それに触れる前に、発売中の「月刊少年マガジンエッジ」2月号の「マルコス」に驚きの内容が描かれていたので紹介しておきます。
アニメでは前々回、前回にわたりラキストとマルコの関係が描かれました。その情報を総合すると、マルコは孤児でありラキスト神父によってホーム(孤児院)で育てられ、さまざまな教育を受けて有限会社スーパーマルコの社長にまでなりましたが、ハオによって会社、ホーム、そこで暮らしていた子どもたちまでも全て焼き払われてしまいます。
マルコはそこで復讐を決めるのですが、今月号の「マルコス」は、マルコがハオに襲われた裏で起きていたことがラキストの視点で描かれています。これはこれまで描かれていない初出の情報です!
世界観を構築し、長い時間をかけて温め、育て続けた作品はこういう展開ができるところに大きなアドバンテージがあり、最近生まれた、あるいは完全に終わってしまった作品には真似するのが難しいことです。アニメは2022年春に終了を迎えますが、その世界観の広がりを描いた続編などのマンガにも、ぜひ興味を持っていただきたいと思います!
さてアニメの話に戻しましょう。チーム・明王との戦いにおけるポイントは、「中庸(ちゅうよう)」と「巫力無効化(ふりょくキャンセル)」です。明王のヤイナゲによればガンダーラは全員「正義でも悪でもない中庸」であることによって、巫力無効化を使えるとのこと。では「中庸」とは何なのでしょうか?
これは儒教の教えで、偏らず、過不足なく調和が取れている状態とされています。極端に偏っていないということですね。但しこれは「真ん中」だったら良いということではありません。例えば、積極的な友人と消極的な友人の3人で集まったときは、消極的な人と多めに接することによって調和が取れますね。これが「中庸」です。片方に10回話しかけたらもう片方にも10回……のように数を合わせても「中庸」とは言えません。
シャーマンファイトはオーバーソウル同士の激突ですが、これは「思いの強さ」である巫力比べです。強い思いは良くも悪くも偏っているので、調和させれば消えてしまいます。これが「巫力無効化」の原理です。ただし、「どのようにしたら・どの程度で調和するか?」は相手によって違います。
■蓮とホロホロの勝利の理由は「巫力無効化」だけではなかった?
チーム・明王のヤイナゲの技は、オーバーソウルによる攻撃を無効化する。アニメ『シャーマンキング』第40話より (C)武井宏之・講談社/SHAMAN KING Project.・テレビ東京
道蓮は、自分の巫力が無効化される様子を「のれんに腕押し」「柳に風」のように、いくら押しても受け流されてしまう感覚に似ていると表現しました。そしてそれは麻倉葉の生き様と同じ種類のものだとも感じています。この体験によって、彼はいち早く「巫力無効化」の原理に気づけたわけです。ただ蓮にしろホロホロにしろ、なぜ勝つことが出来たのかについては、補足が必要だと思います。
ここは原作でもややわかりづらいところで、実は後に回収される伏線が張られている場面です。確かに巫力無効化は勝因のひとつですがそれだけではなく、ずいぶん後になってからそのことが判明します。
原作では今回が第227廻(KCコミックス26巻)近辺で、伏線の回収は第255廻(KCコミックス29巻)です。ちょっと「遠い」ですね。そのためかアニメでは伏線に相当するアバブ先生のセリフが一部カットされています。というわけで原作をもとに、蓮とホロホロの勝因を補足説明したいと思います。
それはズバリ、雷や冷気といった自然現象を駆使して戦ったからです! 巫力無効化にも弱点があります。それは、キャンセルできるのは巫力や霊力だけだということです。つまりオーバーソウルはキャンセルできても、オーバーソウルを使って生み出した自然現象はキャンセル不可能です。
明王との試合で、蓮は「ブシン・ユーツー」というオーバーソウルを使い「本物の雷」をヤイナゲに落としました。ホロホロの「カムイランケ オプケニ(神から授かった拳)」はその拳で「空気中の水分を凍らせ」ました。これはキャンセルできないのです。
なお実際の自然現象をシャーマンではなくオーバーソウルにぶつけることができるのか? という疑問がわいてくるかもしれませんが、オーバーソウルは「物質(媒介)に霊を閉じ込める」行為なので、自然現象を使って媒介にダメージを与えることは可能でしょう。ですからそれによってグンダリに雷が落ちたとか、フドウやアイゼンの姿が欠ける、凍ったように見えるということはあると思います。
この巫力無効化は、ここから先の展開でかなり重要な能力として描かれていきますが、それにしても第1話から一貫している葉の「ユルさ」は「中庸」であり、それが巫力無効化という技となって登場し、さんざん振り回された蓮が克服の気づきを得るという構成には驚きですね!
それでは今回はこの辺で。また次回よろしくお願いします!
●タシロハヤト
美少女ゲームブランド「age(アージュ)」の創立メンバーで、長らくシナリオ、演出、監督等を務める。代表作は「君が望む永遠」シリーズ、「マブラヴ」シリーズ。現在はフリーで活動中。『シャーマンキング』の作者、武井宏之氏と旧知の関係である縁から、同作の20周年企画に参加している。
(タシロハヤト)
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