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スポーツ漫画でつい共感してしまう「凡人」キャラ 伏兵的活躍や頑張れないダメさも魅力

マグミクス / 2022年1月20日 7時10分

スポーツ漫画でつい共感してしまう「凡人」キャラ 伏兵的活躍や頑張れないダメさも魅力

■「侮ってはいけなかった」男がチームを救うことも

 さまざまなスポーツや部活動を描いたスポーツマンガには、天才には敵わない「凡人」キャラが数多く出てきます。身体能力、センスは到底かなわない、そもそも継続した努力ができないキャラも……。実際の部活動などでもレギュラーになれなかったり、試合で勝てない人の方が多いので、彼らに共感する人も少なくないでしょう。

●『スラムダンク』…木暮公延

 スポーツマンガのメガネキャラでおそらく一番有名で、多くの人の涙を搾り取ったであろう『スラムダンク』の木暮公延(きみのぶ)。体力をつけるために中学からバスケを始めており、回想では走りっぱなしのきつい練習にバテバテになりながらも食らいついていく姿も描かれました。

 キャプテンの赤木をずっとそばで支えてきた心優しい青年ですが、一度は部活を離れてグレていた三井が現れた時は叱咤する場面も。そんな木暮君が一番輝いたのは、インターハイ出場をかけたvs陵南戦の最終局面でした。1点差に迫られた状況で三井が倒れ、赤木たちもファウルで退場ギリギリの場面で、花道のパスから木暮が値千金のスリーポイントを決めるのです。

「湘北は選手層が薄い」と判断し、流川にディフェンスを集中させていた陵南の田岡監督も「あいつも3年間がんばってきた男なんだ 侮ってはいけなかった」と後悔。ここぞの場面で努力が報われた、『スラムダンク』のなかでも屈指の名シーンです。

●『アイシールド21』…葉柱ルイ

 アメリカンフットボールを題材にしたマンガ『アイシールド21』は、「天才の凡人の差」と「それを覆すための努力・工夫」がいくつも描かれた作品でした。ヒル魔、雪光、十文字、桜庭、雲水……彼らのもがく姿が描かれるなか、一番最後まで泥臭くもがき切ったかっこいいキャラが、賊学カメレオンズの主将・葉柱ルイです。

 あからさまな不良ではありますが、アメフトへの情熱だけは本物。巨深ポセイドンに負けた後にはヒル魔につかみかかって泣きながら「テメェと俺と 何が違うってんだよォオ!!」と叫び、読者の涙を誘いました。

 選手としてだけでなく主将としても上手くいかなかった葉柱は、その後「世界大会編」のアメリカvs日本の試合終盤で再び姿を現します。ずっとチームに帯同していた、包帯で顔を隠した謎の男・法田井乙子の正体が彼だったのです。進清十郎の代わりに出場した葉柱は、最初はアメリカ選手に圧倒されるも執念で活躍を見せました。葉柱の奮闘を客席で見て、凡人であることに折り合いをつけたつもりでいた雲水が後悔の涙を流す場面も印象的です。

■練習もサボるお調子者だったが…

●『火ノ丸相撲』三ツ橋蛍

 体格に恵まれない主人公・火ノ丸を中心に、相撲にすべてをかける男たちの熱いドラマが描かれた『火ノ丸相撲』。そのなかでも、最弱の体にして最強の「心」で読者を震わせたのが、火ノ丸にあこがれて高校から相撲を始めた初心者・三ツ橋蛍です。身長162センチで体重は50キロ程度と、あまりにも相撲向きではない体格ながら、とにかく勝ってチームに貢献したいと、手段も択ばず涙ぐましい努力を続けました。

 練習以上に彼にとって過酷だったのは、相撲の世界では嫌われがちな「変化」を使って戦っていたことでしょう。全国大会準決勝の鳥取白楼高校戦では、いきなり敵の首藤に背を向け挑発し、「猫だまし」からの「八艘飛び」で意表をついて相手を土俵外に連れ出しますが、結局は物言いからの再試合で敗北。しかし、彼の不屈の精神を見て、仲間たちはさらなる奮起を見せるのです。ある意味どんな勝利よりも熱い「敗北」でした。

●『ROOKIES』濱中太陽

 ここまで紹介したキャラは才能には恵まれずとも努力を怠らない人物でしたが、なかには努力もできない者もいます。不良たちが甲子園を目指すスポコンマンガ『ROOKIES』で、途中から新1年として登場する濱中太陽は、安仁屋たちにあこがれて野球部に入部してきました。しかし、お調子者で頑張ることが嫌いな性格をなかなか変えられず、先輩たちには練習はしていると嘘をつき、タバコを吹かす毎日。

 さらに予選の笹崎高校戦では、安易な形で「男を見せよう」と観客席に向かって唾を吐くという愚行を犯し、温厚な御子柴から殴られるなど醜態をさらします。しかし、彼も根はいい奴で、笹崎戦終盤では簡単なフライすら取れないながらも必死にもがいて、観客から応援される場面もありました。決して劇的な成長を遂げるわけではありませんが、その後も少~しずつ変わっていく味わい深いキャラです。

●『あしたのジョー』マンモス西

 ボクシングマンガの金字塔『あしたのジョー』のマンモス西こと西寛一は、凡人キャラの元祖のひとりと言えるでしょう。人気作家・重松清さんのエッセイ集『明日があるさ』にも、「マンモス西を探して」という項があるくらい、多くの人が共感してきた名キャラクターです。

 矢吹ジョーとは序盤の少年鑑別所で出会い、最初は喧嘩をするもその後はジョーを支えるサポート役になっていきます。

 体格ががっちりしている西は、出所後ジョーと一緒に丹下団平のもとでボクシングを始めました。しかし、当時はヘビー級がなかったためにミドルに体重を絞るためキツイ減量を行い、最終的にジムを抜け出して屋台でうどんを2杯も食べようとしてしまいます。そこをジョーに見つかり、腹にパンチを食らって鼻からうどんを出して惨めに泣く場面はあまりにも有名です。

 その後はまじめに練習し、別人のように体を絞った姿も披露しましたが、拳を壊して引退、林食料品店で働き始めると成功し、看板娘と結婚しています。燃え尽きるまで戦った天才ジョーと対照的に、凡人ゆえに普通の幸せをつかんだ男としても重要なキャラでした。

(マグミクス編集部)

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