盛り上がるジャンプの「敵vs敵」の戦い 実力者同士、主人公と違う容赦のなさも魅力
マグミクス / 2022年1月24日 6時10分
![盛り上がるジャンプの「敵vs敵」の戦い 実力者同士、主人公と違う容赦のなさも魅力](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/magmix/magmix_76106_0-small.jpg)
■単行本の売り上げまで変えた名勝負
「週刊少年ジャンプ」では、さまざまなバトルマンガやスポーツマンガでそれぞれの戦いが描かれていますが、そのなかでも特別な盛り上がりを見せることがあるのが「強敵vs強敵」の戦いです。主人公たちにはできないような一般人も巻き込んだ極悪なバトルや、作中屈指の実力者同士の事実上の頂上決戦など、さまざまな魅力のあるベストバウトを振り返ります。
●『HUNTER×HUNTER』ヒソカvsクロロ
冨樫義博先生の人気マンガ『HUNTER×HUNTER』で、どちらもミステリアスで強い悪役として人気を博してきたヒソカ=モロウとクロロ=ルシルフル。戦闘狂の変態ヒソカは、幻影旅団団長のクロロと戦いたいがために旅団に入っていたほど彼に惚れこんでおり、単行本34巻にて、天空闘技場でついに夢の対決が実現します。
あまりにもいろんなことが起き、能力の応酬も複雑な戦いなので、詳しくは説明できませんが、クロロは相手の能力を盗む「盗賊の極意(スキルハンター)」で手に入れた多数の念能力を用い、最初から全力でヒソカを殺しに行きました。闘技場の審判も観客も関係なく利用、操り、コピーし、爆弾人形として襲い掛からせるという悪党同士ならではの残虐ファイトが繰り広げられます。
ヒソカも人形たちを容赦なく殺しながら、次々と現れる能力を分析して戦うなど、確かな実力を見せました。何度も読まないと混乱する複雑さもあってか、34巻は33巻より20万部近く初週売り上げを伸ばしています。
「暗黒大陸編」の物語が描かれているなか、突如説明もなく始まった戦いなので、バトル中に張られた伏線が今後どう活きるかも見どころです。
●『ドラゴンボール』ベジータvsフリーザ軍団
今はよきパパとしての一面も見せているベジータですが、悟空たちと仲間になる前は冷酷無比な戦士でした。そんな悪役時代のベジータのハイライトともいえるのが、ドラゴンボールを奪うためにやってきたナメック星でのフリーザの手下たちとのバトルでしょう。
地球での悟空とのバトルで死の淵を見たベジータは、かつては互角だった上級戦士キュイを圧倒、あっという間に彼を殺害します。キュイを木端微塵にした際の「きたねえ花火だ」は、ベジータの悪の魅力が際立った名ゼリフです。
ベジータはその後もドドリアから「惑星ベジータを破壊したのはフリーザ」と衝撃の事実を伝えられても、顔色一つ変えずに彼を殺害。その後のザーボン戦では、変身したザーボンに一度は負けるものの復活してさらにパワーアップし、最後は悪役らしく奇襲からの目つぶしで勝利しました。手段を選ばない戦闘の天才ぶりと、サイヤ人の無限にパワーアップする特性も見せた重要なバトルです。
■スポーツマンガのライバル強豪同士も熱い!
●『ジョジョの奇妙な冒険 第5部』ディアボロ(ドッピオ)vsリゾット・ネエロ
スタンド能力を駆使した数々の頭脳戦が描かれる『ジョジョの奇妙な冒険』において、ベストバウトと名高いのが5部のパッショーネのボス・ディアボロと暗殺チームのリーダー、リゾット・ネエロの戦いです。
5部前半でジョルノたちを散々苦しめてきた暗殺チームのトップと、ブチャラティ相手にシリーズでも屈指の無敵の能力「キング・クリムゾン」を見せた正体不明のボスの頂上決戦であり、互いに一歩も譲らない百戦錬磨の攻防を見せました。ディアボロが正体を隠すためにもう一つの人格ドッピオの姿をしていた(能力がフルに使えない)ことを差し置いても、ラスボスをここまで追い詰めた悪役は珍しいのではないでしょうか。
「磁力」で「鉄分」を操るリゾットのスタンド「メタリカ」の使い方や、ブチャラティたちがボスの正体を探るためにすぐそばまで迫っているという状況も巧みに利用した二転三転する展開で、初見時は「あれ?これ本当にどっちが勝つんだろう?」と本気でハラハラした名勝負でした。
●『スラムダンク』陵南vs海南
スポーツマンガの「敵vs敵」で代表的なのが、バスケマンガの金字塔『スラムダンク』の陵南高校と海南大付属高校の試合です。どちらも作中で湘北に勝っている強豪同士の注目試合でした。
陵南のエース・仙道のポイントガードとしての意外な適性や、復帰したばかりの問題児・福田の高い実力が発揮される前半、そして後半からは清田の意地のダンクからの海南の追い上げで大接戦となります。最後の牧と仙道のトッププレイヤー同士しかわからないハイレベルすぎる攻防や、魚住の「俺じゃない、うちの仙道がやる」、陵南チームメイトたちの「それでも仙道なら…仙道ならきっと何とかしてくれる…!!」の名ゼリフも有名な重要試合でした。
●『火ノ丸相撲』久世草介vs天王寺獅童
スポーツマンガの個人戦で取り上げたいのが、数々の名勝負が描かれた相撲マンガ『火ノ丸相撲』での、全国大会個人戦準決勝、久世草介vs天王寺獅童の「国宝対決」となった一番です。横綱のDNAを引く天才・久世と、高校相撲最強力士にしてデータの鬼でもある天王寺、まだ全力を見せていなかった最強同士の戦いとして大いに盛り上がりました。
この戦いは、両者ともに主人公・火ノ丸に勝った最強力士であり、主人公との再戦前にどちらが強いか決まってしまうという、ジャンプ作品のなかでも割と珍しい一戦でもあります。両者ともに試合中に覚醒して一進一退の攻防を見せ、勝者も敗者もどちらもさらに株を上げ、火ノ丸との再戦への期待値もアップさせた、同作を代表する大一番でした。
(マグミクス編集部)
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