ちょうど今期で10周年! 2012年1月開始アニメ3選
マグミクス / 2022年1月25日 18時40分
■――少女の歌には、血が流れている。
今からちょうど10年前の2012年1月には、数多くのTVアニメが放送され多くのファンを楽しませてくれました。2022年で10周年を迎えるアニメから、特に人気と評価が高かった3作品を紹介します。
●『戦姫絶唱シンフォギア』
『戦姫絶唱シンフォギア』は2012年1月から3月にかけて全13話が放送された、少女たちが命がけで歌い戦う物語です。ヒトを襲い、炭素の塊に変えて分解してしまう限りなく未知に近い既知の認定特異災害、「ノイズ」。人類の天敵たるノイズに対し、人類が絶対の切り札として保有する「シンフォギアシステム」は少女の歌を、ノイズを駆逐する有効な力として機能させていましたが、その力は時として少女自身の命をも奪い取るもろ刃の剣でもありました。
メカニカルな「シンフォギアシステム」を身にまとった少女たちが、歌いながら命がけの戦いに挑むハードなストーリーが展開される『戦姫絶唱シンフォギア』は、『涼宮ハルヒの憂鬱』や『けいおん!』などのヒット作を通じ「歌」が重要視されるようになったアニメの世界に、バトルと歌の融合という新機軸を持ち込んだ画期的な作品として強い印象を残しています。
過去に『超時空要塞マクロス』など歌を力に変える作品は存在していましたが、ヒロインたちが歌いながら戦うことにより力を増大させるパターンは初めてであり、その独特な世界観と魅力的なヒロインたちは多くのファンを生み出しました。
本作は続編も数多く制作されており、2019年までに全5シリーズが放送される人気シリーズとなっています。
●『キルミーベイベー』
『キルミーベイベー』画像はDVD Vol.1(ポニーキャニオン) (C)カヅホ・芳文社/キルミーベイベー製作委員会
『キルミーベイベー』はごく普通に学校に通う「殺し屋」の少女・ソーニャと、友人の折部やすな、そして時々現れる忍者の呉織あぎりが繰り広げる、コミカルで少しバイオレンスな日常を描いたギャグ作品です。近年の作品としては珍しくキャラクターの数が少なく、そのぶん各キャラクターのギャグ描写が濃くなっているのが特徴となっています。なお、原作(作:カズホ)は2022年1月現在も連載中のロングラン作品です。
本作のオープニングテーマ「キルミーのベイベー」はハイテンポでエキセントリックな歌詞と曲調が極めて特徴的に仕上がっており、中毒者が続出。シングルCD1万枚を売り上げるヒット曲となりましたが、アニメのBlu-ray1巻は初週売り上げが686枚と悲惨な数字に。しかし公式Twitterの地道なファン獲得の努力や、しり上がりに面白くなっていく作品の魅力もあってか徐々に人気が高まっていきました。
そして再放送で人気が爆発。新作アニメを同梱したベストアルバムが累計1万枚以上売れるなど、大きなムーブメントを起こしました。
アニメの製作本数が膨大な時代において、放送初期に人気を得られなかった作品が復権を果たすのはまれなことであり、それを成し遂げた『キルミーベイベー』は貴重な事例として参考にすべき作品と言えるでしょう。
■続編が期待される良質なアニメ
●『モーレツ宇宙海賊』
劇場版『モーレツ宇宙海賊 ABYSS OF HYPERSPACE -亜空の深淵-』 (C) 2013 笹本祐一/朝日新聞出版・劇場版モーレツ宇宙海賊製作委員会
作家・笹本祐一氏が世に送り出したSFライトノベル『ミニスカ宇宙海賊(みにすかぱいれーつ)』を原作としたアニメ作品が『モーレツ宇宙海賊(もーれつぱいれーつ)』です。全26話。
主人公・加藤茉莉香(かとう・まりか)は、人びとが当たり前のように星々の間を行きかう、どこかの宇宙の海明星(うみのあけほし)に住むごく普通の高校生。 王家の子女も通うお嬢様学校・白凰(はくおう)女学院で優秀な成績を修めつつ、ヨット部の活動に勤しむ茉莉香でしたが、なんとある日突然宇宙海賊船船長への就任要請が。
実は茉莉香の父親はキャプテン・カトウこと加藤ゴンザエモンという名の海賊だったのです。しかしゴンザエモンは食中毒で死んでしまい、残されたクルーは茉莉香を後継者として指名。青天の霹靂のごとき事態に戸惑う茉莉香でしたが、紆余曲折の末に海賊船「弁天丸」の船長に就任。個性豊かなクルーやヨット部の面々と共に、山あり谷あり事件ありの海賊生活へと乗り出すのでした。
放送当初はそれほど注目されなかった作品ですが、佐藤竜雄監督の丁寧なストーリー作りと「マクロス」シリーズで知られる河森正治氏らが描くメカニックデザインの素晴らしさ、上松範康氏らが手掛ける音楽などさまざまな部分が高く評価され、手堅く面白い作品として人気を得ました。
2014年には劇場版として『モーレツ宇宙海賊 ABYSS OF HYPERSPACE -亜空の深淵-』が上映されており、こちらも高く評価されています。続編が期待される作品です。
(早川清一朗)
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