マンガ『ポケスペ』が怖すぎ! ゲーム生みの親のコメントも衝撃的
マグミクス / 2022年1月28日 18時10分
![マンガ『ポケスペ』が怖すぎ! ゲーム生みの親のコメントも衝撃的](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/magmix/magmix_77168_0-small.jpg)
■本当に『ポケモン』のマンガ? ハードな展開が待ち受ける『ポケスペ』の魅力とは?
『ポケットモンスター』には複数の物語があります。オリジナルのゲーム版『ポケットモンスター』、そしてサトシが主人公のアニメ『ポケットモンスター』。マンガとなるともっと多く、ギエピーことコロコロコミック版『ポケットモンスター』(著:穴久保幸作)や、妙にセクシーな描写が目立つ『電撃!ピカチュウ』(著:おのとしひろ)、そして小学館の学年誌を中心に連載された『ポケットモンスターSPECIAL』(原作:日下秀憲、作画:真斗→山本サトシ※)です。
通称『ポケスペ』として知られる本作は1997年に連載開始。アニメやゲームとも違う独自のストーリー展開で人気を博し、気づけば既刊60巻(記事配信時点)。シリーズ累計1200万部以上にして世界20か国以上で翻訳されています。さらに「ダ・ヴィンチ電子ナビ」の「アニメ化してほしい小説・コミック」アンケートで3位にランクイン。アニメ版がすでにあるのにも関わらず、です。
確かに1997年に放送開始のアニメ版に親しんでいた子供たちからすれば、この『ポケスペ』はなかなか衝撃的な作品だったと言えるでしょう。一体、どこが衝撃的だったのか? レッドという少年が主人公の第一章「赤・緑・青編」からその理由を紐解いていきましょう。
※作画担当の真斗先生は体調不良を理由に途中降板。単行本10巻以降、作画は山本サトシ先生に交代。
●ロケット団が本当に怖い! 平気で子供を殺そうとする悪の組織
『ポケスペ』はロケット団がしっかり怖いマンガです。ゲーム版でも悪事を働きますがバトルに負ければきちんとお小遣いをくれるし、言動もどこか憎めないものばかり。アニメ版にいたってはムサシとコジロウです。その点において『ポケスペ』のロケット団は、危険な悪の組織としてしっかり描かれます。
ポケモンを「シノギ」とする彼らは命の扱い方もとことん残忍です。例えばイーブイは自由に進化できるように実験台にされてしまいます。また潜んでいるレッドを発見すればロケット団はちゅうちょなく、レッドの命を奪おうとします。「悪」のレベルが『ポケスペ』だけ異様に高いのです。
さらにジムリーダーが実はロケット団の幹部だったという独自設定も物語を大いに盛り上げ、ゲームやアニメではハイテンションな軍服おっちゃんだったクチバシティジムリーダーのマチスも、本作ではロケット団幹部としてサントアンヌ号で実験用のポケモンを輸送するという悪事に手を染めていました。ヤマブキシティのナツメ、セキチクシティのキョウもロケット団幹部という設定でした。
衝撃的だったのグレンタウンのジムリーダー、カツラ。彼もまた元々はロケット団の研究者でしたが、自分の手で生み出してしまった「最凶のバイオ兵器」であるミュウツーを自分の手で殺さねばならないと組織を裏切ります。さら読者に衝撃を与えたのが彼のグロテスクにただれた腕。カツラはミュウツーを作る際に自分の細胞を投与。ところがミュウツーの細胞が暴走して腕を侵食されてしまい、以降ミュウツーの気配を感じると、びくんと蠕動(ぜんどう)するのです。石ノ森章太郎先生が原作なのではと思わず疑ってしまいます。
●ポケモンの描写もえぐい! 「野生」のイメージが本物寄り
怖いのはロケット団の描写だけではありません。ポケモンの描写も実にリアルなのです。ゲームでもアニメでもポケモンは出血などの描写はありませんが『ポケスペ』はそこもしっかり描きます。有名なところでいえばコブラ型ポケモンのアーボックが体の中央から真っぷたつにされる場面です。断面も細かく描写されており「生物」であることが強調されています。その点でいえばウツドンに捕縛されたレッドが進化のための栄養とされかける場面もあり、パートナーにもなるが、危険な存在であることもうかがえます。
この『ポケスペ』を製作者陣はどう感じていたのでしょうか。ポケモンの生みの親である田尻智氏は本作の推薦文として次のような言葉を送っています。
「僕が伝えたかった世界に最も近いまんがです」
驚愕です。あの時、ゲームボーイの画面に描かれなかった余白を描いた作品こそ、この『ポケットモンスターSPECIAL』だったと言えるのかもしれません。現在も「サンデーうぇぶり」、「コロコロイチバン!」で連載中です。
(片野)
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