マンガの異常な「偏食キャラ」たち 「3食ラーメン」「マヨ山盛り」でも魅力的？

■『美味しんぼ』山岡は偏食男を救った……？

　特定のものばかり食べる「偏食」は、現実の生活では栄養の偏りが心配になりますが、2次元で描かれると人物の特徴を際立たせる場合があります。例えば、『DEATH NOTE』の世界一の名探偵・Lは常に甘いものを食べていましたが、推理で脳をフル回転させるためのエネルギー補給……という理由もありつつ、エキセントリックなキャラクターとして描かれました。今回は、マンガで描かれた強烈な「偏食キャラ」を紹介します。

●『ラーメン大好き小泉さん』の小泉さん

　ラーメン愛にあふれたマンガ『ラーメン大好き小泉さん』の主人公・小泉さんは、とてつもない美少女ですが、１日3食ラーメンを食べるという超偏食家です。それでも、肌荒れもなく髪もサラサラ……というビジュアルで、ラーメン屋ではかなり浮いています。

　高校生ながら、食べたくなったら日本各地のラーメンも食べに行く行動力もあり、たまに寿司屋やハンバーガーチェーンにいると思いきや、そこでも変わり種ラーメンを食べているなど、筋金入りのラーメンマニアです。

「『店ラーメン』と『家ラーメン』の魅力は全く別モノ」と、準主役の素人・大澤悠がひと工夫を加えた即席めんも夢中で食べるなど、気取らない可愛い一面も持ち合わせています。

●『美味しんぼ』真山浩一

「食」がテーマの大ヒットマンガ『美味しんぼ』初期の4巻第5話「食卓の広がり」で登場した真山浩一は、豚カツとハンバーグとカレーライスとスクランブルエッグしか食べられないという偏食男でした。山岡の元同僚の信子は浩一と結婚するも、彼の偏食ぶりに悩まされ、栗田と山岡はそんな夫妻を助けることになります。

　浩一は「大星不動産」の社長をしているエリートですが、彼が育った家庭は裕福ながらも冷え切っていました。父は愛人のところに行ってばかりで、母は宗教にのめり込み、食事は冷たい性格の家政婦が作る上記4つのメニューだけでした。それらのメニューしか食べられない浩一の心を解きほぐすため、山岡は「豚カツが食べられるなら」と、工夫を凝らした「カツ丼」を作りました。この小さな一歩は真山夫婦を救い、その後再登場した際には、浩一はクセの強いホヤまで食べています。

■駄菓子ばかり食べていてもスタイル抜群

●『銀魂』土方十四郎

『銀魂』に登場する真選組副長・土方十四郎は、そのクールイケメンな見た目に反して、とんでもない「マヨラー」でした。マヨラーなら現実でも割といる……と思うかもしれませんが、彼が特にお気に入りの、ご飯にマヨネーズを大量に盛り付けた「土方スペシャル」のビジュアルは強烈。「これ一杯食べただけで病院送りになるのでは」と思ってしまうハイカロリー飯です。

　その他、焼きそば、お茶漬けにもマヨネーズをかけていたり、時には夜中にバキバキの目で直接チューブからマヨを吸っていたりと、狂気を感じるマヨラーぶりを見せていました。マヨラーなせいで女性からドン引きされた過去も持つ土方が、「愛の戦士マヨラ13」に変身する第65訓「外見だけで人を判断しちゃダメ」は、特に強烈なエピソードです。

●『だがしかし』枝垂ほたる

『だがしかし』のヒロイン、枝垂ほたるは超大手お菓子メーカー「枝垂カンパニー」の社長令嬢であり、駄菓子のことになると完全にどうかしてしまいトリビアを語りまくる女の子です。駄菓子ばかり食べている毎日ながら、スタイルは抜群で、主人公・ココノツからは「二次元から出てきたような美人」とまで言われていました。

　彼女が語る駄菓子豆知識はどうでもいいようで意外と勉強になり、「駄菓子」と呼ばれる由来から「ヨーグルト」の奥深さ、「ラムネ」の歴史、その他いろんな駄菓子の工夫を凝らした食べ方なども紹介され、ついつい駄菓子が食べたくなってしまいます。

●『トリコ』馬王ヘラクレス

　自然界には特定のものしか食べない「偏食生物」が割といますが、美食バトルマンガ『トリコ』に出てきたグルメ界を統べる八王の一角、馬王ヘラクレスは、その偏食ぶりも頭抜けていました。体長3万メートル、体高2.2万メートル、体重2兆トンというこの規格外生物は、なんと空気を吸うだけで何万年も生きる「空気食」生活をしているのです。

　ヘラクレスは肺活量も圧倒的で、一度に3600億トン（大西洋の水量と同じくらい）もの空気を吸って、その後1か月は無呼吸で激しい運動も可能になるとのこと。攻撃でも鼻息だけで相手を瞬殺したり、軽く一呼吸するだけであたり一面を真空にしたりと、肺活量のみでほとんど無敵を誇る生物でした。「彼女」が「食王エア」の完璧な調理のおかげで、新鮮な空気を吸って出産する場面は感動的です。

（マグミクス編集部）