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声優・堀川りょうの転機となったベジータ 「壊れてもらいましょう」と言われた役とは

マグミクス / 2022年2月1日 6時10分

声優・堀川りょうの転機となったベジータ 「壊れてもらいましょう」と言われた役とは

■子役からスタートして美形キャラの演者として頂点に立つ

 2月1日は声優の堀川りょうさんのお誕生日。旧芸名の堀川亮(ほりかわ・りょう)は本名と同じ表記ですが、本名では亮(まこと)と呼ぶそうです。

 堀川さんは子役時代から京都の太秦などで活動して、『鞍馬天狗』(1967年)では杉作少年を演じて人気でした。当時は時代劇を中心に活躍、タケダアワーで放送された特撮時代劇『妖術武芸帳』(1969年)にも出演しています。

 そんな堀川さんは『夢戦士ウイングマン』(1984年)の主人公である広野健太で本格的な声優デビューを果たしました。最初の頃は、まだアフレコには慣れていなかったため、声を吹き込むタイミングをつかむのが難しかったそうです。そこでセリフをある程度暗記して、画面を中心にアフレコしていました。

 このように努力家である堀川さんは、声優としても早い段階から評価され、すぐにほかの作品の主要キャラたちも演じるようになります。この時期ですと、『Dr.スランプ アラレちゃん』(1981~1986年)のチャーミー山田、『キャプテン翼(第1作)』(1983~1986年)のカール・ハインツ・シュナイダー、『六三四の剣 青春編』(1986年)では主人公の夏木六三四など、印象に残るキャラを次々と演じていました。

 デビュー当時の堀川さんは、透き通るような高い声が特徴的で、少年の声を演じることが多かったと思います。その顕著な例が、『北斗の拳/北斗の拳2』(1984~1987年)でケンシロウ、トキ、サウザー、ヒョウの少年時代を演じていたことでしょう。こういったメインキャラの回想シーンに出る少年時代をひんぱんに演じているということは、それだけ安定した演技力がスタッフに認められている証拠です。

 この流れで堀川さんの最初の当たり役になったのが、『聖闘士星矢』(1986~1989年)のアンドロメダ瞬でした。当時の筆者の周囲では瞬の人気は圧倒的で、中性的なその声が多くの女性ファンに支持されていた印象があります。

 ブレイク後、美形キャラを多く演じるようになり、『レディレディ!!』(1988年)のアーサー・ドレイク・ブライトン、『銀河英雄伝説』(1988~2000年)のラインハルト・フォン・ローエングラム、『ドラゴンクエスト』(1989~1991年)のアドニス、『ファイブスター物語』(1989年)のレディオス・ソープなど、さまざまなタイプの美形キャラを演じていました。

 もちろん単なる美形キャラだけでなく、『ゲゲゲの鬼太郎(第3作)』(1985~1988年)の『地獄編』では鬼太郎のライバル的存在の地獄童子、『新ビックリマン』(1989~1990年)ではちょっと抜けたところもあるヤマトウォーリアを演じています。

 そしてこの直後、堀川さんは付き合いの長くなる自身の代表作となったキャラと、運命的な出会いをすることになりました。

■スタッフから「堀川さんには壊れてもらいましょう」声優としての転機

『ドラゴンボールZ』(1989~1996年)のベジータは、その後も演じる機会が多い堀川さんの代表作です。

 原作初登場時のベジータは少年らしい外見だったことから、少年役の得意な堀川さんが起用されたのかもしれません。実際、鳥山明先生はベジータを孫悟空より年下と設定していたそうです。それをアニメスタッフに伝え忘れたため、アニメオリジナル番外編の『ドラゴンボールZ たったひとりの最終決戦~フリーザに挑んだZ戦士 孫悟空の父~』(1990年)で年上という設定が生まれ、これ以降はアニメ準拠で年上になりました。

 ベジータ役を引き受けた堀川さんもすぐに死ぬ悪役だろうと思っていたそうですが、巨悪らしく尊大に演じようと思ったそうです。それゆえ、原作では「てめぇ」と言う所を「貴様」と変更するなど、役作りを丁寧にしていました。堀川さんはアフレコ前に脚本を入念にチェックし、変えたほうがいいと思う部分はリハーサルから変更するそうです。そのプロ意識がベジータをより魅力的なキャラに育てたのでしょう。

 結果的に人気が高くなったベジータは死ぬことなく味方側レギュラーに転身するのですから、その流れの一端を担った堀川さんの功績は高いものだと思います。そして、このベジータ役がきっかけで、それまでの美形キャラや少年キャラのイメージが強かった堀川さんが、さまざまな役どころを演じることになりました。

 ベジータに近い存在である『まじかる☆タルるートくん』(1990~1992年)の原子力、『剣勇伝説YAIBA』(1993年)の鬼丸猛、『幽☆遊☆白書』(1992~1995年)の鴉、『ナースエンジェルりりかSOS』(1995年)のブロスといった敵役が増えます。そして、それまでになかった『GS美神』(1993年)の横島忠夫が、堀川さんの一大転機となりました。

 スタッフから「堀川さんには壊れてもらいましょう」と言われた横島役は、それまでの堀川さんになかったアドリブ満載で演じています。これは、シリアスな役が多くフラストレーションの溜まっていた堀川さんとしては渡りに船でした。何しろアドリブで有名な千葉繁さんに匹敵するくらいだったそうですから、堀川さんの楽しそうな顔が目に浮かびます。おそらく近年、壊れたといわれるベジータもこんな感じで楽しく演じているのでしょう。

 このほかにも『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』(1991~1992年)のコウ・ウラキ、『疾風!アイアンリーガー』(1993年)のキアイリュウケンなどは、なつかしく思うファンも多いキャラでした。

 一方、最近のファンには堀川さんと言えば『名探偵コナン』(1996年~)の服部平次が印象的だと思います。堀川さん起用の理由は大阪出身で関西弁ができることでした。この他にも英語検定準一級を取得していることから、英語を話すシーンも巧みに演じています。その発音は英語を母国語にしている人も絶賛するほど。

 その巧みな技で現在も多岐にわたって活躍する堀川さん。本日はお誕生日おめでとうございます!

(加々美利治)

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