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『マクロス』死亡フラグに散った男・打ち勝った男 「名前」で生存が確定していた?

マグミクス / 2022年2月2日 17時10分

『マクロス』死亡フラグに散った男・打ち勝った男 「名前」で生存が確定していた?

■「マクロス」シリーズの伝統・死亡フラグ

 バルキリーが宙を舞い、歌が銀河を駆け巡る。2022年で40周年を迎えるアニメ「マクロス」シリーズにおいて、戦闘とキャラクターの戦死はつきものです。戦死は悲劇を演出しストーリーを盛り上げる手段として使われることが多いのですが、効果をより際立たせるために死亡を予告するような描写が事前に入ることが多く、これを「死亡フラグ」が立つと呼びます。

「マクロス」シリーズの特に有名な「死亡フラグ」と言えば初代『超時空要塞マクロス』の主人公・一条輝の上官であるロイ・フォッカー少佐と、部下の柿崎速雄に立てられたものです。

 SDF-1マクロス護衛航空部隊の中心的存在だったロイ・フォッカー少佐は輝の父親が率いていた飛行曲芸団で腕を磨き、後に統合軍に入隊、エースパイロットとして君臨していました。スカル小隊の隊長を務め、豪放らい落な性格で部下思い、輝たちが背中を追い続けたフォッカーに、突然スポットが当たったのが第18話「パイン・サラダ」でした。戦闘で負傷した輝を見舞ったフォッカーは、リン・ミンメイを輝に合わせようと、交際していたクローディア・ラサールにミンメイのスケジュールを調べてもらい、喫茶店で落ち合って言葉を交わします。クローディアとの別れ際、新たにレシピに加わった「パイン・サラダ」を食べると約束して別れたものの、ゼントラーディ軍女性空挺部隊との戦闘で負傷し、無理を押してクローディアの部屋に向かい息絶えます。この事例から「マクロス」シリーズにおいて「パイン・サラダ」は死亡フラグとして扱われるようになったのです。

 次に死亡フラグを樹立したのが一条輝の部下・柿崎速雄でした。フォッカーの死から間もない第19話「バースト・ポイント」で輝たちと食事に向かった柿崎は、サーロイン特大ステーキをミディアムで注文、分厚い肉の塊を前に舌なめずりをしますが、緊急発進の連絡を受け、一切れだけ食べて出撃します。

 しかしその後の戦闘でマクロスの全方位バリアーが過負荷に耐えかね、暴走して爆発。輝と同僚のマクシミリアン・ジーナスは離脱に成功するものの、柿崎だけが巻き込まれ戦死しました。なお、該当のシーンでは爆発直前に輝とマックスはいち早くバトロイド形態からファイター形態に変形していますが、柿崎のみ変形が遅れています。柿崎も腕は悪くないものの、エースパイロットと比較するとわずかに判断力に劣る点が戦死につながったことを示す演出が行われていたことに驚かされます。この出来事以降、「マクロス」シリーズにおいて、「ステーキの食べ残し」も死亡フラグのひとつとして認識されるようになりました。

■死亡フラグに打ち勝った男たち

『マクロス7』死亡フラグを回避したガムリン木崎 画像はリマスターボックスDVD Vol.1(バンダイビジュアル)

 初代『マクロス』では死亡フラグが立ったキャラクターは容赦なく死んでいくパターンが多かったのですが、以後のシリーズではフラグをくつがえして生存するキャラクターも出てきています。

『マクロス7』に登場したガムリン木崎は、「マクロス」シリーズにおいて死亡フラグをくつがえしたキャラクターのひとりです。マクロス7所属の精鋭部隊、ダイアモンドフォースの隊長であるガムリンは、ヒロインのミレーヌ・フレア・ジーナスとの見合いやその後の交流を通じ恋心を深めていました。しかしプロトデビルンの本拠地破壊命令を受け、生還の望みが極めて低い作戦に従事することになったガムリンは、ミレーヌの誕生日に婚約指輪を手渡しました。しかも「私が生きて戻ったら、これを左手の薬指にはめてください」と盛大な死亡フラグを打ち立てた上で出撃し、撃墜されて生死不明となってしまうのです。しかし「これは死んだ……」と思わせておきながら、ひょっこり帰還し、見事に死亡フラグを覆しました。そもそも「木崎」という苗字は「柿崎」から「市」すなわち「死」が取り除かれています。苗字を決めた時点で、生存は確定していたのかもしれません。

 そしてガムリンよりも強烈な死亡フラグを覆したのが、『マクロスF』に登場したオズマ・リーです。ヒロインのひとりであるランカ・リーの保護者であり、ロイ・フォッカーと同じ「スカル小隊」の隊長でもあるオズマは、第17話「グッバイ・シスター」で盛大に死亡フラグを立てまくります。ランカとの過去の回想に始まり、思わせぶりに映り込んだランカの初ライブチケットが風に吹かれて落ちる、彼女との逢瀬中に呼び出しを受ける、出撃直前に「お前もお前の夢も、俺が守る!」との決意表明と、ひたすらに死亡フラグが演出されて行きます。さらに無謀な接近戦、BGMが思わせぶり、敵の猛攻撃を受ける、出血しながら恋人と会話……などなど、これでどう生き延びるのかと手に汗握る展開が続きましたが、結局生き残りを果たしました。

 オズマが生存したことにより、さまざまな死亡フラグは無効化されたのかもしれません。しかしアニメの世界に戦いがある限り、新たな死亡フラグが現れるでしょう。現世代、そして未来の世代の創作者たちが生み出す死亡フラグはどのようなものなのか、少し楽しみな気もします。

(早川清一朗)

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