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「フリーザ役」の声優・中尾隆聖さんが「滝のような汗を流して演じる」キャラとは?

マグミクス / 2022年2月5日 6時10分

「フリーザ役」の声優・中尾隆聖さんが「滝のような汗を流して演じる」キャラとは?

■小学生前にデビュー、中学生の頃には主演も

 本日2月5日は、声優・俳優の中尾隆聖(なかお・りゅうせい)さんのお誕生日です。『それいけ!アンパンマン』(1988年~)のばいきんまん、『ドラゴンボールZ』(1989~1996年)のフリーザの声を担当していることは有名で、みなさんもご存じのことでしょう。今回は、それだけにとどまらない中尾さんの魅力について振り返ってみようと思います。

 3歳のころから児童劇団に所属していた中尾さんは、5歳の時にラジオドラマ『フクちゃん』(1957年)の主役のフクちゃんで芸能界デビューしました。この時の芸名はまだ本名の「竹尾智晴」だったそうです。

 その後、初めて吹き替えを経験したのが海外ドラマの『わが家はいっぱい』(1965年)。初めてのアニメ作品は、主演だった『宇宙パトロールホッパ』(1965年)のジュンでした。この時の芸名は「南谷智晴」だったそうです。この頃はまだ中学生でした。

 中尾さんは声優をメインとして活動していたわけではなかったので、俳優としても多くのドラマに出演しています。芸歴を見るとわかりますが、70年代までは俳優としての活動の方が多くありました。

 ファンからトリビアとしてよく言われるのが、『電子戦隊デンジマン』(1980年)第26話「デンジ姫の宇宙曲」で、ゲスト出演した時に演じた吹雪豪というキャラを演じたことです。このエピソードで中尾さんは歌手として「銀河ハニー」という曲を歌っていました。

 そう、中尾さんと言えば、シャープで甲高い独特の声の持ち主で、上記のように歌手の演技ができるほどの美声の持ち主です。しかも似たタイプの声を持つ声優がいない唯一無二の存在。一度聞けばその声は忘れられないタイプの役者ではないでしょうか。

 そんな中尾さんが演じたキャラのなかで筆者が最初に存在を刻まれたのが、『あしたのジョー2』(1980年)のカーロス・リベラです。普段はおちゃらけていながら、心のなかで獣が潜んでいる、そんなむずかしい役どころを片言の日本語で演じるという難易度の高い演技は、鮮烈に記憶に刻まれました。

 この頃からアニメ作品での活動が増えた中尾さん。『百獣王ゴライオン』(1981年)の銀貴と銀亮、『おはよう!スパンク』(1981年)の塚原誠也、『亜空大作戦スラングル』(1983年)のシュガーなどではカーロスのように二枚目役を演じています。

 他にも『伊賀野カバ丸』(1983年)の伊賀野カバ丸、『キャプテン』(1983年)の近藤茂一、『タッチ』(1985~1987年)の西村勇などといったクセの強い主要キャラを演じていました。

 アニメ以外での活躍ですと、やはり『おかあさんといっしょ』(1953年~)内の人形劇『にこにこぷん』(1982~1992年)のぽろり・カジリアッチIII世や、『ドレミファ・どーなっつ!』(1992~2000年)のれおなるど・とびっしーが思い出されます。何でも2シリーズにわたって人形劇のキャラクターを演じるのは珍しいことで、中尾さんは番組内の連続出演最長記録保持者だそうです。

■ばいきんまんとフリーザだけでない、中尾さんの印象的なキャラ

 こうした活躍のなか、中尾さんの声と名前をファン以外にも知らしめたのが、前述の「ばいきんまん」です。

 ばいきんまんといえばダミ声で有名ですが、この声で演じるきっかけは、前述したぽろりにありました。中尾さんとしては、「視聴者が重なる子供向け番組で、同じ声で一方が主役で一方が悪役だと、子どもが混乱してしまう」と考えたそうです。そこでばいきんまんは思いっきりダミ声で演じました。

 しかし、後に「こんな長寿番組になるとは思わなかった」と心境を吐露しています。それほどばいきんまんのダミ声は喉への負担が大きく、肉体へのダメージも半端ありません。共演者からも「出番の多いときの中尾さんは滝のような汗をかきながら演じている」という発言もありました。

 これに関して、中尾さんは「こんなことならもっと楽な声にすればよかった」と冗談交じりで言っているそうで、プロフェッショナルとしての意識の高さがわかるエピソードです。

 もう一方のフリーザも、中尾さんのはまり役として一躍有名になりました。フリーザは時代劇に出てくる公家のイメージだったそうで、あの落ち着きながらも時折見せる重圧感は確かにそう感じさせます。

 孫悟空と同じ顔のキャラはすべて野沢雅子さんが演じているのと同様に、実は中尾さんもフリーザの父親であるコルド大王以外のフリーザ系のキャラを演じていました。アニメではクウラ、フロスト、チルド、ゲームではクリーザなどを演じています。

 また、フリーザというとCMでの出演も多くありました。『ドラゴンボール』関係のCMはもちろん、コンピューター関係やお寿司屋さん、清涼飲料水など、中尾さんでなくフリーザとしての出演は、それだけキャラが認知されている証拠なのでしょう。

 このフリーザの演技が評価され、2016年に中尾さんは第25回日本映画批評家大賞・アニメ部門最優秀声優賞を受賞しています。

 ばいきんまんとフリーザを演じたことから悪役のイメージが強くなった中尾さん。確かに『スイートプリキュア♪』(2011年)のノイズ、『ONE PIECE』(1999年~)のシーザー・クラウンといった悪役を演じています。

 しかし、一方で『トッポ・ジージョ』(1988年)のトッポ・ジージョ、『楽しいムーミン一家』(1990~1991年)のスニフ、『ザ・ドラえもんズシリーズ』(1995~2002年)のエル・マタドーラ、『サンリオキャラクター』のハンギョドンといったマスコットキャラも多く演じていました。このことから考えても、中尾さんの演技力の幅の広さがわかるというものです。

 今年2022年10月からの放送が予定されている『BLEACH 千年血戦篇』では、ふたたび涅(くろつち)マユリを演じる予定ですから、あのイカれた演技をふたたび見せてくれることでしょう。とても楽しみで仕方ありません。

 中尾さんには、これからもさまざまな演技で我々を楽しませていただければと思います。それではあらためて、中尾隆聖さん、お誕生日おめでとうございます!

(加々美利治)

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