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『鬼滅の刃』で一番可哀想な鬼は誰か 人間時代の不幸も「パワハラ会議」よりマシ?

マグミクス / 2022年2月15日 6時10分

『鬼滅の刃』で一番可哀想な鬼は誰か 人間時代の不幸も「パワハラ会議」よりマシ?

■炭治郎たちに斬られた鬼は「マシな方」?

 アニメ「遊郭編」が最終回を迎えた人気マンガ『鬼滅の刃』に登場する鬼たちは基本的には悪役なのですが、時に人間時代の不幸な過去が明らかになり、見る者の胸を打ちます。そして、人間時代だけならまだしも、鬼になって以後もとんでもない目に遭った者もいました。今回はアニメ化されている範囲で、『鬼滅の刃』の「かわいそうな鬼」たちを振り返ります。

●上弦の陸・堕姫と妓夫太郎

 アニメ『鬼滅の刃 遊郭編』の敵である「上弦の陸」堕姫と妓夫太郎の兄妹は、とても不幸な過去を背負っていました。子供が生まれること自体が歓迎されない遊郭の世界で育ち、周りに牙をむきながらなんとか助け合って生きてきたふたりですが、結局は虫けらのように踏みにじられてしまいます。

 焼け焦げた妹を見た妓夫太郎の「オレから取り立てるな 何も与えなかったくせに取り立てやがるのか 許さねえ」とこの世を呪うセリフには、胸がかきむしられます。鬼になって人から「取り立てる」側として悪事を積み重ねた兄妹は、最後に一緒に地獄へ向かっていきました。今後、彼らの魂が、少しでも救われる方向に向かうといいのですが……。

●下弦の伍・累とその家族

「那田蜘蛛山編」で炭治郎たちと戦った「下弦の伍」累とその家族もまた、歪んだ関係の不幸な鬼たちでした。暴力で家族を支配する背景に、鬼になってから両親を殺してしまった過去を持っていた累の最期は、涙なしでは見れません。

 また、割とノリノリだった兄蜘蛛はともかく、せっかく鬼になって永遠の命を手に入れたはずなのに、「死ねば解放される」と戦闘放棄するほど累に追い詰められていた母蜘蛛や、ほとんど自我を失っていた父蜘蛛、累に怯え、しのぶの毒を食らって苦しんで死んだ姉蜘蛛たちも気の毒な存在です。

●人間時代の記憶を取り戻せた鬼はまだ幸せ?

 その他、炭治郎ら鬼殺隊に斬られた鬼たちのなかでも、人間時代の記憶が甦った者とそうでない者がいました。手鬼は兄のことを思い出しましたし、響凱は執筆の夢を折られたうえに鬼になってからも一度「十二鬼月」になってから降格させられるなど、屈辱にまみれた人生でしたが、最後に炭治郎に血鬼術を認められて救われています。

 一方、単に頸(くび)を斬られて消滅した沼鬼や矢琶羽、珠代の血鬼術で無惨の名前を口にして自滅した朱紗丸、後悔と屈辱にまみれながら惨めにじわじわ死んでいった魘夢などは人間時代のことも思い出せず、より不憫な存在といえるかもしれません。

●「パワハラ会議」で惨めに死んだ鬼たち

 結局のところ鬼殺隊に殺された鬼たちはまだ幸せだったのでは……と思える側面もあります。累が死んだ後に行われた無惨による「パワハラ会議」の場面が、あまりにも強烈だったからです。集められた下弦の鬼たちは何か発言するたびに無惨にキレられ、思考も読まれてじわじわ詰められ、もはや何をしてもアウトな状態。なすすべなく食われたり潰されたりして殺された、魘夢以外の4人が味わった恐怖と屈辱は計り知れません。

 ここまで振り返ると、結局、一番かわいそうなのは「パワハラ会議で死んだ鬼たち」ではないかと思います。今後アニメ化される『鬼滅の刃』の物語では、上弦の鬼たちの哀しい、もしくは惨めな過去も明かされることになるでしょう。

※本文を一部修正しました(2月15日15時08分)

(マグミクス編集部)

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