才能ある友達の成功に、主人公が衝撃発言 ラストに「人間らしい」「リアル」

■何となく日々を過ごす、主人公の気持ちに共感「分かる」「ささった」

　少し引っ込み思案な中学生・香は、絵を描くのが上手な同級生・成戸さんとマンガを通して仲良くなり、同じ高校に進学。彼氏もできて時は流れ、大学受験とともに将来のことを考える時期になりましたが、彼氏も成戸さんも将来をしっかり決めているのに対し、香は何もやりたいことがなく……。

　山本白湯さん（@yamatama2018）による創作マンガ『春に成る者』がTwitterで公開されました。周囲に影響されながら何となく日々を過ごす女の子の、中学生から大学生までを追った物語。

　思いがけない結末に、読者から「とても人間らしい主人公」「親近感を感じた」「流されて生きてる私の心にささった」「現代の若者そのまま」「別にキラキラしてなくても悪くない」「友達に嫉妬しちゃうのとても分かる」「リアリティがあって面白かった」などの声があがりました。

　作者の山本白湯さんに、お話を聞きました。

ーー山本白湯さんがマンガを描き始めたきっかけを教えて下さい。

　マンガをいつ描き始めたか、はっきりと覚えていません……。絵は小学校に入る前から描いていたことは覚えています。家にたくさんマンガ本があったことも、きっかけのひとつだったのかもしれません。実家の本棚に『ナニワ金融道』が絶対あったことは覚えています！（笑）

ーー『春に成る者』のお話はどのようにして生まれましたか？

　こういう気持ちは誰でも抱いたことがあるのではないか……と思い、描き始めました。学生時代、自分の持っていない才能を持っている人のことを意識してしまうということは大小問わずあるような気がして、香というキャラクターを登場させました。

ーー作品に対する反応で、特に印象に残った読者の声について、教えて下さい。

　登場人物の名前とストーリー全体を将棋の駒にしていることに気付いてくださった感想です。誰か気付いてくれるかな……？（分かりにくいかも）と不安に思いながら投稿したので、引用リツイートでコメントしてくださってうれしかったです。

単行本『恋愛マトリョシカガール 狂わせる女と同棲終了女』が2022年2月24日に発売予定（文藝春秋）

ーー「cakes」にて連載中の『恋愛マトリョシカガール』について、単行本第2弾となる『恋愛マトリョシカガール 狂わせる女と同棲終了女』が2022年2月24日に発売予定です。お話のあらすじや見どころなどについてご紹介いただけますか？

「皆村編」は自分の思うように人生を生きている女性を描きました。本編中で皆村の考え・胸中が描かれることはないので、ぜひ周りにいる人たちと一緒に狂わされてほしいです。

「春奈編」は恋人頼りの人生を変えていく物語を描きました。春奈は「結婚＝幸せ」「幸せは誰かが運んできてくれる」と思っているところからスタートします。第1話の始まりからとんでもない落とし穴に突き落とされますが、頑張って人生を好転させられるのか、見守ってあげてほしいです。

　連載を読んで下さった方はいろいろ気になっているところがあると思いますが、描き下ろしなどで可能な限り後日談を詰め込んだので、よかったらぜひお手に取ってみてください。

ーー今後、Twitterで発表される作品については、どのように活動していきたいとお考えでしょうか？

『春に成る者』もそうですが、自分の思いついたものをすぐに発表できればいいなと考えています。いつもTwitterを見ていない方でも、そのうちKindleで読めるようにまとめていきますので、お暇な時にでものぞいてもらえたらうれしいです。

（マグミクス編集部）