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三島由紀夫、村上春樹…世界的文豪が愛するマンガたち まさかのニャロメ好き?

マグミクス / 2022年2月7日 19時10分

三島由紀夫、村上春樹…世界的文豪が愛するマンガたち まさかのニャロメ好き?

■赤塚作品と三島文学の共通点とは

 あの文豪たちは果たしてマンガを読んだことあるのだろうか。

 こんな無邪気な疑問がふと頭によぎったことはないでしょうか。なかったら、話だけでも聞いてください。何せ文豪です。文の豪です。文学界の頂点に君臨し続けた有名小説家が、果たして「マンガ」に対しどのような距離をとっていたのかは、非常に気になるところです。この記事では、ともすればマンガを読むイメージがない、世界的人気の日本人作家の意外なマンガ愛を簡潔ながらご紹介します。

●三島由紀夫だってマンガを読んでいた

『金閣寺』『潮騒』『仮面の告白』などの作品で知られる三島由紀夫氏。世界的な評価も高く、ノーベル文学賞候補にもなった、まさに昭和を代表する日本の文豪です。最近ではドキュメンタリー映画『三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実』が公開され、「知」を「知」で洗う、スリリングな討論の模様が話題となりました。割腹自殺というセンセーショナルな最期から半世紀以上が経過した現在においてもなお、新たな三島ファンを増やし続けています。

 そんな彼が果たしてマンガなどを読んだのでしょうか……これが、読んでいたのです。それも、結構な数を。三島氏は、マンガファンでした。

 まず彼が愛したのが『あしたのジョー』(原作:高森朝雄・作画:ちばてつや)です。なんと、発売日に毎週「週刊少年マガジン」を買っていたとのこと。さらにお店で入手できなかった時は、わざわざ編集部まで訪ねて最新号を読んでいたのです。

 そしてもう1作品、三島氏を虜(とりこ)にしたマンガが1967年から「週刊少年サンデー」で連載されていた『もーれつア太郎』(著:赤塚不二夫とフジオ・プロ)です。彼は本作を「私が求めてゐた破壊主義と共通する点がある。」と大絶賛。とりわけ猫のニャロメのファンであったことを、サンデー毎日で連載していた「劇画における若者論」で記していました。

 三島氏が割腹自殺を遂げるのは1970年の11月25日なので、その直前くらいまで『もーれつア太郎』を愛読していたという事実は文学史的にも重要な事実と言えそうです。また、前述の『あしたのジョー』は73年まで連載されていたので、最後まで読めなかったのは彼にとって心残りだったかもしれません。

■『ONE PIECE』は未来のノーベル賞作家を生み出すか?

村上春樹がファンだと語った山岸凉子先生の人気作品『日出処の天子』完全版1巻(KADOKAWA/メディアファクトリー)

●村上春樹もマンガを読むのか? ファンが本人に訊いてみたところ……

 昭和から平成、そして令和になってなお「ハルキスト」を増やし続ける戦後の最重要作家のひとり、村上春樹氏。デビュー作から最新作に至るまで、主題の変化こそありますが、一貫しているのは洒脱な文体です。乱暴な言い方となりますが、どこから読んでも「オシャレ」であるのが、村上春樹氏の恐ろしいところです。果たしてそんな村上氏の人生に、マンガは影響を与えているのでしょうか?

 新潮社より2015年に刊行された、読者からの質問に対する回答をまとめた書籍『村上さんのところ』を開いてみましょう。そのなかの、「好きなマンガ家はいるか」という質問に対し、村上春樹氏は次のように答えて言います。

 「山岸凉子さんの『日出処の天子』と村上もとかさんの『赤いペガサス』ですね」

 ゲキ渋です。『日出処の天子』は1980年から「LaLa」にて連載が開始された少女漫画界の大巨匠、山岸凉子さんの代表作。厩戸王子と蘇我毛人との、妖しい愛の模様を描いたマンガです。

 また、村上もとか先生といえば『龍-RON-』や『JIN-仁-』などの代表作がありますが、1977年に「週刊少年サンデー」で連載開始の『赤いペガサス』は、当時まだマイナーであったF1グランプリを題材にした作品なのです。この2作を推しマンガとしてあげているのですから、村上氏も相当なマンガファンであると思わざるを得ません。なお村上氏の作家デビューは1979年であり、発表時期が2作それぞれと近いことも着目すべき点でしょう。

●今、世界が最も注目している現代の文豪は『ONE PIECE』大好き

 最後に世界的な注目が集まっている日本人作家、中村文則氏をご紹介します。『銃』『土の中の子供』などの作品で注目され、2010年発表の『掏摸』は英訳され2012年にウォール・ストリート・ジャーナル紙で年間ベスト10に数え上げられました。そんな未来のノーベル文学賞作家の呼び声も高い中村文則は、『ONE PIECE』(著:尾田栄一郎)の大ファンでもあります。

『ONE PIECE』展に行ったり、特集マガジンに寄稿したりと、随所でその愛を筆に乗せて爆発させています。果たして若き文豪に『ONE PIECE』がどんな影響を与えているのか、これもまた令和文学史において極めて重要な視点です。

 小説家に影響を与えるのは、決して小説だけではありません。マンガ大国日本において、マンガの影響受けている小説家は、想像以上に多くいるのではないでしょうか。

(片野)

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