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アニメ『遊郭編』で煉獄さんの存在を感じられる4シーン 「心を燃やせ!」は永遠に

マグミクス / 2022年2月12日 13時10分

アニメ『遊郭編』で煉獄さんの存在を感じられる4シーン 「心を燃やせ!」は永遠に

■炎柱・煉獄杏寿郎はなぜ炭治郎たちの心に残ったのか?

『鬼滅の刃』の「無限列車編」では、炎柱・煉獄杏寿郎と上弦の参・猗窩座の戦いに手を出すこともできなかった炭治郎、伊之助、善逸ですが、「遊郭編」では3人が共闘して上弦の鬼を追い詰めます。彼らの心技体の成長を促したのは、煉獄さんの生き様と「俺は俺の責務を全うする!!」という信念でした。

 そして、煉獄さんによって炭治郎たちの心に植えられたタネは、「遊郭編」で音柱・宇髄天元に導かれ、ぐんぐん成長するのです。主題歌「残響散歌(Aimer)」が流れるOPのファーストカットが炎の形をした煉獄さんの刀の鍔(つば)であり、それを炭治郎が胸元でつかむところからも、「遊郭編」が煉獄さんの教えを受けた炭治郎たちの物語であることを感じられます。

 また、煉獄さんの残した名ゼリフ「心を燃やせ!」が炭治郎を励ますなど、煉獄さんの魂は、常に彼らとともにありました。この記事では、「遊郭編」の「煉獄さんを感じられるシーン」をご紹介します。

●【第1話】涙腺崩壊のスイッチ多数

 アニメ「遊郭編」の第1話は、「無限列車編」のラスト、煉獄杏寿郎と上弦の参・猗窩座の戦いからスタートします。繰り返される炭治郎の「煉獄さん」という声に、結末を知っているにもかかわらず、何度でも泣けます。そして、煉獄さんは、「心を燃やせ」という言葉を残し、その場にいた全員を守りきって旅立っていったのでした。

 このように第1話では、冒頭からほぼ全編にわたって煉獄さんを感じることができます。鬼の始祖である鬼舞辻無惨のパワハラとモラハラにさらされる猗窩座はかわいそうではありますが、彼の存在もこの時は、煉獄さんを思い出させるものでしかありません。

 そして、炭治郎が煉獄家を訪ねるシーンになると、煉獄家独特の髪色をした父・槇寿郎(しんじゅろう)と弟・千寿郎(せんじゅろう)の姿に煉獄さんを思い、やはり涙がこみ上げます。そして、弟の千寿郎と話している時、炭治郎は力強く宣言するのです。「俺は杏寿郎さんのような強い柱に必ずなります」と。炭治郎の心のなかに煉獄さんの存在を感じる瞬間です。

 さらに、千寿郎の「炎柱の継承は絶たれ、長い歴史に傷がつきますが、兄はきっと許してくれる」という言葉に合わせて出てくる煉獄さんの優しい笑顔、父の慟哭……どのシーンも涙腺崩壊でした。

■父からも認められた煉獄さん

●【5話】優しく、力強く、見守る笑顔

 第5話では、上弦の陸・堕姫(だき)との戦いのシーンで、炭治郎の心のなかの煉獄さんに出会えます。

「ヒノカミ神楽」は体力の消耗が激しく、修行中も連続では技を出せなかった炭治郎ですが、強敵・堕姫を前に、「ヒノカミ神楽」で戦うことを決意。「俺はやれるはずだ。いや、やる! そのために修行してきた。負けるな! 燃やせ! 燃やせ! 燃やせ! 心を燃やせ!」と、自分を鼓舞している時、彼の脳裏に煉獄さんの姿も浮かびます。煉獄さんの表情は、炭治郎たちを「信じる」と言っているかのような、優しく力強く見守るような笑顔で、炭治郎は力づけられるのでした。

 この第5話では、もう一度、煉獄さんの姿を見ることができます。ヒノカミ神楽を連発するものの、その後、呼吸が続かなくなり、炭治郎はピンチに陥ってしまうのです。しかし、炭治郎の気持ちはけっして弱ってはいませんでした。「ヒノカミ神楽なら通用するんだ。いや通用するだけじゃだめだ。勝つんだ。自分の持てる力すべてを使って。必ず勝つ!」と。

 そして、鬼に理不尽に命を奪われた人たちを思い出します。自分の家族、錆兎(さびと)たち、沼鬼に殺された少女たち、そして煉獄さんも……。煉獄さんは炭治郎を支え、力づける存在ではありますが、それと同時に炭治郎が抱えるどうしようもない悲しみや後悔も思い出させるのでしょう。

●【第6話】父と息子

 第6話では、父・槇寿郎の手紙による回想シーンで、煉獄さんが登場します。母を亡くした少年時代の姿も見られ、母との「弱き人を助けることは強く生まれた者の責務です」という約束の名シーンも思い出されて胸が締めつけられます。

 そして、かたくなに煉獄さんを認めようとしなかった父は、ここで初めて、煉獄さんが「すばらしい息子」だったと素直に認めるのです。縁側で指南書を読む煉獄さんは、凛々しくすがすがしい好青年で、母を早くに亡くし、父は酒におぼれてしまったという悲しい背景をまったく感じさせません。

 酒も毒気も抜けた父が、やっと息子・杏寿郎と向き合えたことに嬉しさと同時に、悲しさも感じさせる回です。

■宇髄に対して煉獄さんがかけた言葉は

煉獄さんの思いを引き継ぐ炭治郎が描かれたTVアニメ『鬼滅の刃』無限列車編Blu-ray&DVD第2巻(C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

●【第8話】みんなの心の煉獄さん!次回予告にも注目!

 上弦の陸が実は、妓夫太郎(ぎゅうたろう)と堕姫の2体であることが分かり、戦いが激化するのが「遊郭編」第8話です。ここでは、思いがけないボリュームで、音柱・宇髄天元の心のなかの煉獄さんを見ることができます。

 兄である妓夫太郎は、イケメンなうえ、腕もたつ天元への妬みを隠しません。「お前は生まれた時から特別なやつだったんだろうなぁ」「選ばれた才能だなぁ。妬ましいなぁ。一刻も早く死んでもらいてぇなぁ」と言う妓夫太郎に、天元は「俺程度でそう見えるなら、テメエの人生幸せだな」と返すのです。

 そして、「俺の手の平から今までどれだけの命が零れたと思ってんだ」と声を荒げ、心のなかでは「そう。俺は煉獄のようにはできねぇ」と煉獄さんに思いを馳せます。この時の煉獄さんは、原作マンガでは小さな1コマで表情も描かれていませんが、アニメでは天元と背中合わせに立ち白い光に包まれています。ふたりがまるで光と影のようにも見えるシーンです。

 そして炭治郎は上弦の陸の妓夫太郎を前に、それまでにない緊張と恐れを抱きますが、それでも必死で自分を奮い立たせます。そして、そんな炭治郎と合流した伊之助と善逸のことを天元は「自分の継子(つぐこ)だ」と言い、炭治郎は「上弦の陸を倒す方法を見破った」と啖呵を切る天元に煉獄さんの面影を重ねるのでした。

 この回では、伊之助も煉獄さんを思い出すシーンがあります。炭治郎、伊之助、善逸の3人で堕姫を追い詰めるシーンで、伊之助は煉獄さんが亡くなった時を回想し、「鬼を倒さなければ、何のために修行してきたんだ!?」と、自分にはっぱをかけるのです。炭治郎ばかりでなく伊之助もまた、自分の無力さに打ちのめされ、厳しい修行に耐えたことがよく分かります。

 忍として目立たないようにしていた反動で派手になった天元と、家庭に問題があるとはいえ鬼狩りとしてはエリートコースを歩み、生まれつきの派手な髪を持ち、性格も前向き過ぎるほど前向きな性格の煉獄さん。正反対に見えるふたりですが、天元は煉獄さんの訃報に際して、「上弦の鬼には煉獄でさえ負けるのか」とその強さを認める発言をしています。

 一方、『鬼滅の刃 公式ファンブック 鬼殺隊見聞録・弐』によると、煉獄さんは天元への印象を「剣技の軌道が美しい! 忍を初めて見た! 感動! 妻がちょっと多すぎる!」と語っています。この「妻がちょっと多すぎる」という言葉を第8話の最後に次回予告で聞けて、驚いた人は多かったのではないでしょうか? 

 今代の柱としては、最初の殉職者となった煉獄杏寿郎。しかし、彼の真っ直ぐでくじけない生き様や折れない心は、炭治郎ら後進はもちろん、同僚である柱たちにも影響を与えました。あなたの心に残る杏寿郎の名言やシーンは、何ですか?

※煉獄の「煉」は「火+東」が正しい表記

(山田晃子)

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