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発売前に削除したはずが! ゲームの「没キャラ」とアナログ時代の珍事件

マグミクス / 2022年2月11日 6時10分

発売前に削除したはずが! ゲームの「没キャラ」とアナログ時代の珍事件

■本来いるはずのない没キャラクターを通じて、開発の裏側を見る

 今ではインターネットに接続することを前提にしたゲームタイトルは当たり前のモノとなりました。リリース後も、バグや不具合、仕様変更が適宜行われています。

 まだインターネットが普及していなかった時代、ロムカセットやディスクには本来、消去されるはずであったデータが初期販売用ソフトに残っていることがありました。発見された「没データ」の情報は、SNSがない時代でも、ゲームユーザーの間で都市伝説のように伝播していたのです。

 ゲーム本編に登場しない予定だったにもかかわらず、令和のいまなお、ゲーマーが語り継ぐ有名「没キャラクター」たちを紹介していきます。

 まず、芸能人随一のゲーマーでお笑いタレントの伊集院光さんがTBSラジオ『伊集院光 深夜の馬鹿力』内で、偶然の目撃情報を紹介した「パルテノスX」です。これは、スーパーファミコン用ソフト『不思議のダンジョン2 風来のシレン』に登場予定だったモンスターです。

 開発段階で没になったものの、データだけがロムのなかに取り残されており、プレイ中の偶然が重なることでまれに登場してしまうバグは当時のプレイヤーの探究心を強くあおりました。ラジオ内では、開発を務めた中村光一さんのコメントも紹介され、このキャラクターは「 パルテノスX(エックス)」ではなく、「×(バツ)」で「没」を表していたと説明されました。

 また、今でもネタとなっている没キャラクターでは、KOEIの発売したPC用ゲーム『三国志11』に登場した架空の将軍「糞藝爪覧(フンゲイソウラン)」も有名です。通常プレイでは登場しませんが、ゲームを構成するファイルをWebブラウザで読みこむという「力技」を駆使することでデータを確認することができます。

 読み方によってはゲームをネガティブにとらえられかねない名前であるうえ、「糞藝爪覧」の解説欄に記載された文章は「あーつまらん」のひと言。この没キャラクターが、当時の開発陣の心情を表したモノなのか、遊び心なのか……。修正版でデータごと削除されてしまった今では、真相が分かりません。

■没キャラクターと呼んでいいのか?  幻の151番目

幻のボツキャラクターとは思えない「ミュウ」  (C)2022 Pokemon. (C)1995-2022 Nintendo/Creatures Inc./GAME FREAK inc.

 容量の限界から泣く泣く登場の機会を失ったキャラクターもいれば、没のはずが……話題が話題を呼び、今や誰もが知るまでに認知度をあげたキャラクターもいます。

 初代ゲームボーイ用ソフト『ポケットモンスター 赤・緑』に登場する「ミュウ」は、本編をプレイしても手に入れることができません。没案として処理されてしまう可能性もありました。

 デバッグ作業を終えたのち、あいた隙間の容量に「今後、何かに使えるかもしれない」と、発売元の任天堂に黙って、こっそり隠しデータとして「ミュウ」をプログラムしたのはゲームフリークの森本茂樹さん。発売前に、このサプライズを知っていたのは「ポケットモンスター」シリーズの生みの親、田尻智さんだけだったそうです。

 本来のルートでお目にかかれない没キャラクターたちは、怪しく特別感を持ちます。その誘惑に魅了されてしまう人も少なくありませんでした。

「ミュウ」欲しさに数多の裏技・バグ技が開発されてはデータの破損が相次ぐ……オンラインのない時代のゲームには、アナログならではの「珍事」も多く巻き起こっていたのです。

(ふみくん)

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