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『ミステリと言う勿れ』が話題! 少女マンガ発のミステリーマンガ4選

マグミクス / 2022年2月14日 19時10分

『ミステリと言う勿れ』が話題! 少女マンガ発のミステリーマンガ4選

■繊細な心理描写&作り込まれた人間関係が見どころ

 菅田将暉さん主演で話題沸騰中の冬ドラマ『ミステリと言う勿れ』。原作は少女マンガ誌「月刊flowers」で連載中の田村由美先生の同名マンガです。「サスペンス」や「ミステリー」と聞くと、あまり少女マンガ誌で扱う印象がないかもしれませんが、実は少女マンガ・女性マンガ誌からも数多くの名作ミステリーが生まれているのです。

 今回は女性マンガのエキスパートであり、総合電子書籍ストア「ブックライブ」でマーケティングを担当する「書店員えい子」が、少女マンガ誌発のミステリー&サスペンスマンガの魅力と、おすすめのマンガ作品について紹介します。

* * *

 少女マンガ誌発のミステリー&サスペンスマンガは、少女マンガが得意とする繊細な心理描写や作り込まれた人間関係に見ごたえがある作品が多いです。男女間の恋愛や、家族愛といった、特定の誰かを思う感情が事件に大きくからんでくることも。『誰かを守りたい』という気持ちが事件を起こす引き金になったり、逆に事件解決を導いたり……といった展開もよく見られますね。

 また、少年マンガと比べるとスプラッタや派手なアクションシーンは控えめなので、そういうシーンが苦手な方でも読みやすいと思います。

 とはいえ、少女マンガはもともと「行間」を読ませ、読者に解釈をゆだねる表現が得意なジャンル。分かりやすいスプラッタシーンが少ない分、巧みな心理描写や、余白を持たせた表現で、かえって読者の心にショックを与えてくることがあるので、少女マンガだからといってあなどらずに読むことをおすすめします。

●2060年代が舞台の近未来SFサスペンス

『秘密 −トップ・シークレット−』は、アニメ化もされた人気作。『月の子 MOON CHILD』や『輝夜姫』で知られる清水玲子先生による、2060年代を舞台にした近未来SFマンガです。

 死者の脳から映像を見ることができる技術を使って、犯罪捜査を行う「科学警察研究所 法医第九研究室」、通称「第九」。被害者や犯人の脳を見ることで、事件の真相を解明することが「第九」の任務ですが、生身の人間が死者の脳を見ることはあまりに過酷といわれています。そんな「第九」で活躍するベテランの薪(まき)と、彼をサポートする新人の青木が直面するさまざまな事件とその結末とは……?

 誰かの頭のなかを覗きたいと思ったことは誰にでもあるはず。好きな人、憧れの芸能人……しかしそれらを覗いたところで得られるものは、もしかしたら「知らないほうがよかった真実」ばかりかもしれません。私たちの存在そのものが「秘密」を宿す入れ物なのだと恐ろしくなる、本格SFサスペンスです。

●外見のコンプレックスが生む孤独と生きづらさを描く「入れ替わり」ミステリー

マンガ『宇宙を駆けるよだか』1巻(集英社)(画像:ブックライブより引用)

 見た目も性格も良いあゆみは、容姿にコンプレックスがあるクラスメイト・然子(ぜんこ)の罠にはめられ、彼女の身体と中身が入れ替わってしまいます。あゆみに身体を返す気は毛頭ない様子の然子。あゆみが必死に元に戻る方法を追い求めるうちに、ふたりの入れ替わりに気づいた人物が現れ……。

 見どころは、あゆみと然子の入れ替わりそのものよりも、あゆみが入れ替わった身体を元に戻そうと奔走するなかで知ることになる、然子の孤独と生きづらさです。美しい容姿のあゆみが見ていた世界とは全く別の、冷たい世界がそこには広がっていました。

 これまで少女マンガのお約束だった「見た目に難ありの少女=性格が良い」という方程式をくつがえしたことも衝撃的。入れ替わりをテーマにしたファンタジー&ミステリー作品ながら、現代のルッキズムについても深く考えさせられます。全3巻という手軽さですが、重いテーマでありながら、テンポよく仕上がっている逸品です。

●最後に痛々しいぐらいの愛が突き刺さる、不穏なミステリー

マンガ『私の正しいお兄ちゃん』1巻(講談社)(画像:ブックライブより引用)

 物語の主人公・理世(りせ)は同じバイト先で働く海利(かいり)のことを、幼少のころに両親の離婚で会えなくなった兄にそっくりだと感じていました。そんな海利と距離が近づくにつれ、優しかった兄のイメージを重ねるようになり、やがて恋心が芽生えます。しかし、海利の部屋にあったノートに、彼の過去にまつわる恐ろしい言葉が書いてあるのを見つけてしまい……?

 人間の記憶がいかに不確かで、都合よく美化されているかということを思い知らされる物語。理世は自分のあいまいな記憶に囚われて、目の前にいる人のことを信じられなくなったり、疑心暗鬼に陥ったりしていきます。その様子を見ているうちに、読者にも不安な気持ちが伝播していきます。

 全編を通して不穏な雰囲気ながらも、最後は痛々しいぐらいの愛が突き刺さるミステリー作品です。

●宝石にひそむ秘密を解き明かすジュエル・ミステリー

マンガ『宝石商リチャード氏の謎鑑定』1巻(一迅社)(画像:ブックライブより引用)

 偶然出会った美しいイギリス人の宝石商・リチャードのもとで宝石店のアルバイトとして働き始めた平凡な大学生・正義(せいぎ)。突然飛び込んだ世界で、宝石の知識をつけたり、ミルクティーの作り方を学んだりと、日々奮闘中。しかし、店を訪れるお客様にはさまざまな迷いがあるようで……。

 美しい宝石たちをめぐるエピソードは、読んでいるだけでワクワクしてきます。愛の贈り物として人びとの手を巡ってきた宝石だからこそ、そこには思いやりにあふれた優しい秘密が隠れていることも。宝石をヒントに、ふたりがお客様の心を解きほぐしていく人気シリーズです。どこかミステリアスなリチャードの正体も気になるところです。

 少女マンガ発のミステリー作品では、謎解き要素と同じくらい、登場人物の感情の動きや人間関係も見どころです。普段マンガはあまり読まないけれど、TVドラマ『ミステリと言う勿れ』をきっかけにミステリー&サスペンスマンガに興味が湧いた方は、今回紹介したマンガ作品からご覧になってはいかがでしょうか。

(総合電子書籍ストア「ブックライブ」書店員えい子)

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