仮面ライダーの聖地「猿島」を訪問!欲張りな「お出かけ」を楽しめる観光地だった
マグミクス / 2022年2月18日 12時10分
![仮面ライダーの聖地「猿島」を訪問!欲張りな「お出かけ」を楽しめる観光地だった](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/magmix/magmix_79636_0-small.jpg)
■「ゲルショッカー」結団の地は、レストランやBBQも完備
京急線品川駅から横須賀中央駅まで、快速特急に乗り40数分。
横須賀中央駅から船着き場がある三笠桟橋まで、歩きでおよそ15分。
船に乗り、海を突き進むこと約10分。
都心から1時間半ほどでたどり着ける自然島、「猿島」はそこにありました。
2021年12月17日から全国上映中の映画『仮面ライダー ビヨンド・ジェネレーションズ』に藤岡弘、氏の息子である真威人さんが出演し、2023年には『シン・仮面ライダー』の上映も予定されているなど、初回放送から50年以上が経過しても、今なお『仮面ライダー』の火は燃え盛っています。
猿島は、初代『仮面ライダー』80話「ゲルショッカー出現!ライダー最後の日!」のゲルショッカー結団式に登場したことでも知られ、アニメ・特撮の聖地とされています。今回、横須賀市の協力を得て猿島を取材させていただくことになりました。
取材に向かったのは1月末。空は雲に覆われていましたが幸い雨も風もなく、無事に猿島行きの船は出港しました。しばらく舳先(へさき)近くで冷たい風を感じていると、どんどん猿島が近づいてくるのが見えてきます。地図で見ると小さな島なのですが、眼前にそびえたつ断崖やうっそうと茂った樹木には、都心ではなかなか見る機会がない存在感と迫力がありました。
猿島は東京湾最大の自然島として知られており、江戸時代後期に海外船対策のために砲台を据え付ける台場が築造されて以降、第二次世界大戦の時期まで東京湾防衛のための軍事拠点となっていました。戦後はアメリカに接収されていましたが、現在は横須賀市が管理し「猿島公園」として観光名所になっています。
もちろん船着き場も整備されており、上陸になんの不都合もありません。渡し橋を通った先にはテイクアウトレストラン「Oceans Kitchen」やバーベキュー用品の貸し出し所などがあり、飲食用のテーブルなども用意されていました。バーベキューについては通年で利用可能。現在はトイレを新設する工事が行われています。横須賀市が観光地としての猿島に寄せる期待のほどがうかがえます。
夏場には海水浴なども楽しめる砂浜を見て回り、さらに歩みを進めると、両側が岸壁の通路へと差し掛かります。猿島がかつて軍事拠点だったころ、岩山を掘り抜いて道が作られ、さまざまな設備が建設されましたが、戦後から70年以上が経った今は、観光地として平和に利用されているのです。
■軍事施設の遺構がアニメ・特撮イベントの舞台にも
岩盤を掘り抜き、レンガなどで構築された旧軍事施設の遺構も、現在は観光資源に(筆者撮影)
さらに奥に進むと、レンガ造りのトンネルが見えてきます。猿島のレンガは「フランス積み」と呼ばれる手法で積まれており、日本全国でもなかなかお目にかかれない珍しい積み方です。
トンネルのなかには兵舎や弾薬庫など、猿島が軍事施設として使われていたころの設備が今なお形をとどめています。猿島では『ONE PIECE』や『囚われのパルマ』など、しばしばアニメやゲームのイベントが開催されていますが、イベントの際にはこうした設備のなかにキャラクターのパネルを置くことなどもあるそうです。自然のなかにいるキャラクターたちの姿を見るのも一興かもしれません。
トンネルを抜けると、レンガと岩肌にツタが絡みつき、まるで『天空の城ラピュタ』のような光景が広がっています。この風景を見るだけでも十分に足を運んだ価値があるでしょう。
さらに坂を上ると、ついにお待ちかね、展望台が見えてきます。そう、ゲルショッカーの結団式が行われた建物です。昔は上に登れたそうですが、今は老朽化もあり立入禁止とのこと。確かに、撮影から50年が経過しているのですから致し方ないことかもしれません。
その他、台場などさまざまな場所を見て回りましたが、2年ほど前の台風により一部の場所が立ち入り禁止となっていました。自然の猛威ばかりはどうしようもないものです。
さらに高台から東京湾を見渡し絶景を楽しむなどして、おおよそ1時間ほどかけて島内をめぐり、再び船着き場へ。すると目の前から大勢の方々が上陸してきたので、何ごとかと横須賀市の担当の方に聞いたところ、2022年3月6日(日)までの間、猿島では夜間のアートイベント『Sense Island -感覚の島- 暗闇の美術島2021』が開催されているとのこと。残念ながらこの日の取材では目にすることはかないませんでしたが、夜の闇の中で聖地を彩る光と音のアート作品を楽しみ、ほんの少し日常を忘れてみるのもいいかもしれません。
横須賀市では今後も猿島でアニメ関連などのイベントが予定されているそうです。作品そのものに興味がある方、船に乗ってみたい方、自然島に行ってみたい方、もし何か見たいもの、したいことがある方は、さまざまな目的を同時に果たせる猿島に足を向けてみてはいかがでしょうか。
※横須賀市・猿島の詳細情報や訪問の注意点などについては、公式サイト(https://www.tryangle-web.com/sarushima/)をご確認下さい。
※猿島で開催中のイベント「Sense Island─暗闇の美術島」は訪問前日までの完全予約制。当日券の販売はありません。詳細は公式サイト(https://www.tryangle-web.com/senseisland2021.html)をご確認下さい。
(早川清一朗)
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