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「短い原作」を実写化したおすすめ映画5選 「音楽」の使い方、構成がうますぎる!

マグミクス / 2022年2月19日 15時10分

「短い原作」を実写化したおすすめ映画5選 「音楽」の使い方、構成がうますぎる!

■マンガでは出せない「音楽」の魅力も

 マンガの実写化で、原作が長編作品だった場合は、話が駆け足になったり、まだ序盤の段階で終わったりしてしまうこともしばしばあります。今回はそれとは反対に、2巻以内の短い名作マンガをしっかり最後まで実写化した、おすすめ映画を紹介します。

●『ソラニン』

 浅野いにお先生の同名マンガ(全2巻)を、三木孝浩監督が映画化した青春映画。社会に出るも、このままでいいのかとくすぶり会社を辞めた芽衣子(宮崎あおい)、バイトをしながらバンドを細々と続けていた種田(高良健吾)のカップルと、仲間たちの物語が描かれます。

 途中で起きる悲劇も、ラストの展開も基本的には原作に忠実で、マンガそのままの演出(風船の場面や「ホントに?」の文字が出る場面など)もありました。キャストのハマり具合も絶妙で、特にビリー役の桐谷健太さんや加藤役の近藤洋一さん(サンボマスター)は見た目も雰囲気もそっくりです。

 そして原作で歌詞だけがわかっていた種田の曲を、後藤正文さん(ASIAN KUNG-FU GENERATION)が作曲し完成させた「ソラニン」のエモさも見どころ。劇中で宮崎あおいさんが拙さを残しながら同曲を熱唱する場面だけでも、映画化する意義があったと言えるでしょう。

 ちなみに『ソラニン』というタイトルは、連載前に浅野先生が交際していた彼女が、アジカンの新作アルバム「ソルファ」と「ソラニン」を聞き間違えたことがきっかけ。実に不思議な縁で完成した作品です。

●『ミスミソウ』

 押切蓮介先生の『ミスミソウ』(全2巻)は、いじめっ子たちに家族を奪われた少女の復讐劇を描いた青春ホラーマンガです。「精神破壊(メンチサイド)ホラー」という強烈なキャッチコピーがつけられるほどの、容赦のない悲劇展開と残酷描写が話題を呼びました。そんな同作を実写化したのは『先生を流産させる会』『パズル』『ライチ☆光クラブ』などの、未成年が起こす惨劇の物語を描いてきた内藤瑛亮監督です。

 原作の目をそむけたくなるようなトラウマ描写がほぼ忠実に再現されるので、正直グロ耐性がある人にしかおすすめはできません。ただ、一方で切ない青春模様も繊細に描かれており、思わず落涙してしまう場面もあります。

 実写だからこそ美しさが増す、鮮血が雪に飛び散る描写や、若手キャストたちの熱演も見どころです。また、ラストのある人物に関する改変、そしてエンドロールで流れるタテタカコさんの「道程」の美しいメロディと歌詞のおかげで、恐ろしく悲しいストーリーながらも、最後はどこか爽やかな印象すら与えます。

■オリジナルで膨らませた内容に爆笑

田島列島先生の同名マンガを、人間ドラマの名手・沖田修一監督が映画化した『子供はわかってあげない』(C)2020「子供はわかってあげない」製作委員会 (C)田島列島/講談社

●『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』

『惡の華』『血の轍』などの押見修造先生が、吃音に悩んできた自身の体験を反映させた同名マンガ(全1巻)を実写化した映画です。緊張で自分の名前も上手く言えないけど歌は上手い主人公・大島志乃と、ギターはうまいけど音痴な少女・岡崎加代が出会い、「しのかよ」というデュオで路上ライブを始めるのですが……。

 同作は原作に忠実ながらも、映画でしか表現できないことをしっかり描いています。主演の南沙良さんの吃音演技、歌唱力も大きな魅力です。また、原作ではサラッと描かれていた、「しのかよ」のふたりが路上ライブで自信と絆を深めていく一連の描写は、実写版の白眉と言えるでしょう。

 また、途中からバンドに加わりたいと言ってくる男子・菊池の「お調子者」ゆえの悩みも原作より深堀りされており、それぞれが自分のコンプレックスと向き合い苦い成長を遂げるラストは心に残ります。

●『子供はわかってあげない』

 田島列島先生が水泳部の女の子のひと夏の冒険と恋を描いた『子供はわかってあげない』(上下巻)を、『横道世之介』『モリのいる場所』の沖田修一監督が映画化した青春映画です。

 主人公・美波の父がカルト宗教の教祖をしていて疎遠になっていたり、美波と仲良くなる門司くんの兄が性転換していたりと、複雑な事情が描かれつつも、全体的にカラッとしたコメディとして見ることができます。特に、原作ではあまり具体的に描かれていなかった、美波の大好きなアニメ『魔法左官少女バッファローKOTEKO』を実際に作って(櫻井孝宏さんや速水奨さんら豪華声優も参加)流し、家族そろってダンスまで真似している場面は爆笑でした。

 また、撮影時まだ10代だった美波役の上白石萌歌さん、門司くん役の細田佳央太さんの瑞々しい演技も見どころ。クライマックスの「屋上」の場面は、原作者の田島先生も泣いてしまったと語るほどの名シーンです。

●『翔んで埼玉』

 最後は、短いどころか未完になっていた魔夜峰央先生の伝説のマンガ(全1巻、95ページのみ)を、オリジナル要素満載で実写化したコメディ『翔んで埼玉』を紹介します。魔夜先生が後年「一時的な気の迷いのようなもの」だったと語るほどの、どうかしている「埼玉ディス」な世界観を、『テルマエ・ロマエ』の武内英樹監督がより強化させた作品です。エンドロールの、はなわさんによる「埼玉県のうた」まで見逃せません。

 まず、原作連載時と映画公開時に30年以上の隔たりがあることを、逆に利用しているのが大きな特徴。物語は「かつて埼玉はこんなに差別されていた」と語る都市伝説のような話を、埼玉県民の家族がラジオで聞くところから展開されます。このアクロバットな構成により、さらにフィクション度の高い内容になっていました。

 そして、魔夜ワールドからそのまま出てきたかのような、濃ゆい見た目と性格のキャラたちが、原作通りの「草加せんべい踏み絵」や「埼玉狩り」などのギャグを繰り広げます。その他に、GACKTさんがキャスティングされたことで加わった、「東京テイスティング」の場面も抱腹絶倒です。また、千葉や群馬などその他の関東県も「ディスられ」ていました。

 全体的にふざけながらも大真面目なトーンのストーリーが展開されますが、特に驚愕だったのはラスト。ここ30年間で埼玉県が日本全国に与えた、とある「影響」をまさかのどんでん返しに使っていました。『翔んで埼玉』は大ヒットにより続編の製作が発表されたものの、GACKTさんの活動休止により、映画撮影も現在ストップしています。GACKTさんの復帰と続編の完成を祈ります。

(マグミクス編集部)

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