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「ウルトラの母」とは何者なのか? 「銀色おさげ」には驚愕の事実も…

マグミクス / 2022年3月5日 8時10分

「ウルトラの母」とは何者なのか? 「銀色おさげ」には驚愕の事実も…

■謎多き美巨人、本名が明かされたのは21世紀になってから

 いったい、「ウルトラの母」とは何者なのでしょうか。

 1973年4月6日に放送開始した『ウルトラマンタロウ』で初登場した、あのウルトラの母です。初登場から約半世紀の時が経った現在においても、この「ウルトラの母」なる抽象性が過ぎる名称、女性ウルトラ戦士という要素も加味して今日まで、特撮ファンのみならず、ファッション業界も注目するアイコニックな存在へと上り詰めています。

 さて彼女はいったい何者なのか。あの銀色おさげはなんなのか。かなり基本的なことからではありますが、登場から50周年を迎える前に、改めて「ウルトラの母」について振り返っていきましょう。

●説明したい情報が多すぎる!あふれんばかりの魅力

「ウルトラの母」とは何者か。説明するにも、どの情報から埋めていけば彼女のことをスムーズに理解できるのか非常に迷うところです。ここは公式にすがりましょう。円谷プロダクションの公式サイトに書かれているプロフィール情報から見ていくことにします。

 出身地はおなじみM78星雲・光の国。「ウルトラの母」とはいっても、実際はタロウの母で、配偶者は「ウルトラの父」です。登場作品は、TVシリーズでは1973年『ウルトラマンタロウ』、そして1974年『ウルトラマンレオ』、そして2006年『ウルトラマンメビウス』、2013年『ウルトラマンギンガ』、2017年『ウルトラマンジード』。さらに劇場版やオリジナルビデオ作品でも10作品以上に出演しています。

 なお2019年放送の『ウルトラマンタイガ』のタイガがウルトラマンタロウの息子であるので、すでに彼女がウルトラの「祖母」であることは、かつての少年たちにも届いて欲しい情報です。ちなみに1985年の金子修介監督による映画『みんなあげちゃう』(原作:弓月光)では、落ち込む主人公の少女を慰めるイメージとして、なぜかウルトラの母が登場します。このフットワークの軽さは、母のサービス精神を物語っています。

●今なお「アップデート」されていくウルトラの母の設定

 さて、ここまでご紹介したのはウルトラの母の基本。いわば事務所プロフィールといったところでしょう。もっと具体的に彼女の「物語内」での来歴や活躍ぶりを見ていくことにします。まず現在の彼女の役職は何かといえば、「宇宙警備隊」を助ける医療チーム「銀十字軍」の隊長。ものすごく、偉かったのです。

 なお「宇宙警備隊」とは宇宙の平和を守るべく結成された組織であり、初代隊長はウルトラの父。結成の背景にはエンペラ星人による光の国襲撃事件(ウルトラ大戦争)があり、これすなわちふたりの馴れ初めでもあります。

 こうした設定はウルトラマンタロウ第25話「燃えろ! ウルトラ6兄弟」を皮切りに肉付けされていき、2009年公開の『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』では、ついに彼女の本名が「ウルトラウーマンマリー」であることが明かされました。(父はケンです)。以降の作品、例えば『ウルトラギャラクシーファイト』などでは親しそうに「ケン」「マリー」と呼び合う若かりし頃のふたりが確認できます。

 また前述の通り治癒能力に長けており「マザー光線」という治療光線を繰り出します。かといって戦闘能力がないわけではなく、「マザー破壊光線」というなかなか物騒な光線も放ちます。実際の『タロウ』の3話では怪獣を宇宙空間で粉砕しています。単体でもぜひ地球に飛来してほしいウルトラ戦士です。

●特徴的な「銀色おさげ」の正体は…?

 さていよいよ、本題です。あの「銀色おさげ」について。これ以上の本題はありません。実はあれ、おさげではなく、「銀十字勲章」という勲章だというのです。まったくもってショックを隠しきれませんが、内山まもる先生のマンガなどでは、おさげのない母が確認できます。

 とはいえ、福岡市の商業施設のイメージキャラクターに選出されたときのCM動画では「揺れる髪」として描写されるなど、厳密な線引きはないのかもしれません。

 ということで、なぜか気になる存在「ウルトラの母」を改めて振り返りましたが、その設定の流動性に驚かされます。2009年に初めて本名が明かされ、その10年後に「祖母」であることが明かされた「ウルトラの母」。今なお謎が謎を呼ぶ、美しい巨人なのです。

(片野)

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