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冴えない中年おじさんが頑張るマンガ4選 SFバトルや社会派の純愛作品も

マグミクス / 2022年3月4日 6時10分

冴えない中年おじさんが頑張るマンガ4選 SFバトルや社会派の純愛作品も

■ただの推理小説好きおじさんだったのに……

 イケてるわけでもなく、お金持ちでもなく、地位もない……そんなおじさんたちが特殊な状況に放り込まれたり、人生を打開するためにもがいたりする物語は、読者の胸を打ちます。今回は「中年おじさんが頑張るおすすめマンガ」をご紹介します。

※本記事における「中年おじさん」キャラクターの定義は40~59歳までとします。

●『いぬやしき』

『GANTZ』の奥浩哉先生によるSFバトルマンガ『いぬやしき』の主人公は、58歳のさえない会社員・犬屋敷壱郎(いぬやしき・いちろう)です。実年齢以上に老け込み、家では肩身が狭く、会社での出世もなく、ある時胃がんが見つかり余命宣告まで受け、絶望の淵にいた犬屋敷。そんな彼は、ある夜に宇宙人が起こした事故に巻き込まれ、それを隠ぺいするために地球の科学水準をはるかに上回るテクノロジーが詰め込まれた機械の体にされてしまうのです。

 同じ事故で機械人間になった高校生・獅子神皓(ししがみ・ひろ)が、自分が人間である実感を「殺人」に求めてしまうのに対し、犬屋敷はその力を「人助け」に使うことで「生きている実感」を味わえるようになります。どれだけハイテクな機能を持っていても人格はおじさんなので、頭のキレる高校生には遅れをとりますが、その正義の心でだんだんと覚醒していく様がアツいマンガです。

 後半の獅子神との新宿でのバトルも見どころですが、いちばんスカッとするのは、とある極悪非道な行為を繰り返していたヤクザたちに究極の制裁を加えるエピソード。現実に犬屋敷さんみたいな人がいてくれたら……と考えてしまいます。2018年の実写版では、とんねるずの木梨憲武さんが持ち前の運動神経も活かして、犬屋敷さんを熱演しました。
 

●『マイホームヒーロー』

 主人公の鳥栖哲雄・47歳は普通の営業マンですが、自分でも小説サイトに投稿するほどのミステリーマニア。そんな彼は、妻と娘の3人でつつましく幸せに暮らしていたのですが、ある時大学生の娘・零花が付き合っていた危険な男・麻取延人を、衝動的に殺してしまいます。そして、知識を駆使して妻・歌仙とその死体を隠そうとするのですが……。

 現在ヤングマガジンで第二部まで連載されている人気マンガで、ひとりの半グレ男の死の隠ぺいから話が広がり、詐欺の天才で延人の父・義辰との心理戦、カルト教団との因縁、最強の元傭兵の殺し屋・窪との戦いなど、あれよあれよと事態がエスカレートしていく先の読めないストーリーが見どころです。主人公が家族を守るために頑張れば頑張るほど、人としてはどんどん堕ちていく地獄巡りのような物語が、第三部でどう締めくくられるのか、注目が集まっています。

■「手持ちカードが悪すぎた」おじさんの戦いが泣ける

夢も希望もないおじさん・黒沢の「戦い」が泣ける『最強伝説黒沢』1巻(小学館)

●『最強伝説黒沢』

『アカギ』『カイジ』などの福本伸行先生が、中年男のさえない日常と戦いを描いた『最強伝説黒沢』は、読むたびにどんどん味わい深くなる名作です。主人公・黒沢は44歳独身、土木作業の現場で働くも、会社では立場も人望もないおじさん。そんな彼は「なんのために生きているのだろう」と自答しながら、日々を何とかサバイブしていくのですが……。

 ワールドカップの日本の活躍で感動するふりをしながら、「感動などないっ!あんなものに……」と絶望する黒沢のモノローグから始まり、職場での人望を得るためのアジフライのエピソード、黒沢が白木屋を気に入っている理由、なんでも悩みを聞いてくれる友人「太郎」とのやり取りなど、笑えながらも泣けてしまう中年の悲哀が、「福本節」満載の名言とともに詰め込まれています。

 途中から格闘マンガの要素も盛り込まれ、そこでの黒沢の自身の排泄物まで武器にするファイトスタイルや、暴走族に襲われそうになって逃げようとしていたホームレスたちに向けられた演説、不良中学生・仲根に嫉妬しながらも向こうから慕われてしまう奇妙な関係性などなど、独特な見どころが満載。読めば「頑張って生きていくしかない」と奮い立たせられる、そんなマンガです。ちなみに、不登校の中学生・孝志の言い訳に向けた、お父さんのモノローグでのツッコミも、名言の宝庫として知られています。そして続編『新黒沢 最強伝説』でも、黒沢はまさしく「伝説」的生き様を見せてくれました。

●『愛しのアイリーン』

『宮本から君へ』『ワールドイズマイン』などで知られる新井英樹先生が「過疎化」「少子高齢化」「嫁不足」「外国人妻」などの社会問題をからめて描いたマンガです。95年のマンガですが、それらの問題がより深刻になった現代にこそ響く内容になっています。

 寒村で両親と暮らす42歳独身の男・宍戸岩男は、職場の同僚・吉岡愛子への恋に破れ、貯金をはたいてフィリピン人のアイリーンと結婚。昔気質で息子を溺愛する母・ツルは当然大反対、岩男も女性経験がほとんどないためアイリーンと上手く接することができず苦労します。そして、女衒(ぜげん)の塩崎が現れたことで、岩男とアイリーンは取り返しのつかない事態を起こしてしまい…。

 新井先生らしいページから熱がほとばしるような勢いと名言、予想のつかない展開が魅力の本作。極限状態で芽生える岩男とアイリーンの間の絆、岩男の不器用な優しさ、ツルが息子を異常なまでに愛する理由にも泣かされます。登場人物に容赦のない物語ですが、新装版に追加された、ファンタジックで優しい「その後」のエピソードが爽やかな余韻を残してくれました。2018年の実写映画版も、原作のえぐい部分までしっかり再現し、高い評価を得ています。

(マグミクス編集部)

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