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近年のヒットアニメあるある 今支持されるキャラとは「主人公の道徳偏差値高め」

マグミクス / 2022年3月7日 11時50分

近年のヒットアニメあるある 今支持されるキャラとは「主人公の道徳偏差値高め」

■「広く好かれる」「嫌われにくい」主人公?

『鬼滅の刃』『シン・エヴァンゲリオン劇場版』『呪術廻戦』など、近年、アニメ作品の大ヒットが社会的な話題となっています。これらの作品には、どの時代でもファンを惹きつける共通点がたくさんあります。それらを見比べていくと、令和の時代だからこそ大事だと思われるポイントが見えてきて……?

●主人公の道徳偏差値が最初から高め

 まずは主人公に求められる「性格」についてです。キャラクターの個性を作る上では、「不屈の精神」「誰にも負けないパワー」などのプラス面はもちろんのこと、「弱虫」「すごく不器用」などマイナス面もある方が、後々それを克服していくドラマが生まれ、盛り上がりやすくなると言われています。例えば「運動神経は抜群だが性格は短気でけんかっ早い元不良がスポーツを通して成長し、仲間との絆を育むストーリー」など。完全無欠のキャラよりも、多少人間味があって成長していく姿を見せる方が、視聴者の共感を得やすくなるという考えです。

 しかし、近年ヒットしているマンガやアニメのキャラには「ここが絶対的なマイナス」、というような部分があまり見当たらない人物も多いと思われます。例えば『呪術廻戦』の主人公・虎杖悠仁は、「常人離れした身体能力の持ち主」というだけでなく、「自分の強さをほかの人びとを救うために使う」という精神面でも素晴らしい人物です。

 また、『鬼滅の刃』の主人公・竈門炭治郎は、ほぼ「プラス」だけでできているといっても過言ではないキャラで、「素直」「努力家」「頭が良い」「才能がある」など、うらやましい要素ばかりです。物語の最初こそ師匠の鱗滝左近次から「判断が遅い」などと怒られていましたが、厳しい修行をこなすことで、戦いに必要な精神を物語の序盤でほぼ完成させていました。

 このように、最初から主人公を完成度高めな人物に設定するメリットは、「多くの視聴者に広く好かれる」ことでしょう。現在マンガ・アニメはネット上でも膨大な作品が発表され、それぞれの入れ替わりも激しくなっています。TVアニメだけでも、年間の制作本数は314本(2019年)にものぼるそうです。そのため、読者や視聴者がそれぞれの作品の主人公の成長をじっくり見守るような余裕は、どんどん減っています。まず「最初の印象から主人公=作品を好きになってもらう」、そして「嫌われそうな可能性はできるだけ排除する」という工夫は、現代でヒット作品を生む要因のひとつかもしれません。

 近年のヒット作品では、女性キャラクターの立ち位置・存在も大きく変化していると言えます。

■バトル描写もジェンダーフリーに

真希波・マリ・イラストリアスも活躍する『シン・エヴァンゲリオン劇場版』キービジュアル (C)カラー

●強き女性キャラクターの活躍

 近年のヒット作品で目立つのは、強い女性キャラクターの活躍です。ひと昔前の少年マンガ・アニメでは、女性キャラクターは「守られる存在」として描かれていることが多くありました。たとえ精神的には強くとも、どうしてもバトルとなると戦力は低めに設定され、人質になり主人公の活躍の引き立て役になる……といった場面も多かったように思われます。

 しかし、近年のヒット作品では、女性キャラクターたちが主役級の活躍を見せるのは当たり前になりました。たとえば、『鬼滅の刃』での胡蝶しのぶや栗花落カナヲは、素早さや技術などの面で鬼殺隊屈指のスゴ腕剣士として活躍。また、まだアニメ化はされていませんが、最強の敵である鬼舞辻無惨に対抗するのに、頭脳面で活躍したのは珠世でした。さらに、甘露寺蜜璃においては、普通女性キャラクターは男性に比べるとパワー面で劣っているように描かれやすいところを、「筋肉の密度が常人の8倍」という、ほかの男たちを圧倒する力強さを見せています。現実世界で女性の社会進出が進むとともに、マンガやアニメでも女性キャラの描き方に対する意識が変わってきたことを感じさせます。

 また少し時代は遡りますが、「エヴァンゲリオン」の新劇場版シリーズから登場した真希波・マリ・イラストリアスも、現代を象徴する女性キャラクターといえるかもしれません。好奇心旺盛な性格で何事にも物おじせず、誰に対してもフレンドリー。強敵を倒すためなら裏コード「ザ・ビースト」を使い、自分の体を犠牲にして戦う勇気も持ち合わせています。『シン・エヴァンゲリオン劇場版』では主人公である碇シンジに対して、「君がどこにいても必ず迎えに行く。だから絶対に待ってなよシンジ君」という、もはや彼女が主人公と言ってもいいような男前なセリフも残しました。

 また『呪術廻戦』に登場する釘崎野薔薇も勝ち気でサバサバした性格で、戦いの場面では相手に対して「降りて来いよクソ魔女!」「テメェが面倒くせぇのは分かったよ」など言葉遣いも荒々しくなります。戦い方も金槌を使って釘を敵に打ち込む超攻撃的スタイルです。

 そして虎杖の先輩である禪院真希は、術士の家系に生まれながら生まれつき呪力を持たないハンデを反骨精神と努力でカバー。呪具の扱いと高い身体能力によってかなりの実力を備えています。性格も強気で、自ら家を出るときには「(戻って来たら)私が禪院家の当主になる」と宣言するほどです。それでいて、仲間に対しては面倒見のよい「兄貴肌」。生い立ちや振る舞いを見ると、「少年マンガ」の主人公であってもおかしくありません。今後も「女性キャラクター」の表現や設定が、どんな変化を遂げていくのか注目です。

 ほかに、皆さんが思う近年のヒット作品の共通点は何でしょうか?

(吉原あさお)

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