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新作『うる星やつら』にメガネは登場する?テレビ名物のモノローグはもう聞けないのか

マグミクス / 2022年3月10日 11時50分

新作『うる星やつら』にメガネは登場する?テレビ名物のモノローグはもう聞けないのか

■圧倒的な存在感を放つストーリーテラー! 「メガネ」=千葉繁

 2022年、アニメ『うる星やつら』(原作・高橋留美子)がフジテレビ「ノイタミナ枠」などで放送予定です。36年ぶりの復活が待ち遠しいインターバルに、ファンのあいだで話題になっている議題があります。それは「『メガネ』は出るの?」というものです。今回は旧シリーズで異彩を放っていたサブキャラ、「メガネ」について紹介します。

●原作派とアニメ派で揺れる存在「メガネ」

 旧アニメ(1981~86年放送)のファンは「『メガネ』は出るでしょ?」と思うはずです。「メガネ」といえば、ときに感情を爆発させ、ときに淡々と長セリフでまくしたてるシーンが印象的な、欠かせないキャラでした。ところが、彼は原作の漫画では初期にちょっとしか登場しません。つまり「メガネ」は、ほとんど「アニメのオリジナルキャラ」と言ってもいい存在です。

 アニメで「メガネ」が強烈なキャラに仕立てられたのはなぜか? それは「押井守さんが必要としたから」、という答えになるでしょう。後の巨匠・押井守監督は第129話(第106回放送分)までチーフDを努め、第100話前後から原作にないオリジナル回を多数打ち出したことでも有名ですが、よく「なんでもありだった」と振り返られるように、複雑、難解、独創的な話を多数作っていました。

 そうなると、説明や時間経過などの縦軸を語りで端折ったり、作り手の心情や思想、哲学的な部分をまとめて伝えて見やすくしたりする必要が出てきます。そこでストーリーテラー役に、インテリ風の「メガネ」を選んだわけです。また、その役に声優の千葉繁さんがピッタリとハマりました。押井さんが退任しても「メガネ」のその立ち位置は最後まで貫かれたので、重要で人気も高かったキャラだったことが伺えます。

■「メガネ」役の千葉繁さんのアドリブは伝説

「メガネ」の登場はあるのかも注目が集まるリメイクアニメ『うる星やつら』ビジュアル (C)高橋留美子・小学館/アニメ「うる星やつら」製作委員会

●魅せる「メガネ」のロングモノローグ

 筆者が個人的に好きな、「メガネ」の代表的な長セリフをひとつ書き起こします。第168話「スペースサバイバル! 食うのは奴らだ」のセリフです(※押井作品ではありません)。
 
「う~、なんという味気ない朝食だ。補習授業さえなければ今頃は旅の空のもと、盗んだとて誰はばかることもない谷川の水を汲んでの一杯のカフェ……傷付き疲れた戦士のかりそめの休息であったものを。しかも!塩ジャケに生卵、ナスのお新香にインスタントみそ汁、そして冷飯? こ~難しい!普通、主食であるメシを中心に漬け物みそ汁などの前座をこなし、その日の大物であるおかずとのドラマチックな一本勝負へとなだれ込んで行くもんだが、今日の対戦相手は手強い。全員がまぁ、しょっぱい!これをメシだけで迎え撃つのは非常に不利だ!まず、塩ジャケについている千切りキャベツを味方に抱き込まねばならん。がしかし、千切りキャベツだけではまだまだ戦力としては心もとない。ここは一番、お茶の手助けも借りねばならん!が、それでも不安は残る……メシに千切りキャベツとお茶を巻き込んだまではよかった。正規軍としての一応の陣容は整ったといえよう。しかし、不気味な存在が。そう、それこそ今俺が直面している難問なのだ。生卵!かぁ~っ、メシにかけるには醤油を加えねばならん、しかし醤油を加えてメシと混然一体となった様は、もはやメシとしてのプライドは失われていよう。がしかし!生卵の本来持っている知能と体系を壊さずにそのまま飲み干すほど、俺はヘルシー論者ではない!そう、難問だよ、これは……」

 目の前の朝食を食べる展開と戦略を練る、1分32秒の長いモノローグ。なんだこれ? と思いますが、一応、物語上は意味を持つわけです。この他にも「メガネ」のモノローグシーンは、第105話「スクランブル! ラムを奪回せよ!!」、第106話「死闘! あたるVS面堂軍団!!」、第122話「必殺! 立ち喰いウォーズ」など、たくさんあります。また押井監督の映画『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』で見せる、約3分20秒に渡る語り「友引前史」は象徴的です。

●「メガネ」役:千葉繁さんはむちゃブリに命がけ

「メガネ」を演じた声優・千葉繁さんは、長セリフやエネルギッシュなセリフにたびたび呼吸困難を起こしそうになり、収録スタジオには酸素缶を用意して挑んでいました。台本のセリフ部分に「(千葉ちゃんよろしく)」とアドリブのみ要求されることも多々あり、そうでなくても千葉さんのアドリブに他の演者は笑いをこらえるのが必死だったというエピソードも残っています。

 アニメ制作者は「魅せ方」を考えるものです。『うる星やつら』では、「メガネ」を筆頭にチェリー、温泉マーク、校長先生、一度きり出演のキャラまで長いモノローグを披露するシーンがあり、それぞれ口調やトーン、テンションに妙味がありました。あれは『うる星やつら』ならではの、「アニメ映え」する演出だったと思います。

●「メガネ」は登場しない?

 そんな「メガネ」は新『うる星やつら』でも登場するのでしょうか? 実は今回のアニメは「選びぬかれた原作エピソードを」と発表されているので、「『メガネ』が出る可能性はほぼないだろう」というのが大方のファンの見解です。「逆に新しいサブキャラが登場するのでは?」という予想も聞かれます。

 アニメも原作も終了して、もう35年以上経過していますから、若い視聴者にとっては衝撃的で、オールドファンには新鮮な『うる星やつら』が見られることを期待しています。

(石原久稔)

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