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うすた京介作品の名作ポエム・6選「サバディー」「体育すわりで尾けまわしたい」

マグミクス / 2022年3月19日 15時10分

うすた京介作品の名作ポエム・6選「サバディー」「体育すわりで尾けまわしたい」

■なぜか耳に残る奇妙なフレーズばかり! 奇想天外な世界観が魅力

「週刊少年ジャンプ」で連載された、うすた京介先生の人気ギャグマンガ『セクシーコマンドー外伝 すごいよ!!マサルさん』、『ピューと吹く!ジャガー』。シュールなストーリー展開や登場人物のセリフはもちろん、一度読むと頭から離れない、中毒性の高いポエムも魅力のひとつです。今回は、作品のなかで登場した、センスにあふれたポエムを振り返ります。

●「セクシーコマンドー部 主だい歌(ブルース)」:『セクシーコマンドー外伝 すごいよ!!マサルさん』より

 まずは、『セクシーコマンドー外伝 すごいよ!!マサルさん』に登場したポエムを3つご紹介します。はじめに、「セクシーコマンドー部 主だい歌(ブルース)」です。部活の主題歌を考えてきたマサルさんが、部員みんなの前で曲を流すのですが、全くの意味不明な歌詞が流れてきます。

「サバディーサバダッササンサンサバディ~~」から始まり、「君かい? みなし子かい?」や「スキップかい?」とやたら問いかける歌詞へと続きます。この歌詞にツッコミたくなりますが、部員たちは「みなし子かい?」より「唐獅子かい?」の方がいいとか、「スキップかい?」より「スティックかい?」の方がいいと、歌詞に変更を加え、ますます意味不明な主題歌へと仕上がります。しかし、その不思議な世界観が頭に残る、とても印象的な主題歌が完成します。

●「体育すわり」:『セクシーコマンドー外伝 すごいよ!!マサルさん』より

 次に、「体育すわり」です。セクシーコマンドーの練習中に急に挟み込まれる曲なのですが、ちょっぴりかわいくて、少し気持ち悪い歌詞です。

「恋人よ 今すぐあなたの前に座りたい」までは良いのですが、その後の歌詞で「あなたの後ろを体育すわりで尾けまわしたい」と続き、ストーカーのような雰囲気を感じさせます。しかし、この一行が頭から離れなくなるため、何度も聴きたくなるのです。

 アニメでは、この曲を女子マネージャーのモエモエが歌っているヴァージョンを聴くこともできます。モエモエの歌声でこの曲を聴くと、なぜか気持ち悪さがなくなり、かわいらしさだけを感じさせるので「モエモエヴァージョン」もおすすめです。

●「よろしく仮面 テーマ」:『セクシーコマンドー外伝 すごいよ!!マサルさん』より

 続いては、マサルが好きなヒーロー・ヨロシク仮面の主題歌「よろしく仮面 テーマ」です。歌詞は、「セプテンバーよろしく 来月からよろしく」と、よろしくを連発するのが特徴的で、何をヨロシクなのかは分からないですが、強烈なインパクトを与えます。

 ヒーローなのに、すぐ駆けつけずに来月から来るのか? と歌詞の意味を考えだせば、ますます分からなくなるので、あまり深追いせずに楽しむのがちょうど良いでしょう。アニメでは、『NARUTO -ナルト-』のはたけカカシ役の声で知られる井上和彦さんが歌っており、とてもカッコよく仕上がっているので、ぜひ聴いてみて下さい。

■キタナイものも美しく表現する、センス抜群のポエム

●「なんかのさなぎ」:『ピューと吹く!ジャガー』より

 ここからは、『ピューと吹く!ジャガー』に登場したポエムをご紹介します。まずは、ハマーのデビューシングル「なんかのさなぎ」です。作詞したのは、主人公のジャガーで、ダメ人間をターゲットに作詞し、売る気は全くなかったのですが、作中ではオリコンチャートにランクインするほど人気になりました。

 歌い出しは「メレンゲってなぁ~に? メレンゲってなんだYO~?(なんかのさなぎとかじゃない?)」というもので、PVでは土に埋められたハマーが歌っています。とてつもなくシュールな作風が、頭にこびりつくうえに、歌詞の後半には「上野公園のハトの方がオレよりメシ食ってる」といった、ハマーの自虐的な要素も含まれて、悲しさも漂わせます。作中では、感動の涙を流しながら聴くキャラクターが多いですが、読者は爆笑の涙を流しながら読めます。

●「天使の光」:『ピューと吹く!ジャガー』より

 続いては、人気バンドの作詞担当・ポギーが作ったポエム「天使の光」です。主人公のジャガーに「耳くそを表現してみろ」と言われ、即興で作るのですが、美しい言葉選びで周りを圧倒させます。

 ポギーは、歌詞のなかで「耳に残る光のカケラは砕け散ったダイヤモンド」と耳くそを美しく表現します。そして最後は、「初めて気付いた これは天使の贈り物……」と締めくくり、優しい感性を発揮します。おそらく、題材が耳くそと知らなければ、素敵なポエムだとしか思わないでしょう。

●「しょっぺえ太陽」:『ピューと吹く!ジャガー』より

 最後は、ハマーが作ったポエム「しょっぺえ太陽」です。釣り大会に参加したハマーが、突然、毒蛇にかまれてしまって気絶するのですが、そのときにが歌い上げた涙のポエムです。「太陽さんよ まだまだ沈まねえでくれよ 道に咲いた一輪の花に 光を どうか……」とカッコよく歌うのですが、歌詞がどんどん崩れていきます。

 ラストは、「アレ? だけど変じゃね このしょっぱいの わしの泪じゃね……」と、力尽きたことが分かるような歌詞で締めくくられます。このポエムで、ハマーの意識がだんだんと薄れていることにも気付けるので、どの部分で意識が飛びそうになっているかを想像しながら読むと、より楽しめます。

 このように、うすた京介作品には、数々のポエムが登場します。ギャグマンガとしてだけでなく、ポエム集としても楽しめます。うすた京介作品はもう読んだことがある、という方も再度、ポエム部分にも注目して読んでみてはいかがでしょうか。

(稲福竜生)

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