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ダマされた懐かしのファミコン「ウソ技」 純粋な青少年を翻弄した「ヒロインと野球拳」

マグミクス / 2022年3月15日 18時10分

ダマされた懐かしのファミコン「ウソ技」 純粋な青少年を翻弄した「ヒロインと野球拳」

■ゲーム雑誌の記事がウソだった!? 裏技紹介に紛れこんだ「ウソ技」

 1980年代前半にファミリーコンピュータ(以下、ファミコン)が大ヒットして以降、相次いでゲームに特化した専門雑誌が創刊されました。特に支持を集めていたのは初のファミコン専門詩の「ファミリーコンピュータMagazine」(以下、ファミマガ)。「ファミマガ」は攻略記事と裏技の紹介を中心とした誌面構成で人気を博しました。今のようにインターネットで容易に情報を収集できず、また理不尽な内容のソフトも多かったファミコン時代、「ファミマガ」の内容は当時のプレイヤーが求めているものと合致していたのです。

 裏技は、「ファミマガ」の誌面では、「ウルトラテクニック」を略して「ウル技」と呼ばれていました。ゲームには隠されたテクニックや攻略法は付き物ですが、そのやり方を画像付きで分かりやすく解説していたのが「ファミマガ」の「ウル技」コーナーだったのです。例えば、『スーパーマリオブラザーズ』の無限1upの方法を「ファミマガ」の記事で知った方は多いのではないでしょうか。

 しかし、この「ウル技」コーナーには罠がありました。紹介されている「ウル技」のなかに、実現できないうそのテクニックである「ウソ技」が紛れ込んでいたのです。しかも、この「ウソ技」は真偽を確認せずに掲載したものではありません。うそであることを知りながら「ファミマガ」がわざと入れたものでした。

 意図としては、情報を流用する他紙へのけん制、殺到する「ウル技」関連の問い合わせの軽減、単にその場のノリで決めた、など諸説があります。理由が何であれ、当時の「ファミマガ」読者は「ウソ技」に振り回されることになったのでした。

 はじめこそ特に説明もなく記載されていた「ウソ技」ですが、以降は「ウソ技クイズ」として「ファミマガ」の定番企画となりました。「ウル技」として紹介されている裏技のなかにひとつ混じっている「ウソ技」を的中させると、プレゼントがもらえるという企画でした。

■条件を満たしたのに何も起こらない!「ウソ技」にだまされた時のやるせなさ

ファミリーコンピュータ ディスクシステム用ソフト『水晶の龍』(スクウェア/現:スクウェア・エニックス)

 はじめから「ウソ技」が混じっていると分かっていても、だまされる読者は後を絶ちませんでした。ページに掲載されている画像がうまく加工してあり、あたかも本当に存在する技のように見せかけているのも大きな理由でしょう。また、技の効果が絶妙に「ありえそう」だったことも信ぴょう性を高めていました。

「ウソ技」の特徴に、条件がやたら面倒であることが挙げられます。『スーパーマリオブラザーズ』の「ウソ技」として記載された「36個連続でファイアフラワーを取ると、その後フラワーを取る度に1upする」はその典型例でしょう。面倒なウソの条件を満たすために奔走したあげく、何も起きずに呆然する読者が続出したのでした。

 掲載された数多くの「ウソ技」のなかでも、ディスクシステム用ソフト『水晶の龍』の「ヒロインのシンシアと野球拳ができる」というのは語り草となっています。本来存在しない、服をはだけているシンシアの加工画像があまりによくできていたため、この「ウソ技」を試してみる純粋な青少年が続出。『水晶の龍』自体の売り上げにも貢献したといううわさもあります。

「ウソ技」にだまされた人もいれば、「ウソ技」を見事見破りプレゼントをもらった人もいると思います。ファミコン世代を良くも悪くも振り回し、ゲーム外で楽しませてくれた「ウソ技」コーナー。皆さんが印象に残っている思い出の「ウソ技」は何でしょうか?

(Nuruhachi)

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