良いことをすると自販機から10円玉が！？ 不思議な物語に「いい話」「泣けた」

■信じ続けたら良いことが起こるかも、そう思わせてくれる物語

「私が良いことをすると、この自販機に必ず10円玉が入っている」……小学生の時、幼なじみの未央からそんな秘密を打ち明けられた可奈子。確かに彼女が良いことをすると、使われていない自販機から1日1回10円玉が現れました。「神様はちゃんと見てるんだね」と笑っていた未央でしたが、ある日一家夜逃げで姿を消し……。

　古日向いろはさん（@iroha_kohinata）による創作マンガ『良い事をすると良い事が返ってくる話』がTwitterで公開されました。本作は双葉社「webアクション」に『自販機』というタイトルで掲載された短編読み切り作品。

　自販機にまつわる不思議な物語に、読者から「いい話」「泣けた」「予期せぬお別れだったのに、それでも想い続けたこと、信じ続けていたことが素晴らしい」「数ページなのに、まるで映画でも見終えたような満足感」などの声があがりました。Twitter投稿は1万いいねを超える話題作となっています。

　作者の古日向いろはさんに、お話を聞きました。

ーー古日向いろはさんがマンガを描き始めたきっかけを教えて下さい。

　小さい頃から絵を描くことが好きでした。両親ともにマンガを読む家庭だったことも影響して、気付けば自分もマンガを読み、自然とマンガを描くようになっていました。

ーー『良い事をすると良い事が返ってくる話』のお話はどのようにして生まれましたか？

　小学生の頃の想い出が元になっています。友達と遊んでいた時に人から道を尋ねられ、教えてあげたことがあって、道案内のあとに友達が自販機でジュースを買ったんです。そうしたら、出てくるはずのお釣りよりなぜか10円多かった。その時友達が「良いことをしたから良いことが返ってきたんやね」と言っていたのが、ずっと記憶に残っていました。

　双葉社さんから「8ページで読み切り描きませんか？」とお話をいただいた時にその想い出がフッとよみがえって、そこからできあがったお話です。

ーーたくさんの感想が寄せられています。特に印象に残った読者の声について、教えて下さい。

「最近は理不尽なことが多いけど、信じてもいいよねと思いました」という言葉は、自分のマンガが誰かのプラスになっていることが感じられてうれしかったです。

『鳴かせてくれない上家さん』単行本全3巻が発売中（KADOKAWA）

ーー作画を担当された『鳴かせてくれない上家さん』の単行本全3巻が発売中です。お話のあらすじや作画の見どころなどをご紹介いただけますか？

　ひとりでネット麻雀にあけくれていた男子高校生・麻野くんが、麻雀を始めたばかりの後輩女子・上家さんに誘われて麻雀部に入部。麻雀に自信のあった麻野くんですが、なぜか上家さん相手だと思うように麻雀を打てず、どうすれば勝てるか悩むうちに上家さんのことが気になっていく……といった感じの麻雀ラブコメマンガです。

　作画の見どころは「女の子」です。メインヒロインのほかに3人の女の子が出てきます。ラブコメなので、みんなかわいいと思ってもらえるよう頑張りました。また、KADOKAWAサクラナイツ・日本プロ麻雀連盟所属の内川幸太郎プロに監修していただき、麻雀シーンにもこだわりました。

ーー今後、Twitterで発表される作品については、どのように活動していきたいとお考えでしょうか？

　描きたい話はいくつかあるので、商業連載向きでないネタを時間があるときにマンガにして公開したいなぁ……できたらいいなぁ……と考えています。またTwitterで見かけたら、読んでいただけるとうれしいです。

（マグミクス編集部）