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「マーベル」と「DC」は何が違う? アメコミ2大レーベルを5つのポイントで紐解く

マグミクス / 2022年3月19日 8時10分

「マーベル」と「DC」は何が違う? アメコミ2大レーベルを5つのポイントで紐解く

■世界観、テーマ性、ヒーローの描き方にも違いが…

 アメコミ原作映画は日本でも盛んに上映され、この2022年3月も『THE BATMAN -ザ・バットマン-』が公開されていますが、アメコミレーベルの2トップである「マーベル」と「DC」の名前を知っていても、それらと作品やヒーローたちの関係性まで詳しく分かる人は、まだ多くないのではないでしょうか。

 アイアンマンやスパイダーマンは「マーベル」、スーパーマン、バットマンは「DC」……と覚えることはできますが、今回は両者の違いを5つのポイントで整理します。

●「マーベル」と「DC」は異なる出版社

 簡単にいえば、それぞれ「MARVEL・コミック」「DCコミックス」という異なる出版社であり、そこで刊行されるコミックスに多くのヒーローが登場します。日本でいえば、「週刊少年ジャンプ」「週刊少年マガジン」などに相当するといえそうですが、これはあくまでビジネス上の話です。

●「身近な隣人」か「理想の人物像」か

「マーベル」と「DC」のヒーローにもそれぞれ特徴があります。全ての作品に当てはまるわけではありませんが、「マーベル」では社会的な立場が弱いヒーローなどが出てくることが多く、作品内の社会において、身近に感じることができる人たちが多い……という印象です。一方、「DC」のヒーローは理想的な正義を持ち、人物像も理想とされるようなスーパーヒーローとして描かれていることが多いと感じます。

●「実在の街」と「架空の街」の違いも

「マーベル」ではニューヨークなどをはじめ、実在する街が作品に多く登場します。一方「DC」では、バットマンは「ゴッサム・シティ」、スーパーマンは「メトロポリス」という架空の街で活躍が描かれているのも、注目したいポイントです。

●「演出の違い」はあるも、近年はそれぞれで変化

 ひと昔前は、それぞれの映画作品が広がるにつれて、「アクションで魅せるマーベル」、「ダークな世界観と人間ドラマで魅せるDC」といわれていました。しかし、その傾向も近年変わってきています。

「DC」の映画『ザ・スーサイド・スクワッド』(2021)ではコメディ部分やド派手でカラフルな戦闘アクションなどが話題になり、「MARVEL」ではダークヒーローを描くドラマ『ムーンナイト』(2022)など、かつてのイメージにとらわれないものが作られ始めています。

●映画の展開戦略も異なる

 映画の戦略で見ると、『アイアンマン』(2008)を機に始動した「マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)」は、ひとつの世界観のもとにすべての作品を並べて「アベンジャーズ」シリーズとしてまとめ上げる構想を実現しているは大きな特徴です。

「DC」にも当初はその構想がありましたが、作品ごとに独立した路線がメインです。ですが、「DCエクステンデッド・ユニバース」といわれる一部の作品では、共通の世界観を持つものもあります。

 このように、「マーベル」と「DC」はそれぞれ独自のスタイルをもって活動していますが、それぞれが新しい挑戦を繰り返し、特徴も変化しつつあります。これからも、「マーベル」と「DC」の作品はエンタメコンテンツとして毎回ワクワクさせてくれることでしょう。

 続いて、「マーベル」と「DC」の世界に入るのにおすすめの4作品を紹介します。

■事前知識不要! 「マーベル」と「DC」の世界観を楽しめる4作品

「マーベル」と「DC」の作品に入りやすいのは、やはり映画です。前知識なしで楽しめる、オススメのものをご紹介します。

「マーベル」は世界観を統一し、数多くの作品をユニバースとしてつないで展開しています。そこで最もオススメなのは『アイアンマン』(2008)です。今のマーベル映画の大きなくくりの最初となる作品であるため、知識などは要りません。

 軍事企業の社長であるトニー・スタークがテロリストに自社の製品を使われたことからヒーローに転じる……という内容は、ヒーローの誕生を分かりやすく描いています。

 また、音楽映画としても評価が高いのが『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』(2014)です。元犯罪者など癖のあるキャラクターたちがヒーローチームを結成し、宇宙を守るヒーローとなっていくストーリーで、コメディ要素も人気を集めています。実在するアメリカのヒットナンバーが使用され、映画との親和性が高く、他のマーベル作品を知らなくても楽しめます。

 一方、「DC」では単独作が多く、世界観を共有するものは限られています。そのなかでも知識なしで楽しめるのが『シャザム!』(2019)です。ダークな世界観が多いといわれているDC作品ですが、同作はコミカルな描写と王道ストーリーが特徴です。

 ひょんなことから魔術師からスーパーパワーを授かった少年ビリーが悪の力に立ち向かっていくのですが、この作品では「家族」がテーマになっており、ハートフルな部分も魅力です。

「DC」を代表する「バットマン」シリーズのなかでは、『ダークナイト』(2008)が導入としてオススメです。『バットマン ビギンズ』(2005)と『ダークナイト ライジング』(2012)の間にある2作目という位置づけですが、単独で見ても問題ありません。

「ジョーカー」という悪のカリスマと対峙するバットマンを描く物語ですが、秩序を壊すという目的で動くジョーカーの恐ろしさが物語に重厚さを加えています。「ヒーローとはどんな存在か」と、善悪の判断も揺らぐシーンなどもあり、見ごたえ抜群です。

(大野なおと)

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